アイテム番号: SCP-1842
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1842-1とSCP-1842-2は、サイト-118ガンマ棟の別々の保管ロッカーに保管します。SCP-1842を使用した実験を行いたい職員は対象の実験へ現在配置されている研究者か、サイト-118ガンマ棟のディレクターへ実験申請書を提出してください。
オブジェクトがSCP-2057実例を作り出す傾向にあるため、SCP-1842-2をスープ缶に類似した円筒形にすべきではありません。
説明: SCP-1842は2つで1セットの玩具であるSCP-1842-1とSCP-1842-2を指す総称です。
SCP-1842-1は、ピンク、紫、黄色で塗装された木製の玩具の電子レンジです。電気部品は含まれていません。ダイヤルとノブは機能せず、SCP-1842-2を内部に入れて使用しない限り、明らかに異常性がない木製の電子レンジです。
SCP-1842-2は粘土に似た物質であり、現在は20のプラスチック瓶に保管され、それぞれで色が異なっています。これを食品の形状に変え、SCP-1842-1の内部に配置した時、SCP-1842の異常な影響が発生します。ダイヤルを回すと、SCP-1842-1の構成部品の内部が機能する通常の電子レンジと同様に発光を始めます。ダイヤルを回した位置は結果に差異を与えません。
およそ30秒後、SCP-1842-1はベル音を鳴らします。これに続いてSCP-1842-1のドアが開き、内部に配置したSCP-1842-2の実例が先に形作った食品そのものの形状、香り、食感、味を持って現れます。調理後のSCP-1842-2をSCP-1842-3と呼称します。
毒物学試験によるとSCP-1842-2は摂食からおよそ3分後に中毒症状を呈し、嘔吐、激しい吐き気、頭痛やその他の症状を引き起こす有害物質です。被験者がこれを吐き出すか、または消化器系を通して排出するかした場合、全ての中毒症状は収まります。
一旦SCP-1842-2をSCP-1842-3に変換すると有毒性は失われます。しかしながら、栄養価は一切存在しません。
実験によるとSCP-1842-2から発現する食品はSCP-1842-1の使用者がそれを何と捉えているかに依存することが判明しました。SCP-1842-1はイメージする食物を最大限正確に表現した食品を生産しようとし、その土台としてSCP-1842-2を使用します。詳細な情報は実験ログSCP-1842-Aを参照してください。
SCP-1842-1が再現し得る食品の量は現時点で不明です。これは通常の電子レンジの作用に縛られることがなく、本来電子レンジでは作れないもの、例えば冷たいデザートや、または手の込んだ食品なども生産が可能です。
以下の文書はSCP-1842を回収した際に発見されました。
やあ、みんな! ママやパパがしてるお料理、まねしてみたいと思わない? ワンダーテインメント博士の魔法の電子レンジセット!™ を使えば今すぐできるよ。博士のスーパースペシャルパティミックス™でおいしそうな料理を作って、魔法の電子レンジにポンと入れて、ノブをひねって、はいできあがり! 本物そっくりよだれが出そうなとってもおいしいサプライズ、友だちも家族もみんなあっと驚くよ! せいたくなチョコレートケーキ、あつあつのペパローニピザ、そびえ立つアイスクリームサンデーだって焼けちゃうぞ! きみがイメージできるなら、それは作れる!
