SCP-1938-JP
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アイテム番号: SCP-1938-JP

オブジェクトクラス: Safe Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1938-JPはサイト‐8129の低危険物収容ロッカーに収容されています。実験を行う際には担当職員の許可が必要です。 現在SCP-1938-JPは無力化判定を受け、サイト‐8129のNeutralized物品収容ロッカーに収容されています。

説明: SCP-1938-JPは黄色の蛍光塗料です。SCP-1938-JPは日没から夜明けの時間帯になると弱く発光し始めます。 SCP-1938-JPの入っている容器には「Moon Yellow」と記載されたラベルが張られています。

発光状態のSCP-1938-JPを使用し平面に丸(SCP-1938-JP‐1と呼称)を描くと、SCP-1938-JP‐1の周囲に浮遊している全長1mm~3cmのガラスで形成された球体(SCP-1938-JP‐2と呼称)が出現します。SCP-1938-JP‐1は赤色や黄色、緑色といった様々な色彩のものが確認されています。SCP-1938-JP‐1の出現配置は基本ランダムですが、稀に星座と同じような配置の存在が確認されています。

SCP-1938-JP‐1は夜明けと同時に薄れ始め、太陽が完全に出現すると消滅します。SCP-1938-JP‐2はSCP-1938-JP‐1が完全に消失した後に弾け飛ぶように消失します。
実験記録1938-1 日付2020/1/12

実施方法: SCP-1938-JPを使用し三角形を描く。

結果: 異常性は発現しなかった。

メモ: その後四角形、バツ、メビウスマークなどでも同様に異常性を発現しませんでした。‐尾瀬研究員

実験記録1938-5 日付2020/1/24

実施方法: SCP-1938-JPを使用し内部を塗装していない円を描く。

結果: 異常性は発現しなかった。

メモ: 内部を塗装した丸でなくてはならないようです。‐尾瀬研究員

実験記録1938-8 日付2020/1/30

実施方法: 発生したSCP-1938-JP‐2を回収する。

結果: 回収成功。しかし、SCP-1938-JP‐1から5m離した時点で消失した。その後、存在可能範囲内での分析によりガラスで形成されていることが判明した。

分析: SCP-1938-JP‐2はSCP-1938-JP‐1の能力で形成されていると推定できます。‐尾瀬研究員

追記: 実験記録1938‐12にてSCP-1938-JP‐1の表面に突如ウサギ(Oryctolagus cuniculus)のイラスト(SCP-1938-JP‐3と指定)が出現しました。SCP-1938-JP‐3はSCP-1938-JPの表面をしばらく跳ね回った後、臼と杵を取り出して餅をつき始め、摂食し始めました。この際のSCP-1938-JP‐3の数は時間経過とともに増えていき、最終的に19体まで増えました。この現象から、SCP-1938-JPにはまだ確認できていない異常性があると推定され、実験が続けられています。

発見経緯: SCP-1938-JPは2020/1/4に岡山県██町の民家に夜間ヘルパーとして潜入捜査を行っていたエージェント・稲葉により発見されました。発見時この民家には腰痛により寝たきり状態であった月宮那留氏(87)と主人の月宮弓弦ゆづる氏(83)が住んでおり、SCP-1938-JPは弓弦氏により購入されたものだと判明しました。詳細は下記のインタビュー記録を参照してください。

インタビュー記録1938‐JP

対象: 月宮弓弦氏

インタビュアー: 尾瀬研究員

<インタビュー開始>

尾瀬研究員: インタビューを開始します。では初めに、あの蛍光塗料をどこで手に入れたかを教えてください。

弓弦氏: ああ、あれは……確か、近くでやってたバザーで見つけたんよ。

尾瀬研究員: バザーで?

弓弦氏: 近くにな、██公園っていう公園があるんじゃけど。そこでバザーが始まっとったんよ。うちの婆ちゃんのご飯買う帰りにふらっと立ち寄ってな。そしたら、売りもんとしてあってな。

尾瀬研究員: どうして買おうと思ったんですか?

弓弦氏: おお、なんか、説明書みたいなの見たらな、あれ使おたら夜空を作ることができる書いとったんよ。そんで興味が湧いてな。手に取って見よったら売っとる人がおらんなっとって。しょうがねえけえ持ってかえったん。じゃけえ、買うたわけじゃねえんよ。

尾瀬研究員: なるほど……売ってる人の顔や、特徴などは覚えてませんか?

弓弦氏: ええ?結構経っとるからなあ。覚えとらんわあ。

尾瀬研究員: そうですか……では、なぜその塗料に興味が湧いたのですか?

弓弦氏: ああ。あんなあ。わしの家にな。寝たきりになった妻がおるんよ。那留ちゃん言うんやけどな?那留ちゃんと家族になったんが、綺麗な夜空の下じゃったんよ。綺麗じゃった。今より明かりが少なかったけん、その分夜空の星とか月が綺麗でなあ。

尾瀬研究員: それは、とても素敵ですね。

弓弦氏: じゃろ?それからよく夜空を見て話したりしとったんよ。……でも、最近那留ちゃん腰悪うしてな。動くのが難しくなってしもうたん。じゃから、夜空を二人で見ることができんくなってしもうたんよ。そんな時にこれ見つけて。これで本当に夜空が見れるなら、また一緒に夜空を楽しめるって。じゃけん興味を持ったんな。

尾瀬研究員: なるほど。そして、実際に見ることができたと。

弓弦氏: そう!まさかな!ほんまに使えるとは思わんかったし、半信半疑やったよ。でも、でえれえ綺麗な夜空ができるがん。こりゃ凄い思うて、急いで那留ちゃんと一緒に楽しんだんよ。

尾瀬研究員: 何か、奇妙なものが見えたりなどはなかったですか?

