SCP-1820-JP
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SCP-ラッコ.jpg

SCP-1820-JP

アイテム番号: SCP-1820-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1820-JPはサイト-8102の海洋生物型オブジェクト収容室の水槽内に収容されています。SCP-1820-JPによる破壊を防止するため、水槽には厚さ7cmの強化ガラスが使用されています。現在、SCP-1820-JPの消失を防ぐ手段は発見されていませんが、定期的な給餌により収容室を再出現場所として学習させることに成功しています。
追記: SCP-1820-JPの再出現時、頭部の存在しない人型実体が水槽内に出現した場合、直ちに警備職員と研究責任者のアーヴィング博士に連絡してください。

説明: SCP-1820-JPは異常な性質を持った中型の海棲哺乳類です。後述する異常性以外はラッコ(学名:Enhydar lutris)とよく似た習性を持っています。

SCP-1820-JPは捕食行動の際、人間の頭部に類似した実体(SCP-1820-JP-Aと表記)を使用して獲物を叩き割ります。SCP-1820-JP-Aは皮膚のたるみ1(以下、ポケット)から取り出されていますが、そのサイズは明らかにポケットよりも大きく、また通常時のSCP-1820-JPの身体を調査しても発見することはできませんでした。捕食行動中に接近した場合、SCP-1820-JPは即座にSCP-1820-JP-Aを収納してしまいます。

SCP-1820-JP-Aは10代後半から20代前半のアイルランド人の特徴を有しています。眼球や口が動いたり、外的刺激に反応を示すことがありますが、視覚や聴覚などは機能していないことが観察によって判明しています。顔認識システムによる調査の結果、SCP-1820-JP-Aと該当する人物は確認されませんでした。SCP-1820-JP-Aは通常の人間よりも高い耐久性を持っていますが、捕食行動の度に強く殴打されるため、激しく損壊してしまうことがあります。

SCP-1820-JP-Aが使用できなくなると、SCP-1820-JPは未知の方法でその場から消失します。この時、SCP-1820-JPの身体は大量の気泡に変化するため、カメラやGPSを装着していた場合は外れて残留します。SCP-1820-JPは不規則なタイミングで同じ場所に出現し、以後は新しいSCP-1820-JP-Aを使うようになります。収容後に確認された消失から再出現までの期間は、最短で14分、最長で約2週間でした。交換されたSCP-1820-JP-Aがどうなるのかについては未だ判明していません。

以下はSCP-1820-JP-Aを代用できるものを見つけ、消失を防ぐことを目的とした実験記録の抜粋です。

SCP-1820-JPは2000年2月26日、山梨県の水族館で発見されました。発見時、SCP-1820-JPがSCP-1820-JP-Aを水槽に叩きつけて破壊したことで、利用客4名と飼育されていたラッコ2頭が負傷していました。関係者には記憶処理が施され、カバーストーリー「ガラスの経年劣化」が適応されました。なお、動物園などで飼育されているラッコが水槽のガラスに貝殻を叩きつけて破損させる事例は過去にも確認されており、この1件も害意からの行動ではないと推測されています。

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