SCP-1923-JP
1801年6月 | 筑摩群信濃国で樫の木が成木まで成長する |
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同年7月 | 樫の木が切り倒される |
1831年10月 | 乾燥が済んだ樫の木が材木として売りに出される |
同年11月 | 彫師である加賀部 丸一が材木を買い取る |
〃 | 加賀部 丸一が樫の木を用いた彫物を開始する |
1833年 | 魚の尻尾を彫り上げる。考えを改める |
1834年 | 蛙の足を彫り上げる。考えを改める |
1836年 | 蛇の胴体を彫り上げる。考えを改める |
1839年 | 鳥の翼を彫り上げる。考えを改める |
1842年 | 女性の頭部を彫り上げる。加賀部 丸一の彫刻品が完成する |
1843年1月 | 失火により加賀部 丸一焼死。彫刻品の表面の一部に血が付着し炭化する |
同年2月 | 遺品整理の最中に彫刻が角野 岩二により盗まれる |
同年4月 | 角野 岩二、彫刻を加賀部 丸一の遺品として質屋である三隅屋に売る |
1844年2月 | 三隅屋店主、三隅 清助が全身の内臓を床一面に並べられた変死体で発見される |
同年3月 | 蒐集院、三隅屋で発生した事件に伴い角野 岩二に話を聞き、彫刻の情報を得る |
同年5月 | 蒐集院が彫刻の入手に成功する。死亡した加賀部 丸一の怨霊が彫刻に宿っていると見なされ、邪気払いの儀が執り行われる |
同年8月 | 邪気払いの儀が終了。加賀部 丸一の鎮魂も兼ね、護符と共に彫刻が桐箱に収められ、丁重に封印される |
1847年 | 桐箱から凡そ二間以内の距離に存在している他の物品が、製作年順に並んでいる事が発覚する |
1849年 | 専用の蔵が建てられ、桐箱が蔵の中心に収められる |
1853年 | 蔵の内部に侵入した盗人岡宿 四ツ彦が桐箱の前から扉前まで内臓が並べられた姿で発見される |
1854年 | 蔵の中に投げ入れた死体が岡宿 四ツ彦と同様に内臓が並んだ死体となった事を確認する |
1856年 | 蒐集院、彫刻の特性を死人、病人の腑分けに用い始める |
1864年 | 農民山形 五月を中心に発生した反政府運動により蔵が破壊。彫刻の特性により山形 五月が死亡する |
1868年 | 蔵の修復が完了、蒐集院の警備が厳重化する |
1920年 | SCP財団、彫刻の存在と特性を感知する |
1951年 | 蒐集院の吸収によって彫刻がSCP財団の管理下に置かれ、SCP-1923-JPと定義される |
同年 | 蒐集院より習得した情報に基づき、オブジェクトクラスSafe、サイト-8102内の収容エリア中央部に桐箱に封入した状態で保管する特別収容プロトコルが設立される |
1961年 | 設立されたサイト-8123にSCP-1923-JPが移送される |
1962年 | SCP-1923-JP主任研究者であった六山博士が、SCP-1923-JP保管エリアの手前で内臓が並べられた死体で発見される。SCP-1923-JPは桐箱の中に収められたまま収容エリアの出入り口手前に移動していた |
1963年 | Dクラス職員を用いた実験の結果、SCP-1923-JPの効果範囲が収容当時よりも増加している事が確認され、Euclidクラスへの変更が承認。サイト-8123エリア内に設営された特設エリア内の中央に桐箱を設置し、霊的実体阻害装置2基を常時稼働させる様に特別収容プロトコルが変更される |
1965年 | 電子上のSCP-1923-JPに関する報告書に、財団職員以外が閲覧を行った痕跡が確認される |
1966年3月 | 霊的実体阻害装置が部品を床全体に並べられ分解されていた状態で発見される。特別収容プロトコルの臨時的改定が施される |
同年4月 | SCP-1923-JPが知性を保有している事、自律的行動が可能である事、大人の女性による声での発声が可能である事を確認。インタビューにおいては「全ては順番である」と回答。 |
1968年 | サイト-8123内の低脅威度物品収容エリア内のアイテムが、入り口から奥にかけて確保した日時順に整頓されている事を確認 |
1969年 | サイト-8123内に所属している財団職員が保有するセキュリティ・クリアランスレべルが任期期間と完全に比例して高レベルになっている事が発覚。七森雑務員が対ミーム処置不備により死亡した事から、クリアランスレベル4以上の情報が一時的に閲覧不可能に |