弓弦氏: 奇妙なもん……ああ、たまにやけど、ウサギさんとか出てきた時もあったなあ。月の模様通りに餅つき始めてな。かわええなあって一緒に笑よおたんよ。あと、なんやっけ、あの、空をぼっけえ早う飛ぶやつ。あの……横文字の……。

尾瀬研究員: ユーフォ―、ですか?

弓弦氏: そう!それや!それも飛んどった時があったなあ。

尾瀬研究員: その現象に違和感などは感じなかったのですか?

弓弦氏: ううん。なんも。ただわしらは、綺麗やなあ。とか、すごいなあ。って笑いあって、ただ……。

尾瀬研究員: ただ、何ですか?

弓弦氏: こんなに綺麗なら、もっとそばで見たいなあって、それだけやったなあ。

<インタビュー終了>

終了報告書: インタビュー中に触れられた説明書を発見するため、捜索部隊ふ-96("Detection dogs")による家宅捜索が行われましたが、発見することはできませんでした。インタビュー終了後、那留氏と弓弦氏にAクラス記憶処理が行われる予定でしたが、高齢の身体影響を鑑みた結果、財団管轄内の"老人ホーム スキップ"にて療養兼監視が行われることになりました。また、SCP-1938-JP‐1を使用した際に未確認飛行物体が発生するといったケースは現在まで確認されていません。他にもSCP-1938-JP‐3のようなものが存在すると推定されており、新たな現象の観測実験が進められています。

補遺: 2020/3/31、老人ホーム内にて那留氏と弓弦氏の死亡が確認されました。両者ともほぼ同時刻に死亡しており、どちらも死亡原因は心不全でした。

その後行われた実験時に、通常とは異なる現象が発生しました。詳細は下記の映像記録を確認してください。

映像記録1938‐JP

<再生開始>

00h00m14s: 通常通りSCP-1938-JP‐2が発生する。

00h00m39s: 突如SCP-1938-JP‐1から多少離れたところにロケットの落書きが発生しSCP-1938-JP‐1のもとへ向かう。

00h01m23s: ロケットがSCP-1938-JP‐1へ着陸。

00h01m49s: ロケット内部から杖をついた人型のシルエットが2体降りてくる。以降、髪を団子結びにしている方をSCP-1938-JP‐3‐A、そうでない方をSCP-1938-JP‐3‐Bと呼称する。

00h02m17s: SCP-1938-JP‐3‐A、‐BがSCP-1938-JP‐1の表面に座り込む。その後しばらく空を指さし、空を眺めるような行動をとる。

00h49m56s: SCP-1938-JP‐3‐A、‐Bの周囲にSCP-1938-JP‐3が1体発生する。SCP-1938-JP‐3‐Aにより撫でられているのが確認された。その後、次々にSCP-1938-JP‐3が発生する。

00h58m11s: SCP-1938-JP‐3が28体に発生した後、SCP-1938-JP‐3が臼と杵で餅を搗き始める。その際、SCP-1938-JP‐3‐Aが拍手するような動きを見せていた。

01h12m18s: 餅を台に乗せた後、SCP-1938-JP‐3が刃物を使用し餅を細かく切り始める。それと同時にSCP-1938-JP‐3が寸胴鍋とカセットコンロらしきもの取りだし、何かの調理を始めた。その後、SCP-1938-JP‐3群、SCP-1938-JP‐3‐A、‐Bが順番に鍋の中の黒色の液体をお椀に受けとり、餅を入れ摂食し始める。このことから、SCP-1938-JP‐3はお汁粉を作っていたと推定できるが、詳細は不明。

02h38m44s: SCP-1938-JP‐3‐A、‐Bが寝ころび動かなくなる。その周囲をSCP-1938-JP‐3が跳ね回る。その後、途中途中に休憩を挟みながら上記の行動を繰り返す。

06h42m12s: 日の出時間が近くなり、SCP-1938-JP‐1が薄くなり始める。

06h42m45s: SCP-1938-JP‐3群がSCP-1938-JP‐3‐A、‐Bの体を胴上げのように持ち上げる。

06h43m01s: SCP-1938-JP‐3群がSCP-1938-JP‐3‐A、‐Bの体を宙へ押し出す。SCP-1938-JP‐A、‐Bの体が徐々に小さくなり、SCP-1938-JP‐3‐Aの体は薄紫色の星、SCP-1938-JP‐3‐Bの体は青色の星に変化する。その星たちに対しSCP-1938-JP‐3群が2本足で立ちながら手を振っている。

06h43m38s: SCP-1938-JP‐1、SCP-1938-JP‐3が消失する。SCP-1938-JP‐2が弾けるのと同時に薄紫色の星と青色の星が弾けるように消失する。

<再生終了>

上記の現象発生後、SCP-1938-JPは異常性を発現しなくなりました。その後、SCP-1938-JPは無力化したと判定され、オブジェクトクラスがNeutralizedに再指定されました。

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