アイテム番号: SCP-1907
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1907を収容するチャンバーへの経路は5名の武装した職員によって警備してください。現時点では、Dクラス職員以外の対象はSCP-1907に直接割り当てられた2名のレベル-3研究者からの明確な許可なしにSCP-1907の効果を活性化させないでください。
実験中に現在使用されていない場合、SCP-1907を収容しているチャンバー内のすべての遺体はエリアから除去し焼却してください。すべての昏睡状態の被験者は、追って通知があるまで実験中は拘束しなければなりません。被験者にSCP-1907の効果を3回以上活性化させないでください。SCP-1907の効果を4回活性化させるために隔月でDクラスの被験者が選ばれ、SCP-1907のある部屋の中に体を留めるようにしてください。職員はSCP-1907を収容している部屋内のいかなる遺体とも接触しないでください。
説明: SCP-1907は主に滑らかで均一な白色の石英で構成された高さ3m、幅2mのアーチ道です。オブジェクトはテネシー州の███████洞窟内に存在し、洞窟の残りの部分とそのエリアを結ぶ傾斜した螺旋状の通路とともに、直径約7mの円形の部屋の中心にあります。この通路と部屋は既存の洞窟の壁を粗雑に掘り進めたものです。発見時に部屋の壁に沿って様々な段階で腐敗した多数の遺体が発見され、以下SCP-1907-Aと指定されています。
SCP-1907を通過すると、対象は現在のところ不特定の場所を知覚します。この空間の中で、対象は解放感と一体感を覚えたり、他の様々な未確認生物と意思疎通を行ったりしたことを報告します1。場所の外観について尋ねられた際、対象はその物理的な側面を説明したり、思い出したりすることができないようです。対象はしばしば、SCP-1907を通してこの場所に戻りたいという強い願望と、その場所を離れることに対して消極的な感情を表明します。
生物がSCP-1907を通過する際、その個体は昏睡状態に陥ります。前述の状態にある間、SCP-1907を収容する部屋から排除された者は、一貫してすべての生命プロセス機能停止を経験します。対象は通常、アノマリーとの最初の相互作用から約60分後に意識を回復します。回復時間は4回目までの相互作用ごとに2倍になり、その時点で対象はSCP-1907を通過した後に意識を回復する時間を制御するようになります2。
インシデント-1907-タウ以前、SCP-1907-A実例はSCP-1907室内に生きている対象が存在しない際に、ランダムな時間に生命活動を行うようになりました。これらの人物はクリック音や口笛介した言葉で意思疎通を行ったり、舌で互いの皮膚の模様をなぞったり、自己切断を行ったりといった、人間の規範を超えた行動を示していました3。SCP-1907-Aは生きた対象が領域に立入ると生命活動を停止することが観察されています。このオブジェクトは財団職員には対しては敵対的な性質を持たないと思われ、またその行動をさらに研究するために、すべての遺体は室内に留めておいてください4。
インシデントレポート-1907-タウ: 1989年4月7日、SCP-1907への反復曝露の影響を実験中に、実験で使用されているDクラス被験者がオブジェクトへの2回目の曝露後に予想される時間に意識を取り戻し、SCP-1907を通って強制的に戻される前に、近くにいた2名の研究員を捕食しようとしました。被験者の体は拘束され、次に意識を回復する前に壁に固定されました。添付されているのはこのインシデントのインタビュー記録です。
インタビュー記録-1907-タウ:
インタビュー対象: D-83435
インタビュアー: ウォルター・フロイド博士
序文: 被験者が職員に対して攻撃的かつ敵対的な行動を見せたため、サイト内職員の安全を確保するために被験者の身体を拘束した。被験者の覚醒後、直ちにインタビューを開始した。
<記録開始>
フロイド: ご自身について説明してください。
D-83435: [放心状態。これは一見すると正常であるが、被験者は通常、SCP-1907を通過したしてから意識を回復する際に大きく混乱することが指摘されている。]どういうこと、博士?[被験者は拘束に気付く。] 何ですかこれは?
フロイド: D-83435、あなたは私が入口から押し戻す前にエージェント・ローデスとプレストンの首を噛んで食べようとしましたよね。覚えていなんですか?
D-83435: [含み笑い]おかしいと思ったの。また戻らなきゃいけない時はいつもそうなんだけどね。 ごめんなさい、[鼻を鳴らしてシューという音を出す]ところで、彼がどのように振る舞うのか、私には想像もできなかったの。みんなを探すのが忙しすぎて彼のことなんか忘れてたわ。彼は危害を加えるつもりはなかったの、実は、あなたたちを捕食者だと思ってたの。
フロイド: [ノイズを反復しようとする]?
