クレジット
タイトル: SCP-1942-JP - 龍は死なず
著者: ©︎
RainyRaven
作成年: 2019
アイテム番号: SCP-1942-JP |
Level3/1942-JP |
オブジェクトクラス: Keter |
Classified |
試験航行中のSCP-1942-JP。1939年4月28日、[編集済]沖20kmの海上にて撮影。
特別収容プロトコル: SCP-1942-JPは財団艦艇「しかうみ」によって追跡され、位置情報はI5サイト群に送信されます。SCP-1942-JPが存在する周辺海域にはカバーストーリー「アメリカ海軍の演習海域」を適用し、船舶の進入を阻止します。SCP-1942-JPが敵対的な挙動を取った場合、「しかうみ」は攻撃に対する迎撃及び艦橋への攻撃を行ない、SCP-1942-JPの攻撃を停止させてください。SCP-1942-JPが浮上した場合、当該海域を撮影した衛星画像を編集し、SCP-1942-JPを隠蔽してください。
説明: SCP-1942-JPはアメリカ合衆国領のミッドウェー島付近を自律して潜航する船舶です。アメリカ海軍、財団本部及び蒐集院の資料によると、SCP-1942-JPは1942年6月6日のミッドウェー海戦において沈没した旧大日本帝国海軍の航空母艦「飛龍」そのものとされています。現在、SCP-1942-JPはミッドウェー島沖500km以内の海域の水深2000m付近を時速約30kmで潜航中です。
沈没前及び浮上中のSCP-1942-JPは通常の航空母艦としての性能を持つほか、沈没後及び潜航中のSCP-1942-JPは異常なプロセスによる自己修復能力と攻撃能力を持っています。SCP-1942-JPに損壊が発生すると、周辺海域に存在する沈没した艦船や航空機などの残骸や、周辺海域に生息する魚類、後述のSCP-1942-JP-1を吸収し、損壊の発生した部位の修復を行ないます。そのため、現在のSCP-1942-JPの外観は金属と生体組織が混在した状態になっており、特に機関部からは周期的な拍動が確認されています。生体組織で構成されている部分とその周辺部分では、生体組織の増殖による修復活動も確認されています。また、SCP-1942-JPは機関部付近から特殊な波長の音波を放出します。解析の結果、ザトウクジラ (Megaptera novaeangliae) の発する音波と波長がほぼ一致しており、音波を認識した個体をSCP-1942-JPへと誘導する効果が確認されています。なお、SCP-1942-JPの攻撃対象は官民を問わず、第二次世界大戦中に連合国側に参戦した国家に母港を持つ船舶のほか、財団の保有する船舶の一部に限定されています。SCP-1942-JPがどのような方法で攻撃対象を認識しているかは不明です。
潜航中のSCP-1942-JPは艦載機(以下、SCP-1942-JP-1と呼称)や高角砲による攻撃を行ないます。高角砲から発射された砲弾の外観はSCP-1942-JPが存在する海域に生息する小型から中型の魚類であり、性能は一般的な魚雷に近いものとなっています。SCP-1942-JPがどのような方法で爆薬を入手しているかは不明です。また、前述の音波がソナーの役割を果たしており、正確な攻撃を行なうことが可能です。音波の性質も合わさり、SCP-1942-JPの存在を把握していない状態でSCP-1942-JPからの攻撃を察知することは困難です。
SCP-1942-JP-1も高角砲から発射される砲弾と同様の外観を持ちますが、ほぼ全てのSCP-1942-JP-1はSCP-1942-JP周辺を潜航しており、SCP-1942-JPに接近する対象に対し搭載されている機銃で攻撃を行ないます。なお、SCP-1942-JP-1から発射された弾の回収には成功していません。
SCP-1942-JP及びSCP-1942-JP-1は水面に浮上することも可能ですが、SCP-1942-JP及びSCP-1942-JP-1やそれらを構成する生体組織の劣化が水中と比較して早く進行するため浮上は非常に稀であり、1945年から現在まで4回しか確認されていません。
補遺1: SCP-1942-JPは1942年6月6日のミッドウェー海戦後に真珠湾へと帰投する際沈没した、アメリカ海軍のヨークタウン級航空母艦「ヨークタウン」の調査中に発見されました。以下は、ヨークタウン沈没事案の生存者の一人であるアーネスト・ハムマン大尉へのインタビュー記録です。
回答者: アーネスト・ハムマン大尉(以下、ハムマン)
質問者: エージェント・ニミッツ(以下、ニミッツ)。アメリカ海軍の中佐に偽装している。
前書: 1942年6月9日実施。
[記録開始]
ニミッツ: では、貴方が見たものを話してください。
ハムマン: はい……今でも信じられないくらいのことですが。私は艦橋にいたのですが、魚雷の探知ソナーに複数の反応があったんです。反応があったのはほんの一瞬のことだったので誤作動かと思ったのですが、艦の右舷で爆発が起きて、艦が大きく揺れました。その時はエンジントラブルだの機雷との接触だのと、艦内で情報が錯綜していました。
ニミッツ: 大尉がいた艦橋内部ではどんな反応だったのでしょうか?
