アイテム番号: SCP-1846
オブジェクトクラス: Euclid-exsequi
特別収容プロトコル: SCP-1846はサイト17のタイプ3人型収容室に収容されることになっています。SCP-1846の収容区画は施設と外壁を共有します。施設外部に設置されたセンサーはSCP-1846の収容室外部表面の風速の変化を測定します。数値が60~80kphの間であれば正常ですが。もしも、測定値がこの範囲外を示した場合サイト監督とSCP-1846に報告してください。
SCP-1846を封じ込める有効な手段は強化ガラス、コンクリートまたは砂や砂利のような粒子状の資材で形成された構造体で囲むことでのみ可能となります。SCP-1846がサイト17にいる間は重要ではありませんが、強化ガラスかコンクリートで完全に囲まれている場合は別にしてSCP-1846はサイト17を出てはいけません。
SCP-1846にはトウモロコシとトウモロコシ製品だけで構成された食事を与えてください。SCP-1846が財団職員と協力しないならば、コーンシロップ、もしくは、トウモロコシ丸ごと一本が与えられることになっています。
説明: SCP-1846は50歳程度のコーカソイド男性のように見えます。しかしながら、SCP-1846の表面はその皮下組織から生えたトウモロコシ(Zea mays)の葉で完全に覆われています。これらの葉は光合成しませんし栄養素を消費することもなく、まったくなんの役にも立ちません。つまり、これらは単なる装飾だと思われます。対象はトウモロコシからできている食事だけで生存することが可能であり、それ以外の食物で構成された食事を与えられた場合、栄養失調の兆候を経験します。
SCP-1846と接触したどんなZea maysも異常なほど栄養価の高い穂(試験栽培されたものと比較して)が成り、およそ4倍長生きします。SCP-1846はこの効果をコントロールしていません。また、これはトウモロコシが生育する土壌に悪影響を及ぼしません。
SCP-1846が粒子状ではない資材によって囲まれている場合、未知の力が、明らかに空とSCP-1846の間の経路を切り開くためにその素材に壊滅的な損害をもたらすでしょう。そのような経路が存在するならば、この力はSCP-1846を誘拐しようと試みます。しかしながら、SCP-1846はこの力をある程度に制限し抵抗する能力があり、通常、上向きに引き上げる力は0.5 m/sになります。
SCP-1846をガラスまたはコンクリートで囲むことは対象を中心に60~80kphの下降気流を起こす結果になります。これは、対象の周辺に損害をもたらしている場合がありますが、SCP-1846の封じ込めを突破するには不十分です。
SCP-1846が攻撃的傾向を示したことはなく、財団職員に大抵の場合協力的です。
補遺: すべての証拠が██/██/████以前はSCP-1846が身体的に人間と区別不能で、その食事に対する欲求とトウモロコシへの影響以上のいかなる異常な特性も現わさなかったことを示しています。SCP-1846はClint Holtonという名前で[編集済]ロビー活動事務所に雇用されていたというのが現存する唯一の記録です。現従業員、および元従業員から、SCP-1846の異常な行動についてわずかな報告がありましたが、対象の業務時間外の行動について知る者はいませんでした。
SCP-1846が他の特性を発現させたのは██/██/████に米国上院議員[編集済]とその私邸で行われた商談の最中です。上院議員が地方当局を呼んだのは、彼の特性が上院議員の邸宅に重大な損害を与え、SCP-1846をトウモロコシの葉が覆った後です。財団が到着するまで、SCP-1846は邸宅の核シェルターに避難し得ました。
インタビューログ1846-2からの抜粋:
SCP-1846: 実際のところ、重要なのは私が天からの使者だということだ。人々が依然として崇拝している神に属さない、もっとも、明らかに翼を持っただけの人というタイプでは無いのだが。
█████博士: それで、どんな神様なのかな?
SCP-1846: 主は自分のことをSrqnabotfと名乗った、S-r-q-n-a-b-o-t-f、大文字のSだ。私が思うに、主を崇拝する最後の一派はスペイン人の到来と共に消え去ったのだ。主はとうもろこしの神だ、そして、つまり、主こそが唯一の神なのだ。他の者がいるなんて考えられない。█████博士: なるほど。そしたら君のその特性はトウモロコシの神のために働く結果だと考えていいんだね。
SCP-1846: その通りだ。言うまでも無くとうもろこしの神の元で働くことで私はとうもろこしの使者になったのだ。私の仕事、ふむ、それはとうもろこし農家のためのより高額な助成金のためにロビー活動をすることだ。自ら選んだ仕事だ。主を養うためだ、分かるだろう。とうもろこしは栽培され、消費される。
█████博士: それはとても有意義なことだと思うよ。ほかに何かあるかい?
SCP-1846: さて、そこには。ふむ、私の身に起きたことが奴らにも起きたのだ。それが起きたとき奴らは畑に出てトウモロコシを陵辱するとかそんなことをしていたのだよ。そして、彼らはすぐに空へと吸い込まれていった。ニュースにもなったと思う。
█████博士: 君の言う"それ"が、その他のいくつかの特性の発現を示しているように思うんだけど。それが起こった理由を説明してもらえるかな?
SCP-1846: どう言ったらいいのか…それは、携挙のようなものだ。Srqnabotfは主の使いを全員地球から拾い上げたらすぐに全てを終わらせようと決断した、我々を本当の姿(True Forms)へと還し — "True"と"Forms"は大文字にしといてくれ — そしてほとんどの使いを引き上げた。主は私と、恐らく他の幸運な魂を待っているのだ。そして、その時何かが起こる。
█████博士: その話は次のインタビューでやった方がいいと思うな。それは置いといて、どうやって守られていたのか説明してもらってもいいかな?
SCP-1846: もちろんだ、Srqnabotfは言うまでもなく全知全能だ。しかし主は時代に敏感というわけではなく。人々がどんなものを作れるのかイマイチ分かってない。
█████博士: 関係がよくわからないな。
SCP-1846: 主が私を引き上げる道の間に木や石や金属を認めたとき、主はそれが強固であるが故に引き裂かなければならないことを知っている。しかし、主がコンクリートかガラスを認めた場合、主はそれが砂利か砂だと考える。だから主はそれを道からどけるために吹き飛ばそうとするのだ。そして、それが効いていないことに主が気づいているとは思えない。
█████博士: マジで?
SCP-1846: 言わせないでくれ。実のところ主はどんな子供よりも世間についての理解が乏しいんだ。それにどうも主には支配力を持つ者としての…ちょっと聞いてもらってもいいかな?
█████博士: どうぞ。
SCP-1846: 多くのとうもろこしを買い、多くのとうもろこしを食し、とうもろこしに投資する。詮無き事だ、なぜなら、私の仕事 — あなた方の来世の宿命は、ただ、どれだけのとうもろこしを栽培するか利用するかという役目、それだけなのだ。余計なお世話だ、考えても見ろ、コロンブス交換前のユーラシアに住んでいた誰もが、今となってはポップコーンの素で動脈をズタズタに-
█████博士: あー、だいたい分かった。
SCP-1846: ごめん。
SCP-1846の主張が検証されたことはなく、また検証不可能だと思われます。SCP-1846の主張を検証する職員は懐疑的な視点を持つことを忘れないでください。