SCP-1810-JP
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SCP-1810-JP - 撮影地 : ██公園

アイテム番号: SCP-1810-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1810-JPはサイト-81██のABSnH1飼育室に収容してください。SCP-1810-JP群の収容を定められた予算内で行えない場合、個体数の調整として一部のSCP-1810-JPに対鳥類記憶処理を施し、一般環境へ解放してください。

野生のSCP-1810-JPが発見された場合は即座に収容され、その周辺に生息するハト科(Columbidae)の生物は異常性の有無が検査されます。また、周辺のSCP-1810-JP-Aはすべて撮影した上で清掃作業を実施します。

収容環境下で発生したSCP-1810-JP-Aも同様に撮影します。すべてのSCP-1810-JP-Aは読み取り結果を研究資料として保管します。

説明: SCP-1810-JPは異常な性質を持ったハト科の生物の総称です。後述するSCP-1810-JP-Aを排泄することを除き、SCP-1810-JPは通常のハトと同様の習性を示します。

SCP-1810-JP-AはSCP-1810-JPによって排泄される糞です。SCP-1810-JP-Aが高所から平坦な地面に落下すると、着地時にQRコードを表現するように飛散します。SCP-1810-JP-Aは極端な濃度の白と黒で構成され、それ以外の色は殆ど含まれていません。しかしながら、SCP-1810-JP-Aは非異常のハトの糞と組成が殆ど同一です。SCP-1810-JP-AがQRコードを表現するためには、天候が安定していること、着地までに物理的な阻害を受けないことが条件です。また、SCP-1810-JPがすべての排泄毎にSCP-1810-JP-Aを生成するわけではなく、異常性の無い糞も確認されています。

SCP-1810-JP-AはQR読み取り機能を備えた機器であれば読み取ることが可能です。すべてのSCP-1810-JP-A実例はテキストを投稿して共有可能URLによって管理するウェブサービス、████████(https://████████.net)の単一のページにアクセスすることが可能です。ページにはあたかもSCP-1810-JPが人間と同等の知能を持ち、日常に関して発言したかのような内容が記述されています。また、ページの作成日時はSCP-1810-JP-AがQRコードを呈した瞬間と一致しており、編集/削除用のパスワードは主に1、2文字の無作為なものです。SCP-1810-JP-Aの示すページから読み取れる内容に反して、SCP-1810-JPは非異常性の標本と同等の知能を示しています。

SCP-1810-JP-Aは異常性を持たないハト科の生物にとってミーム的な感染能力を持ちます。即ち、ハト科の生物がSCP-1810-JP-Aを観察することによってSCP-1810-JPとなる場合があります。このプロセスは通常、SCP-1810-JP-Aを観察したハト科の生物が2、3回ほど粗雑で読み取り不可能なQRコードらしき糞を排出した後に達成されます。SCP-1810-JPは対鳥類用の記憶処理を施すことによって、その異常性を無力化することが可能です。

SCP-1810-JPは短文投稿型SNSのTwitter(https://twitter.com/)に投稿された"QRコードのように見えるハトの糞"の画像によって財団に感知されました。問題の██公園周辺地域に対する調査によって異常性の原因特定と収容作業が行われました。Twitterに投稿されたSCP-1810-JP-Aの画像は形状が大きく乱れた、もしくは非異常性のハトがSCP-1810-JP陽性になる前に残した粗雑なものであり、QRコードとして読み取ることは不可能でした。そのため、投稿内容がもたらす情報漏洩のリスクは警戒に値しないと判断されました。

収容に伴って回収されたSCP-1810-JP-Aの読み取り内容(抜粋):

タイトル: おすすめスポット

内容: トイレとベンチの間の落ち葉はいつまでたっても掃除されないので、休憩場所としておすすめします。

注記: 特になし。

タイトル: 要注意

内容: 最近備え付けのゴールでバスケを始めた小学生達、揃いも揃ってノーコンなので近くに寄る時は気を付けるように。

注記: 特になし。

タイトル: 自分の糞に責任を取れ

内容: パンの耳のおっさんの服に糞かけた奴、その糞のせいでおっさんが来なくなる可能性については考えなかったのか?

注記: 特になし。

タイトル: Re:自分の糞に責任を取れ

内容: あのおじさん、今日も来てくれたみたいだ。言っとくけど糞はボクじゃないよ。

注記: このSCP-1810-JP-Aは前述の"自分の糞に責任を取れ"にアクセス可能だったSCP-1810-JP-Aに重ねるように配置されていました。

タイトル: お詫びとお知らせ

内容: 予想外に延期された電波障害ですが、解消された模様です。次の電波障害は2週間と2日後を予定しています。

注記: SCP-1810-JP-Aの回収日時と天候の記録から推察するに、電波障害は降雨を指していると思われます。回収日時の前二日間は降雨が続いており、その2週間と2日後にも小規模な降雨が確認されました。

収容環境下で回収されたSCP-1810-JP-Aの読み取り内容(抜粋):

タイトル: 環境レビュー

内容: ここの人間は自然環境を再現することに必死ですが、うまくやれているとは言えませんね。電波障害がないのはありがたいですが。

注記: 特になし。

タイトル: よろしくおねがいします

内容: はじめまして、よろしくおねがいします

注記: このSCP-1810-JP-Aを生成したSCP-1810-JPは実験目的で導入された、元々は非異常の標本でした。 

タイトル: さらば友よ

内容: 定期的にここから連れてかれる奴等がいるのはどういった要件なんだ? あいつ等はちゃんと自由になれているのか?

注記: 個体数の調整について言及していると思われます。

タイトル: 発見

内容: ここ、抜けられそう

注記: このSCP-1810-JP-Aの近くにあった未使用の換気用ハッチは施錠が不十分でしたが、この内容を受けて再施錠されました。特筆すべきこととして、このSCP-1810-JP-Aは生成後すぐに他のSCP-1810-JPによって読み取り不可能になるまで攻撃されました。

補遺: 当初の発見地域とは異なる場所でSCP-1810-JPが発見されました。新たに発見されたSCP-1810-JPは既に確認されているSCP-1810-JP-Aに加え、コミュニケーションサービスであるLINE(https://line.me/ja/)のアカウント識別用QRコードを表現する新型の糞を排出します。SCP-1810-JP-Aの亜種とされるこの糞は対応アプリで読み込むことが可能です。読み取れるアカウントは無作為な1、2文字のニックネームに草木(稀にパン屑)のアイコンが設定されていることが共通していますが、任意の存在に使用されているような形跡はありません。このSCP-1810-JP群は問題なく収容され、既知のSCP-1810-JP-Aしか排泄しない標本とは隔離されています。

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