注意:調理前のワンダーテインメント博士のスーパースペシャルパティミックス™を口に入れないでください。
実験1
被験者: D-850392
SCP-1842-2の形状: 茶色の円錐、ピンクの球体で頂部が覆われている。
結果: SCP-1842-1は1個のストロベリーアイスクリームコーンを生産した。被験者はこのデザートを食べて「味気ない」と報告した。
実験2
被験者: D-5315890
SCP-1842-2の形状: 実験1のアイスクリームコーンをより詳細にしたバージョン。より一層ストロベリーアイスクリームコーンに似せるために彫刻を施した。
結果: SCP-1842-1は1個のストロベリーアイスクリームコーンを生産した。被験者はデザートを食べて「美味しい」と報告した。
注記:成形したSCP-1842-2の精巧さが生産される食品の味と品質に影響を及ぼすと結論付けることができる。- Louef博士
実験3
被験者: D-9013241
SCP-1842-2の形状: 中身の詰まった茶色の立方体。被験者へパスタをイメージしながらSCP-1842-1を操作するように指示した。
結果: 茶色の立方体。フェットチーネパスタを小さい立方体に圧縮したもののように見える。D-9013241はこの立方体があまりに圧縮されているため、非常に食感が固いことを報告した。
実験4
被験者: D-5382901
SCP-1842-2の形状: ロブスターテルミドールを詳細に再現した。
結果: SCP-1842-1は極めて正確なロブスターテルミドールを生産した。被験者は食器の美しさと、加えて「こんなに美味しい食事は初めてだ」と報告した。
注記:SCP-1842-1が生産できるものは食品に限定されないと見られ、極めて精巧な皿でさえも再現可能。- Louef博士
実験5
被験者: D-1251789
SCP-1842-2の形状: 緑の球体。被験者へダイヤモンドをイメージするように指示した。
結果: SCP-1842-1は通常通りに作動したが、SCP-1842-2の実例に変化は無かった。
注記:SCP-1842はあくまで食品類に限り生産可能であると思われる。- Louef博士
実験6
被験者: D-678923
SCP-1842-2の形状: 解剖学的に精密な人間の腕の彫刻。被験者に人間の肉を思い浮かべるよう命令した。
結果: SCP-1842-2に変化は無かった。
注記:明らかにSCP-1842-3は使用者が食品であると捉えているもの、可食的なイメージのものだけを生産し得る。
実験7
被験者: D-678923
SCP-1842-2の形状: 黒い銃の彫刻
結果: 当初、D-678923へは黒いリコリス菓子の彫刻を使用するように命令していた。だがしかし、D-678923はそれを素早く銃の形に作り直し、警備員が制止するよりも先にSCP-1842-1を使用した。SCP-1842-1の動作が完了するのを待っている間に被験者は警備員によって終了された。前記のSCP-1842-3は後にテストされ、銃として機能しない彫刻であることが判明した。
実験8
被験者: D-235789
SCP-1842-2の形状: 解剖学的に精密な人間の腕の彫刻。被験者はかつて人食いカルトのメンバーだったために逮捕されている。
結果: SCP-1842-1はグリルで焼かれた精密な人間の腕を生産した。摂食した後、被験者は「最高」の味がしたと述べた。
実験9
被験者: D-785201
SCP-1842-2の形状: 「白酒虾」(白ワイン漬けにした生きた食用エビを使う中華料理)のモデル。被験者は中国の新疆で生まれ育った。
結果: SCP-1842-1は生きたエビのように痙攣して動く数匹のエビを生産した。しかしながら、追加実験によってこれらのエビは主要臓器の大部分が欠損しており、事実上死んでいるにも関わらず運動していることが判明した。被験者はこのエビが少々味気ないことを報告した。
実験10
被験者: D-124892
SCP-1842-2の形状: フォアグラ(太らせたカモの肝臓の料理)の彫刻。被験者にフォアグラの写真を見せ、しかしそれが本当はタルト・タタン(カラメルを使ったリンゴタルトであり全く違う料理)と呼ばれていると教えた。また被験者にSCP-1842-1を使用している間「タルト・タタン」と頭の中で繰り返すように伝えた。
結果: SCP-1842-1は1皿のフォアグラを生産した。
注記:SCP-1842が必ずしも料理を正しく解釈して生産する訳ではないことは明白だ。使用者が正確に料理を特定していない場合でも、使用者が料理だと捉えている何かを生産する。- Louef博士
ページリビジョン: 6, 最終更新: 29 Aug 2021 16:41