SCP-1879-JP
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SCP-1879-JP

アイテム番号: SCP-1879-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1879-JPはサイト-8122の低脅威度物品収容ロッカー内に保管されます。SCP-1879-JPに関連する言説にはカバーストーリー「試料汚染」を適用してください。古生物学および古環境学に関連する研究機関は検閲を受けます。カ科昆虫の保存されたミャンマー産琥珀は他の研究機関へ渡らないよう現地から購入し、古脊椎動物学会を通じて財団以外の流通を規制してください。

説明: SCP-1879-JPは、ミャンマー北部カチン州から産出した約1億年前の複数の琥珀に保存された、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)に類似するカ科昆虫です。SCP-1879-JPは胃内容物が良好な状態で保存されており、ほぼ完全なDNAが検出されています。これは既知の非異常のDNAの保存期間を有意に超過しています1

SCP-1879-JPに保存されていたDNAを元にクローニングを行ったところ、基盤的なハドロサウルス上科やテリジノサウルス科をはじめとする複数種の植物食恐竜が復元されました2。いずれもミャンマーで当該の恐竜化石は産出しておらず、新属新種の可能性があります。また、復元された2種の植物食恐竜はいずれも異常性を示しませんでした。

発見経緯: SCP-1879-JPは日本の██大学大学院理学研究科に在籍する██氏の修士研究において発見されました。██氏はSCP-1879-JPの胃内容物から生物のDNAの抽出とゲノム解読に成功し、研究成果を██████誌に投稿しました。査読を担当した██研究員が興味を抱いて現地を調査したところ、ミャンマー産琥珀中のカ科昆虫はいずれも胃内容物の保存状態が極めて良好であり、内部の核酸の保存が確認されました。一方、他のハエ目やそれ以外の目などカ科に属さない昆虫の保存状態は非異常の琥珀と有意な差が確認されず、SCP-1879-JPの異常性は琥珀ではなく保存された蚊個体に依存することが示唆されました。

異常性を確認した財団は██氏と同研究室に所属していた学生・教官にBクラス記憶処理を実施しました。██氏の論文は試料汚染を根拠とするリジェクトを受け、同誌を発行する日本███学会は財団による検閲の強化が決定されました。



追記: 恐竜と共に抽出されたSCP-1879-JP自体のDNAでクローニングを行ったところ、発生した蚊個体(以下、SCP-1879-JP-A)に異常性の遺伝が確認されました。成熟したSCP-1879-JP-Aは、全身の周囲を液体あるいは固体の基質で隙間なく充填された際、生命活動を停止すると同時に強固な破壊耐性を獲得することが判明しました。現時点で基質内のSCP-1879-JP-Aを破壊する試みは全て失敗に終わっています。SCP-1879-JP-Aの破壊耐性は体表面の██%を占める基質が除去された場合に解除されます。基質を除去、あるいは基質から摘出されたSCP-1879-JP-Aは、破壊耐性を失うと共に生命活動を再開します。

以上からSCP-1879-JPの異常性は蚊に由来することが断定され、SCP-1879-JP-Aを用いて以下の実験が行われました。

実験記録1:

手法: 各種基質を充填し、充填中および摘出後の様子を観察する。

結果:
基質 充填時間 結果
冷水 5分 摘出後、一切の後遺症を示さず生命活動を再開した。
コンクリート 7日 摘出後、一切の後遺症を示さず生命活動を再開した。
███製薬の市販殺虫液 1分 摘出後、生命活動を再開したが、直後に死亡した。
1.0×10-3mol/Lの塩酸 1分 摘出直後に溶解し、死亡した。
98.0℃の熱湯 1分 摘出後、生命活動を再開した。軽微な熱傷が確認された。

考察: SCP-1879-JP-Aは基質充填中に基質の化学的性質に耐性を示す一方、摘出後は体表に付着した基質に対し化学的・生化学的耐性を示さなかった。しかし物理的耐性を有するのか、熱の影響は想定を下回るものであった。

実験記録2:

手法: 高温あるいは低温の基質を充填し、サーマルカメラでSCP-1879-JP-Aの温度変化を観測する。

結果:
基質 充填時間 結果
850℃の塩化ナトリウム 10分 摘出直後に融解し、死亡した。摘出までSCP-1879-JP-Aの温度変化は確認されなかった。
-200℃の液体窒素 10分 摘出後に生命活動を再開したが、重度の凍傷が確認された。摘出まで温度変化は確認されなかった。

考察: SCP-1879-JP-Aは基質充填以前の温度を維持した。当該特性が破壊耐性の部分的な作用であるか検証が必要であろう。

現在、回収されたSCP-1879-JPを用いた古生物のクローニングおよびSCP-1879-JP-Aの条件付き破壊耐性の機序の研究が進行中です。































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