SCP-1892-JP
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disaster

SCP-1892-JP通過後の███・████市街地。

アイテム番号: SCP-1892-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1892-JPが通過した範囲の復旧作業が終了するまで、部外者が立ち入ることのないよう大規模な交通規制および情報統制を行います。SCP-1892-JPが生成した繭を完全に覆うように、収容サイト-1892の建造が開始されています。███・████の崩壊に対してカバーストーリー「竜巻」が流布されています。

説明: 出現当初のSCP-1892-JPは鱗翅目の幼虫と類似した外見を持つ非常に巨大な異常生物であり、その全長は300mを超えていたことが確認されています。オブジェクトの体色は概して白色であり、背面には2本の赤色のラインが走っています。オブジェクトの尾節と口器、ならびに体節毎に1対ずつ存在する気門からは白色〜茶褐色の糸を無尽蔵に吐出することが可能です。この糸は強い粘性と張力を有しており、付着した物体を外部から引き離すことは成功せず、オブジェクトから糸を切断することも不可能でした。SCP-1892-JPの食性は雑食であると推定されており、吐出した糸に付着した物体は何であれ、糸を手繰り寄せるように口器へと運び、摂食します。

事案記録1: SCP-1892-JPの起源であると推測されているアメリカ合衆国██████に存在していた生物研究施設は、オブジェクトの出現と同時に破壊され、回収可能な資料は残されませんでした。その後、SCP-1892-JPはアメリカ西海岸へ向けて進行を開始し、その道程に存在した███・████市街地に壊滅的な被害を齎しました。SCP-1892-JPは7対の歩脚を用いて、出現地点から目的地までの約200kmの距離を平均30km/hの速度を維持して移動し続けました。多数召集された財団の機動部隊により加えられた攻撃は、SCP-1892-JPに一切の速度低下を齎すことができませんでした。一連の事案により合計で22,533名の行方不明者が発生したことが確認されています。

海岸線から3950mの地点に到達したSCP-1892-JPはその場から一切の移動を行わなくなり、翌日になって繭の生成が開始されました。オブジェクトが吐出した白色の糸によって直径253mの半球状の繭が形成され、SCP-1892-JPはその中に潜伏したと推定されました。繭の生成に用いられた糸は電磁波および音波を完全に遮断する作用を有しており、周辺への影響を鑑みて可能な範囲で実行された種々の破壊試験も何ら奏功しなかったため、繭の内部の様子を観測する手段は得られませんでした。繭を構成したSCP-1892-JPは外界に対して干渉を行なわなくなったため、当時のSCP-1892-JPがどのような形態を取っていたのかは不明ですが、当初の幼虫型の外見から何らかの変態を行なっていた可能性が高いと推測されています。

事案記録2: SCP-1892-JPが繭の形成を終了してから3日後、繭の上部から直径7cm程度の物体が射出される様子が捉えられました。この物体は繭の中心部から北西方向に730m離れた位置に落下し、召集を受けた機動部隊により発見されました。物体は複数回の物理的衝撃を加えられて著しく変形した白色の外殻を持ち、内部に含まれていた紅色の液体が溢流していました。実地検分の結果、これは繭から脱出した時点あるいはその直前に生命活動を停止した、昆虫に近い組成の卵である可能性が最も高いと結論づけられました。想定されていたSCP-1892-JPの変態とこの物体の出現に関連性があるかは不明です。

ヘリコプターで繭の上方へと向かった機動部隊員は、SCP-1892-JPの繭の頂上付近に直径30cm程度の穴が空いているが、繭の内部は暗黒であり観察が困難であることを報告しました。その直後、他の部隊員から繭の一部が外側に向けて崩落し、その中から多数の興奮状態の人物が出現したことが報告されました。上部から投光器を投入したところ、繭の内部には数万人の群衆が収容されており、人型でない巨大生物の姿は見当たらないことが確認されました。機動部隊が繭の中に突入し、内部の様子と人物の調査が開始されました。

SCP-1892-JPが残した繭の中には、オブジェクトが取り込んでいた瓦礫とオブジェクトが生成した糸を組み合わせて作られた幾らかの構造物が認められました。繭の外縁部に近い位置には内周を囲むように多数の段差が作られており、その上には円盤状の糸塊が無造作に並べられていました。この糸塊は数万個が存在し、ほぼ全てに人が座った形跡が認められました。一部の糸塊の上および周辺にはファストフードの包み紙やビール瓶の破片が散乱しており、それらは███・████市街地で流通していたものでした。繭の中心部は糸がなく芝生と土が剥き出しになっており、何者かが激しく走り回った形跡が多数認められました。特筆すべき物品として、市街地の衣服店から奪取されたものと見られる18体のマネキンが糸で修繕された状態で発見されました。そのうち9体はいずれかの手に長さの揃った木の枝が糸で括り付けられており、別の9体にはデザインの統一されていない手袋が片方のみはめられていました。

繭の中から出現した群衆は、その全てがSCP-1892-JPの襲撃によって行方不明になっていた22,533名の一般人と一致することが判明しました。迅速スクリーニングにより群衆の身体構造に明らかな生物学的変容は認められず、事件発生以前の人格プロファイルからの明らかな逸脱も検出されませんでした。引き続いて一連のインタビューが実施されましたが、SCP-1892-JPに捕らえられている間の状況についての証言を引き出すことはできませんでした。これらの群衆に対するクラスD記憶処理と一般社会への復帰について、実施の是非を問う議論がなされています。

homerun

SCP-1892-JPの被害者の1人が所持していたカメラ内のフィルムを現像したもの。撮影時刻はSCP-1892-JPの繭の中で撮影されたことを示している。同様の場面を別の角度から撮影した人物が多数存在することは特筆すべき点である。被写体は実在の人物および施設といずれも一致しない。

補遺: SCP-1892-JP本体の捜索をこれ以上継続すべきかは現在議論中です。

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