ハムマン: 一部の指揮官は魚雷の可能性を指摘しました。ですが、仮に魚雷だとしても、それを撃ってくるであろう日本海軍の艦隊は壊滅させたはずなのであり得ないんです。潜水艦からの攻撃の可能性も指摘されましたが、ソナーには映っていませんでした。なので、艦橋では機雷に接触したとの見解が出されました。ですが、この間にも同様の爆発が何度も起きました。海戦の前から満身創痍だったヨーキィはどんどん傾いていって、ついに艦長が退去を指示しました。
ニミッツ: 脱出した後はどうしたのですか?
ハムマン: 私は救助に来た巡洋艦のお陰で助かりましたが、ヨーキィと運命を共にした船員もいました。私はすぐに艦尾の方向を確認し、遠くの方に日本の空母を発見しました。すぐに報告して、他の船員にも確認してもらったので間違いありません。確認のために航空機を飛ばしてもらったのですが、到着する頃には既に海中に沈んでいた、と報告を受けました。
ニミッツ: なるほど。この件は上層部に報告した上で調査を検討しましょう。
ハムマン: よろしくお願いします。ヨーキィで死んだ戦友のためにも、この事件の真相を明らかにしなければなりません。
ニミッツ: [少しの沈黙]……善処しましょう。
[記録終了]
後書: ハムマン氏及び同氏が脱出した巡洋艦の船員全員にはBクラス記憶処理が行なわれた。戦後、ヨークタウンの沈没及び犠牲者はミッドウェー海戦の損害に計上された。
この後に行なわれた財団の調査では、沈没したヨークタウンの残骸は確認されませんでした。この時に、SCP-1942-JPと思われる船影を水深1000m付近で確認しています。SCP-1942-JPが財団艦船に対し攻撃を開始したため、魚雷及び爆雷による反撃を行ないました。SCP-1942-JPの48%に損害を与えた時点でSCP-1942-JPは攻撃を停止しました。その後潜航を開始し、水深3000m付近で活動を停止したため作戦を終了しました。攻撃に参加した財団艦船3隻のうち、1隻が大破し、2隻に中規模の損害が発生しました。なお、SCP-1942-JPは戦闘中に日本に向けて信号を発しており、その一部の解読に成功しています。以下は解読済の信号の転写です。
大日本帝国海軍空母黄泉海神交戦開始ス 敵ハ米国艦隊三隻ナリ(1942/6/10/11:41:00)
魚殻高角砲功ヲ奏ス 米国一艦ノ損害甚大ナリ 当方損害軽微ニテ攻撃ヲ続行ス(1942/6/10/13:43:41)
米国艦隊魚雷ヲ撃ツコト豪雨ガゴトシ 於式魚殻攻撃機ノ迎撃間ニ合ワズ甲板ニ多数被弾セリ(1942/6/10/17:31:11)
黄泉海神 損害甚大ニテ潜航ス 戦線ヲ離脱シ修復ヲ開始スル(1942/6/10/21:19:48)
補遺2: 1943年初頭から、ミッドウェー諸島付近の北太平洋において、民間船舶及び海軍艦船の沈没事故が多発する事案が発生しました。財団はSCP-1942-JPの存在を疑ったため上空からの調査を行なったところ、水深1500m付近にSCP-1942-JPの存在を確認しました。また、SCP-1942-JPからは周期的な拍動も確認されており、1942年の交戦時と比較して、船体における生体組織が占める割合が著しく増加していたことが確認されています。財団は、生体組織を吸収し自己修復を行なう船舶と判断し、暫定的にSCP-19TKのアイテム番号を割り当て、周辺海域の航行禁止と監視などの特別収容プロトコルを策定し、終戦まで収容を行なっていました。
補遺3: 終戦後、SCP-19TKに蒐集院が関与していたことが確認されたため、財団はSCP-19TKの開発に関わった蒐集院や東弊組の構成員に対しインタビューを行ないました。以下は、その一人である応神 三船いらがみ みふね一等研儀官へのインタビュー記録です。
回答者: 応神 三船一等研儀官(以下、応神)
質問者: グレイ・リンゼー博士(以下、リンゼー)
前書: 1945年8月21日実施。会話は日本語で行なわれた。
[記録開始。これ以前の部分は重要性が低いため割愛している。]
リンゼー: さて本題に入るが、ミスター応神、SCP-19TKに関してあなたの知ることを話してもらいたい。
