SCP-1887-JP
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アイテム番号: SCP-1887-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1887-JPは標準Safeクラス収容ロッカーにおいて保管、管理を行ってください。SCP-1887-JPを用いた実験を行う場合は不慮の事故を防ぐため対象以外の職員は対生物汚染用スーツの装着が推奨されます。実験の際発生した植物は異常性の有無を確認後、所定のサイトに輸送してください。

説明: SCP-1887-JPは異常性を持つミゾカクシ(Lobelia chinensis)の種子です。

SCP-1887-JPが何らかの形でヒト(以下、対象)の体内に侵入した場合、対象は約1~3時間後、心臓等の突発的疾患により死亡します。その後、対象の死体は異常な速度で生分解が行われ、十分な環境要因が存在しない場合においても約1日から1週間以内で堆肥化が発生します。この際発生する堆肥は対象の体重以上の重量が確認される場合もあるため、実験の際は大規模実験室を使用することが推奨されます。

発生した堆肥を放置することで新たに非異常性の植物が発生します。これらの植物は発生ごとに異なった種が発生します。これらの種はミゾカクシ属外のものであっても発生し、現在時点で発生条件は確定されていません。

一般的な方法でSCP-1887-JPを栽培した場合、異常性は発生しません。

SCP-1887-JPはGoI-2722"鉄錆の果実教団"への第三次襲撃作戦の際、押収されたオブジェクトです。当該団体ではこのオブジェクトが"穢れた肉に咲く花"と称され信仰対象かつ懲罰、拷問を行う際に使われていたと推測されています。

以下はSCP-1887-JPを用いた実験記録の抜粋です。生物実験を除き対象の性別、体重等身体条件を一致させたうえで実験は行われました。

実験記録1887-JP(抜粋)

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: D-89987(3件の殺人、2件の強盗殺人により起訴)
発生した植物: ヤマオダマキ(Aquilegia buergeriana)

ヤマオダマキ.jpg

開花したSCP-1887-JP

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: 実験用ラット(Rattus norvegicus)
発生した植物: N/A
メモ: ヒト以外の動物では死亡するが異常性は発生しないようだ。

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: D-86117の死体(2件の殺人、2件の強姦殺人により起訴。SCP-███-JPの収容違反に関係し死亡)
発生した植物: N/A
メモ: ヒトだとしても死体では発生しないということか。

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: D-87566(2件の殺人事件により起訴。対象は暴行の被害者であり、暴行加害者に対する殺人で起訴された)
発生した植物: フレンチ・マリーゴールド(Tagetes patula)
メモ: 関連文書から想像できていたが植物の種類が変化した。生物学的条件は一致させている。考えられるのは来歴だが、関連文書の"穢れ"から考えて犯罪者と言う部分も加味する必要があるか。

マリーゴールド.jpg

開花したSCP-1887-JP

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: D-81783([編集済]において信仰に基づきテロ行為に関与し複数の反社会的行為に関与。実験の為身柄を移送)
発生した植物: ヤマトリカブト(A. japonicum Thunb)
メモ: 人種はできうる限り一致させたが、やはり来歴、それも犯罪歴に関係しているのか。今まではDクラスしか使えなかったが、何らかの方法で犯罪歴のない検体が手に入った場合実験に使用することを考えておく。

ヤマトリカブト.jpg

開花したSCP-1887-JP

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: ██ ██(エージェント・██の親族であり脳死状態。生前の意向とエージェント・██の了承により実験に参加。犯罪歴は無し)
発生した植物: ヒトリシズカ(Chloranthus japonicus)
メモ: 仮定が崩れたと見るべきか。犯罪歴でないとすれば完全にランダムなのか?

ヒトリシズカ.jpg

開花したSCP-1887-JP

日付: 20██/██/██
担当者: ██研究員
対象: ██ ██ (財団関連施設内で無脳症児として誕生。両親の許可を得、実験に参加)
発生した植物: ハボタン(B. o. var. a f. tricolor)
メモ: 完全にランダムだと判断すべきか。これ以上の実験に意味はないだろう。

ハボタン.jpg

開花したSCP-1887-JP

インシデントレポート1887-JP-01 - 日付 20██/██/██

20██/██/██、サイト-81██をGoI-2722と推測される集団が襲撃。小規模な収容違反が発生しました。この際SCP-1887-JPを簒奪、複数の職員に対し使用しました。SCP-1887-JPはその後回収され集団は退去しましたが、SCP-1887-JPの影響を受け██研究員を含む9人の職員が死亡、その際発生した植物の影響によりサイト-81██は破棄が決定されました。

以下はサイト-81██から最後に受信された音声ログです。

音声ログ1887-JP-01 - 日付 20██/██/██

<再生開始>

00:00:00: [喘鳴] 私は██。サイト-81██の研究員です。現状の報告を行います。

[約10分間の状況説明]

00:11:06: 以上が現在のサイト-81██の状況です。私自身もSCP-1887-JPを飲まされ、復帰は困難であると推測しますが、出来得る限り地上への復帰を試みます。

00:15:22: ██博士の遺体を発見しました。[喘鳴] 急速に生分解が行われており、SCP-1887-JPが投与されたと推測されます。 私も大分思考が緩慢になってきました。

00:21:33: [激しい喘鳴] 地上へのハッチの近辺と推測される部分まで到達しました。しかし復帰は不可能のようです。ハッチを、いえ、サイト全体を大量の堆肥と根が覆っています。[粘着質な音] おそらくはSCP-1887-JPの根であると推測されます。ここまでの量は実験を行った中でも例がありません。復帰不可能と[ノイズ]、最期まで連絡を行います。

00:48:33: [ノイズ]、もう自分が何を言っているかはっきりと分かりません。これまでにSCP-1887-JPを投与した例では突然死が多数を占めていましたが、血をずっと吐き出し続けています。私の来歴によるものでしょうか。 [激しい喘鳴] 私は法を犯したことはなく、人を[ノイズ]ないのですが。

01:09:54: 周囲の根が増しています。[ノイズ]ているのでしょう。全身に何かが根を張っているような感覚です。ああ、そういえば、実験の際対象にインタビューを行っていませんでした。同じような状況だったのでしょうか。 [激しい喘鳴]

01:22:45: 目が見えません、耳[ノイズ]、ただ、全身に根を張って、SCP-1887-JPが芽吹くイメージだけがあります。私の心臓に、脳に、血管に根を張って。SCP-1887-JPは何を栄養としているのかと疑問に思うことがありました。 [弱い喘鳴] 今は、分かる気が、します。 [激しい喘鳴] SCP-1887-JPは私たちの[ノイズ]、死ぬことは、驚くほど恐くありません。恐ろしいとすれば、私たちの中の、養分が。生まれ落ちた時から[ノイズ]。ならば生まれる事とは。

01:23:08: [嗚咽] せめて、美しく咲いてほしいというのは悪いことでしょうか。

[以降、音声途絶]

<再生停止>

以下は上記インシデントの際発生したSCP-1887-JPです。

日付: 20██/██/██
担当者: N/A
対象: ██研究員他9名(生物学的条件、犯罪歴等は全員一致せず)
発生した植物: マーガレット(Argyranthemum frutescens)
メモ: 多数の対象から発生したにもかかわらず、すべて同一の種であることが判明しています。

マーガレット.jpg

開花したSCP-1887-JP。サイト-81██は現在これらの下部に埋没し、潜入は不可能

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