SCP-1930-JP
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アイテム番号: SCP-1930-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1930-JPは、財団運営クローラによって監視されます。SCP-1930-JPに対する無許可のアクセスはすべてダミーページへリダイレクトされ、アクセス情報はサイト-81██に存在する小型データセンターへ記録されます。リダイレクトを無視した不当なアクセスが確認された場合、速やかにアクセスした端末およびその現在地が特定され、付近のフィールド・エージェントによりアクセス者に対してクラスA記憶処理が施されます。SCP-1930-JPを使用した実験には、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員による許可が必要です。

説明: SCP-1930-JPは、「THE・前世体験」というタイトルが設定されたhttp://██████に存在するWebページです。HTML・CSS・Javascriptのみによって構成されており、ソースコードに異常な点は見られません。あらゆるクローラによるクローリングが許可されていますが、不明な理由により検索エンジンを使用したキーワード検索にはヒットしません。

SCP-1930-JPのページ上部には「THE・前世体験をしてみる」などSCP-1930-JPの利用を勧める惹句が表示されており、ページ下部にあるthePastLifeExperienceという名前がつけられたmp4形式の映像を再生するよう誘導されます。映像は不明な理由で再生時間の情報が欠落しており、また一時停止やスキップといった操作ができません。映像を再生すると「THE・前世体験ビデオ」という題名と思わしき文章が表示された後に、SCP-1930-JP-Aに指定される生物が生活している様子が流れ始めます。SCP-1930-JP-Aは、映像を直接的に視聴している人物(以下、対象と表記)ごとにそれぞれ異なる生物に変更されますが、例外なく生物学的定義における脊索動物門(Chordata)に限定されます。対象は映像の視聴を開始した当初こそ「つまらない」「単調である」という感想を述べる傾向にありますが、視聴を継続するにつれて以下の精神的な症状を発現・進行させていきます。

  • 自身には、宗教的に前世と定義される、生前において現在とは別の生涯を経験したことがあるという記憶。
  • 自身は前世においてSCP-1930-JP-Aと重要な関係性(親、つがい、子供など)にあったという確信。
  • SCP-1930-JP-Aに対する懐古・愛慕・憧憬などを含む肯定的感情。

これらの症状は対象が事前にクラスⅢ精神・記憶対抗処置を受けていたとしても発現しますが、事後のクラスA記憶処理で問題なく除去することが可能なため、SCP-1930-JPまたはその映像による精神・記憶影響ではなく対象が無意識に自発・想起したものだと推測されます。

対象の症状が深刻化した時点で、映像の視点が固定され画面端からSCP-1930-JP-Bに指定されるSCP-1930-JP-Aと同種の異性が出現します。SCP-1930-JP-Bは不明な方法によって対象の操る言語を流暢に発話でき、また対象の情報・状況について把握しています。SCP-1930-JP-Bは対象に対する侮蔑や嘲笑などを含む発言をしたあと、SCP-1930-JP-Aと性交を開始します。SCP-1930-JP-Bはその種にかかわらず非常に発達したヒト(Homo sapiens)の性器を有しており、性交の際にSCP-1930-JP-Aに対して通常の同種個体では致死するような肉体的負荷がかけられる様子が確認される場合がありますが、SCP-1930-JP-Aは問題なく性交を継続しているように見えます。SCP-1930-JP-AまたはSCP-1930-JP-B、あるいはその両方がオーガズムに達した直後に映像は終了しますが、視聴後の対象はほとんどの場合において中重度の心的外傷を負っていることが確認されています。

以下は、SCP-1930-JPを使用した実験記録の一例です。

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