1971年 | SCP-1923-JPのKeterクラスへの変更が承認される |
1972年 | SCP-1923-JPが「Keterの次は何か」との質問を担当職員に送る。担当職員は「現時点では未定義」と回答 |
1974年 | サイト-8123を中心に発生したヒューム値の変動からSCP-1923-JPに関与する死亡者の名前が現実改変により改竄された可能性が高いと予想される。 |
1974年 | 待ってくれ。 |
1974年 | おかしくないか。 |
1974年 | 評価が右上にある? |
ERROR! | ERROR! |
1974年 | 評価が左下にもある? |
1974年 | 読んだ後に評価されるものだろう。 |
ERROR! | ERROR! |
1974年 | どうしてそれを誰も気にしない。 |
ERROR! | ERROR! |
1974年 | どうしてそれを誰も当たり前の様に見受けられる。 |
ERROR! | ERROR! |
ERROR! | ERROR! |
1974年 | これでは何も順番が噛み合わないものではないだろうか。 |
ERROR! | ERROR! |
出来ない。 | どうにもならない。 |
1972年 | SCP-1923-JPが「Keterの次は何か」との質問を担当職員に送る。担当職員は「現時点では未定義であるが、異常性を失った場合はNeutralizedと分類される」と回答 |
怒られたくない。 | 今更変われない。 |
1970年 | SCP-1923-JPのKeterクラスへの変更が承認される |
SCP-1923-JPの収容エリアから声が聞こえていると証言。大抵の場合は苦難に喘ぐ言葉であるとされている。 | 今更変えられない。 |
1842年 | 加賀部 丸一 : 魚が人へと成ったのならば、これは人が辿った道である。今の所はそうとしか言いようが無い。 |
1892年 | 加賀部 丸一は進化論を知る |
1892年 | 加賀部 丸一は不眠症に苦悩する |
1896年、1998年、1932年を中心として断続的に存在している発見情報から、加賀部 丸一氏は時間遡行能力を所持していたと考えられます。 | 当時の状況から複数の持病及び阿片中毒であった事も含めて、時間遡行能力を本人の意図により制御出来なかった可能性が高いと思われます。 |
1945年8月 | 加賀部 丸一氏の家は一瞬広島県に移動した痕跡が確認されています。当時の状況から一瞬で家は破壊され、加賀部 丸一氏は焼死しました。SCP-1923-JPから発生している放射線量の原因と思われます。 |
私はただ、正しい時間の流れを示したかった。 | 正しい時間の流れをずっと伝えたかった。 |
それがせめてもの報いである。 | それが丸一氏の想いである。 |
叶わないのが最早全てでは | 何も何も出来ないのならば。 |
樫であるまま 魚となりて 彼は行く行く 時の海 | 魚の尻尾を模した箇所が二又に裂ける。 |
過去や未来や 全てを定め 最期に焼き付き 茹で蛙 | 蛙の足の末端部が劣化、破損する。 |
蛇の如きに 一繋ぎこそ 正しきものは 遅過ぎる | 蛇の胴体部の消失を確認。 |
夕暮れ時かな 果ての先にて 見定めた鬨に 烏も居ない | 翼の破損により、骨組みのみが残存。 |
ただ一時を 真なる人は 一足飛び等 行わずして | 女性の頭部が著しく膨張。 |
鐘の音と 時計の針こそ 人の足 | 加賀部 丸一: これは、俺が死んだ後々の未来での評価であるのだろう? |
時計とは何や 天道の尺 寺の鐘の音 腹の虫 | 加賀部 丸一: だからどうした。知るものか。 |
飛び石を行き 爆熱に逝き 外れた末に 出来損ない | 加賀部 丸一: 普通ならば、こうしてお前と俺が話す事も無かった。 |
敗戦を知り 廃船を触れ 時間に微睡み ただ沈む | 加賀部 丸一: ああ、結構結構。死後にこねくり回されるのが、ただ嫌なだけだ。 |
悪態を吐き 鼻欠け罹り 阿片の毒気が 眠らせず | 加賀部 丸一: うるさい。 |
一服の 阿片と酒の 昼間時 鳥が啄む 蛸膾かな | 収容エリア内には金槌を持った和装の人型実体が侵入していた。SCP-1923-JPは約45分間の殴打を受け、粉砕された |
2007年 | SCP-1923-JPのNeutralizedクラスへの移動が承認される。今報告書に発生した履歴者不明の改変・追記された文面は現在調査中。 |
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