SCP-1885
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アイテム番号: SCP-1885

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1885は、使用済み核燃料棒の処分に使用される規格に準拠した鉛張りのコンクリート容器に収容されています。この容器は更に、1トンの爆発に十分耐えられる規格の防爆金庫に保管されます。3ヶ月ごとにSCP-1885を容器から取り出して、サンプルを採取し、その核の現在の組成物および核分裂状態を判定してください。SCP-1885のサンプル採取および実験は、全てロボットを介して実施します。

事案1885-Aに続き、SCP-1885の収容施設には完全に歯が喪失した職員をスタッフとして割り当てることが推奨されています。また、SCP-1885の担当研究者は、サイトへ移動する前に全ての歯を抜歯します。生えている歯の本数に関わらず、SCP-1885収容施設に割り当てられている全職員は、最低でも3ヶ月に1回の頻度で完全な歯科検査を受けることを要求されます。

説明: SCP-1885はヒトの第三大臼歯であるように思われます。しかしながらエナメル質やセメント質は、3倍の厚さの鉛に匹敵する放射線遮蔽力を有する高密度のセラミック状物質で構成されています。この物質を複製するための努力が進行中です。加えて、SCP-1885の象牙質は混じりけのないウラン235 ネプツニウム237 プルトニウム240 アメリシウム241で構成されています。17ヶ月ごと1に、SCP-1885の象牙質は、周期表上で隣に表記されている元素の同位体へ、量はそのまま自発的に変換されます。歯髄は未知の物質に置換されており、あらゆるサンプル採取の試みに抵抗性を示しています。象牙質からの放射線による干渉のため、歯髄の非侵襲的なスキャンを実行することはできませんでした。

エナメル質とセメント質を構成するセラミックには数ヶ所に穴が開いており、虫歯による空洞と同様のパターンで象牙質と歯髄を露出させています。外部環境に曝され、通常の放射性崩壊と一貫性を持つ放射線を放出しているにも拘らず、財団のサンプル採取以外では、象牙質の質量や体積には測定可能な減少がありません。SCP-1885から除去されたサンプルは、異常性の無い場所から回収された同位体と同じように機能/崩壊し、SCP-1885の次回活性化の際も変換されません。しかしながら、象牙質から採取された分量は新たな元素によって補充されます。

事案1885-A: 20██/03/07、SCP-1885割当の研究者である██████博士が、ステージ3喉頭癌およびステージ4下顎/口腔癌と診断されました。標準的な健康診断の結果、██████博士の左下の第二大臼歯が電離放射線を放出していたことが発覚しました。歯は有害物質プロトコルに従って抜歯され、切開されました。エナメル質が正常だった半面、象牙質と歯髄はローレンシウム262に置き換えられていました。ローレンシウム262が急速な減衰率2を有し、また崩壊と一致する放射線を放っているにも拘らず、歯の内容物はより軽い元素に減衰/崩壊することはありませんでした。新しい歯は暫定的にSCP-1885-2と指定され、SCP-1885と同一のプロトコルの下で収容されました。収容から37ヶ月が経過しても、SCP-1885-2内部のローレンシウムは異なる元素に置換されず、採取されたサンプルも補充されませんでした。SCP-1885-2は20██/05/12を以て完全に内部をくり抜かれ、それ以降は不活性のままです。

██████博士の癌の治療には、腫瘍の大々的な外科的切除と、積極的化学療法が伴いました。放射線療法は、SCP-1885の特性を考慮して、過度に大きなリスクであると考えられました。しかし、██████博士は治療を生き延びる事が出来ませんでした。外科手術の際に抜歯、または解剖時に回収された彼の歯は、いずれも異常な性質を見せていません。

(以下のメモは、██████博士によって死の直前に書かれました。)

SCP-1885とその担当職員は定期的に監視しなければなりません。私の歯の内容物がSCP-1885の現在の元素からさらに少し先に進んでいたことは既に聞いています。これが再び起こった時、我々には備えが出来ていなければなりません。例え現在の進行速度を保ったとしても、30年未満でSCP-1885は我々にとって未知の放射性元素を生成し始めるでしょう。その上コピーが更にその先を行くというのであれば、私のような状況下にある個人ばかりでなく、人口集団全体が危険に曝されます。オリジナルの歯は確かに頑丈な殻を有しているかもしれませんが、それ以降の物が全くそうではなかったとしたら? 歯のエナメル質は、相対的に言って、ヒビを入れるのは難しくはありません。我々はミニ核弾頭を口に仕込んだ誰かさんがそこらをほっつき回るのを看過することは出来ないのです。

██████博士

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