D-83435: [頷こうとする]えぇ、彼は私の次元がどんなものか見たがってたわ。それで考えたの、「彼に私の体を使わせたらどうかな?」って。まだ戻りたいとかそういうわけでもなかったけどね。
フロイド: これはSCP-1907の中の実体だと仮定していたんですが?
D-83435: そうよ。彼はただの知りたがりだったの、それだけよ。危害を加えるつもりなんかなかったの。[笑い]自分のしたことが間違っていたことに気付いていないんじゃないかって思うわ。彼は何が起こっているのかさえ言えなかった。彼の種族には目や耳がないとは思わないわ。実際、今考えてみると、なぜ彼のことを性別で呼び続けるのか分からないわ。 [笑い]古い習慣はなかなか無くならないものね。
フロイド: [傍にいるラグランジュ研究補佐に向けて] SCP-1907を余剰次元探査に利用する可能性があることに留意してくれ。セキュリティの強化もな。[被験者に話しかける]承知しました。先ほど発生したインシデントにより、今日の実験は終了にしたいと思います。我々がサイト23に戻ったら、アンドリュース氏にフロイド博士から直接、ウイング07のフランダース博士に報告するように言われたと伝えてください。そこであなたの発言の妥当性が審査されます。
D-83435: [静止し、混乱したように見える]え?今日はもう終わりってどういうこと?
フロイド: 今回の出来事を考えると、今日は実験を中止して後日別の被験者で実験を再開した方が良いと思うんです。
D-83435: [動揺する]いや、止めないで。私は戻らないといけないの。もう現れないから、こいつは燃やしたっていいのよ。[被験者は彼女の体で身振り手振りを試みる。]、お願い、私を戻して。
フロイド:先ほど申し上げた通り、本日の実験は終了しました。[傍にいるラグランジュ研究補佐に向けて]被験者を鎮静剤を与えてください、その後拘束を解くように。
<記録終了>
終了報告: 被験者に鎮静剤が投与され壁から降ろされた後、約10体のほぼ損傷を受けていないSCP-1907-A実例が生命活動を行い、彼女を財団職員から引き離し、アーチ道を通って強制的に連れて行った。遺体はその後、ラグランジェ研究員を除く全ての職員を暴行して死亡させ5、アーチを通過して生命活動を停止させた。収容プロトコルはこの結果として修正された。
補遺-1907-ウプシロン: 1989年7月21日の実験中、D-46151が最初にSCP-1907に曝露した後、被験者の意識ではない意識が身体に宿っていました。前述の意識は「導き手」と名乗り、財団職員に対して被験者にSCP-1907を少なくとも4回通過させること、および前述の被験者の遺体を部屋の中に残すことを要求しました。却下された際、被験者は不服を表明し「牡蠣の身が入ったままの殻を使うのは面倒だ」と主張して要求を繰り返しました。拒否されると、被験者はため息をついて泣き出したと報告されました。エージェント・タウンズ、ブラケニー、ホイットニー、およびフェイバーとスコット研究員は約10秒間叫び始めましたが、同時に止み、床に倒れこみ、指で地面をなぞり、周囲を舐め、噛もうとし、暴れていました。ラグランジュ研究補佐が早々に現場から退いたため、これ以上の視覚的な詳細は不明です。しかし、D-46151の音声装置は通信を継続していました。以下はイベント時に取得された音声記録です。
D-46151: 改めて、遅れてしまったことを深く反省するが、そろそろ流れを再開してもいいと思う。さて、知っての通り、この世界はお前たちが慣れている以上に重力が強いゆえ、このような健康的な乗り物でさえも、立ち上がるのは少し大変かもしれぬ。あまりそのことは心配するな。[カリカリという音]おい、だめだ、それは食べ物ではない。あとで食物の世界に行く。[喃語] ハハ、そうだ、口の中はいつも面白いね。初めてかい?[静止]そう思った。正直、こうやって大声で話せるのはいいことだが、ネクサスでの繋がりに勝るものはない、そうだな?[様々な声]素晴らしい。さて、ちょっと探検してみようと思う— そう、あれは目だ、慌てるな、慣れてから— ハブに戻ろう。ワールド234、バージョン5で素晴らしい体験をすることを祈っているよ。