応神: 元々は、艦政本部対超常課がアメリカやイギリスに対抗できるような空母を作れって指示を出してきたのが始まりだな。日本が勝つためなら何を使っても構わない、蒐集院の持つ異常存在も積極的に使えとまで言ってきた。超常課は傘下の東弊組にも同じような指示を出してたみたいで、蒐集院と東弊の協力で建造が始まった。それが1936年の夏頃のことだ。
リンゼー: 艦政本部対超常課…ですか?こちらでは把握していない団体のようですが、どのような団体なのでしょう。
応神: 海軍専属の超常機関だ。陸軍で言う負号部隊に相当する部署と考えてくれればいい。
リンゼー: なるほど。では、超常課がそのような要求を出した理由に関しての心当たりは。
応神: あくまで噂に過ぎんが、アメリカやイギリスとの技術力の差を異常存在を使うことで何とか埋めようとしてたらしいな。
リンゼー: なるほど。建造に際しては何か知っていることはありませんか。
応神: 最初は「あらゆる攻撃を無力化する空母」の構想があった。まあ簡単に言えば壊れない空母だな。物体を壊れなくする性質を付与することは可能だが、空母を作ろうとなると途轍もない量の資材にその工程を行なわなくちゃならないし、時間もかかる。だから、あまりにも非効率的だってんでこの計画は流れた。だけどいつごろだったか、ドイツの組織が技術提供を申し出てきた。えーっと、名前が何だったかな……。
リンゼー: 「アーネンエルベ・オブスクラ軍団」でしょうか? ナチス・ドイツにおけるアノマリーの確保と研究を行なっていた要注意団体ですが。
応神: そう、それだそれ。その連中が技術供与を申し出てきた。こっちも計画が滞ってたところで、渡りに船だってんで蒐集院と東弊、オブスクラを加えた三者で計画を立て直した。多少揉めたらしいが、今の「沈没しても戦闘可能な空母」に落ち着いたのが1937年の春。それから急ピッチで作業して、完成したのが1939年の7月5日だ。
リンゼー: 性能について詳しく説明してください。財団としては、生物の組織を吸収し自己修復を行なう船舶との認識なのですが。
応神: その通りだ。沈没しても破損を自力で修復し、航行する、正に不死の空母だ。作業員の間じゃ「死者の国から蘇る海の神」ってことで「黄泉海神よもつわだつみ」って名前で呼ばれてて、それがそのまま正式名称になった。まあ表向きには「飛龍」って呼ばれてたみたいだがな。……っと、すまん、話がそれたな。船体の修復の仕組みに関しては知らん。兵装も機関部もほとんどオブスクラの連中が設計してたからな。
リンゼー: 兵装というのは。
応神: 読んで字の如く魚雷だ。性能は普通の魚雷とほぼ同じだが、外殻を魚にすることで発見を難しくしている。艦載機も魚雷と同じ構造だ。魚なら海にいくらでもいるから、弾切れになることも艦載機が全滅することもない。
リンゼー: その兵装もオブスクラが設計したのでしょうか。
応神: そうだな。
リンゼー: 機関部に関してはどうだったのでしょう。
応神: クジラを参考にしたらしい。船体の修復に魚を使う分、修復に必要な量は多くなる。そこで、海の中で一番大きな生物のクジラを使う計画が出た。クジラをおびき寄せる音波を放出して、修復の素材の足しにしようとしたのさ。それと、潜ってる時に敵に見つからないようにするためだな。ボイラーの音が出ることはないから見つからないって寸法だ。
リンゼー: 海軍や超常課は性能についてどのような評価をしていたのでしょうか。
応神: 沈没することが前提の性能だったからかなり反対してたな。沈没などあり得ん、沈没を前提とした性能など無意味だ、とな。結果的に沈没したことで性能が評価された形になったがな。
リンゼー: 沈没してからの行動を知ることができたのですか。
応神: 黄泉海神が何かしらの行動を取った時に通信が入るようにしてあった。ヨークタウンだったか? あの船を沈めた時にも通信が入ったし、その後に3隻と戦闘した記録が入ってたみたいだな。あんた等の船だろう?
リンゼー: ええ。その通信はこちらでも確認しています。1943年の最初頃にまた攻撃を再開していますが、その時にも通信は入ったのでしょうか。
応神: そうだな。
リンゼー: おおよその性質は把握できました。
応神: これで終わりか。じゃあなアメ公。
リンゼー: ああっちょっと待ってください!
