SCP-1847-JP
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アイテム番号: SCP-1847-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-1847-JPはサイト-1345内に設置された容量800tの水槽内部に一匹ずつ収容されます。水槽は週に一度点検・清掃を行い、異常が見つかった場合は水槽区画を封鎖して補修を行って下さい。財団は野生のSCP-1847-JPを常時捜索し、発見次第可能な限り活動を妨害しつつ捕獲し、サイト-1345に輸送して下さい。実験は社会的影響の大きさからいかなる場合も禁止されます。

説明: SCP-1847-JPは空間異常を発生させる能力を持つオスのジンベエザメ(Rhincodon typus)です。一般的なジンベエザメと比較して身体能力及び水温変化への耐性が高く、本来の生息域ではない水温の低い海域にも出現します。現在、7匹が収容されています。

SCP-1847-JPは餌を摂取する際に自身の口腔内の空間を体長から想定されるよりはるかに大きく拡張します。その後、口腔内の圧力を大きく減少させた後に、顎部を変形させることで通常よりも大きく口を開き、周囲に存在する魚類(以下、対象と記載)と共に大量の海水を吸い込みます。

飲みこまれた対象は口腔内に入った直後に消失し、SCP-1847-JPの最も付近の位置に存在する漁船内部に再出現します。この際周囲の人間は違和感を抱かず、対象を「自身が捕った獲物である」と認識し、通常の魚類と同様に売買します。

補遺: 日本各地に伝わる「豊漁をもたらすジンベエザメ」の伝承とSCP-1847-JPの関連性を調査した結果、福井県██市███村に伝わる「ジンベエザメの神様」の伝承にSCP-1847-JPの特徴との類似点が多数確認されました。このため、財団は現地にエージェントを派遣し、住民に対してインタビューを行いました。

対象: 山下 博則氏 (68) 男性 漁師

インタビュアー: エージェント・亀山

付記: ███村を含む周囲の地域は現在漁業が盛んな事で有名である。山下氏は当時地域の漁業組合の会長を勤めていた。

<録音開始, 2002/7/16>

山下氏: しかしあんたも物好きだね、わざわざいさな様1を調べるためにこんな年寄りのとこまで来たんかい。

エージェント・亀山: はい。あなたが最もこの村の伝承に詳しいと聞きまして。

山下氏: そうかあ。まあせっかく来たんだ、儂の知っている事で良いなら教えよう。

エージェント・亀山: ありがとうございます。

山下氏 : 元々ジンベエザメってのは儂ら漁師の間では縁起が良いって有名でのぉ、見かけたら漁があたる2ってんでありがたがられとるんだ。

エージェント・亀山: なるほど。

山下氏: でもいさな様はな、そんなおとぎ話なんかじゃねえ。いさな様は本当に漁師達に恩恵をもたらしてくれるんだ。ここいらの村がやっていけてるのも、みんないさな様のおかげなんだ。

エージェント・亀山: そうなのですか?

山下氏: ああ、死んだじいさんがよく話してたんだがな、じいさんがまだガキだったころ、ここらの海は天候が荒れやすくて漁に出てもなかなか魚が捕れんでなぁ、村を捨てて出ていく奴も大勢いたらしいんだが、いさな様が出るようになってからどんなに天候が荒れても魚が海から湧いてくるみたいに捕れるようになったらしい。

エージェント・亀山: そうですか。凄い神様なのですね。

山下氏: そうだ。そん時は儂も作り話だと思っとったんだがな、いさな様は実在するんだ。ここいらの村にはいさな様を見た奴がいっぱいいる。儂も見た事があるしな。

エージェント・亀山: ほ、本当ですか?

山下氏: ああ、50年くらい前のこの時期だったなぁ。あん時はすごかったぞぉ?あれを見たすぐ後からもう船に入りきらねぇ程の大漁でのぉ、あんなに捕れたのは後にも先にもあれっきりだったからなぁ。

エージェント・亀山: なるほど。確かに不思議な話ですね。

山下氏: ああ、他の奴らだってそうだ。いさな様を見た奴は山程魚を捕って帰ってくるんだ。だからこの辺りの村じゃあどこだってみんないさな様を拝んどる。いさな様は儂らにとっての福の神じゃからなぁ。

<録音終了>

終了報告書: 更なる聞き込み調査の結果、周辺地域の住民の6割が「いさな様」を目撃したと主張しており、彼らの証言にもSCP-1847-JPとの共通点が多数発見されました。調査終了後、███村の住民には記憶処理が施されました。

その後、世界各地の「豊漁をもたらす神の化身」に関する伝承を調査した所、SCP-1847-JPとの類似点が複数発見されました。この事から、SCP-1847-JPは財団に発見される以前から漁師達に目撃されていたと推定されています。

事案1847-JP: 2012年以降、世界各地のスーパーや鮮魚店等の商業施設で異常な物品が販売されるという事例が連続して発生しており、これまでに以下の物が回収されています。

  • 破損した網や釣り糸、及びペットボトル容器等のプラスチックゴミ 累計██████トン
  • 壊れたテレビや冷蔵庫等の大型家電 累計████トン
  • ワシントン条約によって商業取引が禁止されている海洋生物 2█種3
  • 著しく腐敗、あるいは完全に白骨化した身元不明の人間の死体 27体
  • 特別管理産業廃棄物 累計███トン 回収されるまでに合計████人の民間人が重度の健康被害を受けた。

これらの物品は全てSCP-1847-JPが偶発的に吸い込んだ物であると推定されています。SCP-1847-JPが与える社会的影響の大きさを鑑み、SCP-1847-JPのオブジェクトクラスはKeterに再分類され、捜索に用いる費用の増額が決定されました。

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