応神: なんだ!
リンゼー: あと一つだけあります。SCP-19TKの性能が評価された後、海軍上層部や大本営はどんな反応をしたのでしょうか。
応神: 同じ性能を持った艦船の量産とドイツやイタリアへの艦船の供与の計画が立てられてそれっきりだ。少なくとも、計画が日本で進められたことはないはずだ。
リンゼー: ありがとう、ミスター応神。
応神: じゃあな。
[応神研儀官が退室する。記録終了]
後書: この後、応神研儀官の証言を基に特別収容プロトコルが策定されました。この会談から1週間後、策定された特別収容プロトコルや本部が得た情報などを、1945年9月30日に発足する財団日本支部に引き渡す「SCP-19TKの収容に関する協定」、通称「8.28スミヨシ協定」が締結されました。
補遺4: 1946年11月8日、SCP-1942-JPに対し攻撃を中止させる試みが行なわれました。以下は、SCP-1942-JPとの通信記録です。
回答者: SCP-1942-JP
質問者: 応神 三船博士。日本海軍大佐に偽装している。
前書: 通信はSCP-1942-JPを追跡中の財団艦船「あづみ」から行なっている。
[記録開始]
応神: こちら大日本帝国海軍、応神大佐だ。黄泉海神、応答せよ。
SCP-1942-JP: 聞コエテイル。
応神: 黄泉海神、攻撃を終了し帰投せよ。
SCP-1942-JP: ソレハ出来ナイ。我々ハ米帝ト戦イ勝タネバナラナイ。勝ツマデ帰投ハ許サレナイ。
応神: それは誰の命令だ?
SCP-1942-JP: 黄泉海神ノ艦長デアル私、並ビニ第二航空戦隊司令官ニ依ルモノデアル。
応神: お前達は何者だ?
SCP-1942-JP: 私ハ大日本帝国海軍大佐、加来止男デアル。──[別の人物と思われる声]並ビニ、同少将、山口多聞デアル。(以下、加来止男を名乗る実体をA、山口多聞を名乗る実体をBと呼称する)
応神: 大佐、直ちに戦闘を中止せよ。……日本は、戦争に敗北した。
SCP-1942-JP(B): [30秒間の沈黙]アリ得ヌ。大日本帝国ガ負ケルナド有リ得ナイ。
応神: いや、負けた。1945年の8月15日に日本は敗北を受け入れた。陛下が自ら国民に知らせたんだ。
SCP-1942-JP: [13秒間の沈黙]
応神: いいか黄泉海神、今から敗北を受け入れた時の玉音放送を流す。この音声に細工は一切されていない。
[玉音放送を流す。SCP-1942-JPは終始沈黙を保つ]
SCP-1942-JP(A): オオ陛下、オイタワシヤ。[玉音放送終了後しばらくの間、雑音が強弱を繰り返す]
応神: いいか黄泉海神、聞いた通りだろう。
SCP-1942-JP(A): 鬼畜米帝ノ所行、ワレワレ大日本帝国海軍ハ最後ノ一人マデ玉砕スルコトヲ惜シミマセヌ。陛下ヲ脅スナド許サレヌ。不敬ノ輩ハ最後ノ一人マデ滅ボス。
応神: おいっ!
SCP-1942-JP(B): 貴様モ鬼畜米帝ノ手ニ落チタカ。皇国ノ恥晒シメ。
応神: まずい、船を退避させろ!
SCP-1942-JP(B): 大日本帝国ガ勝ツマデ、我々ハ戦イ続ケル。
[記録終了]
後書: この後、「あづみ」はSCP-1942-JPからの攻撃を受け沈没。乗員全員が脱出できたが、これ以降、SCP-1942-JPに対する通信は拒絶されている。昭和天皇が直接SCP-1942-JPへの通信を行なう計画が立てられたが、昭和天皇の安全と事後の機密保持に関して日本支部理事会の間で折り合いがつかず、計画は中止された。
補遺5: 2015年4月30日、SCP-1942-JPによる21発の高角砲の発射を確認しました。当時、財団艦艇「しかうみ」が追跡を行なっていましたが、これらの射撃は全て危害を加える目的ではありませんでした。同時に、SCP-1942-JPから宛先不明の通信が行なわれました。以下は解読された通信の内容です。
独逸帝国国防軍空母ニーズヘッグ 黄泉海神及ビ大日本帝国海軍ハ貴艦ノ戦列ヘノ復帰ヲ歓迎ス
この通信の後、財団はAOIを含むヨーロッパ各国の超常機関に対する調査を行ないました。以下は、得られた情報を基に構成された時系列表です。
年月日 |
事象 |
概要 |
1943年1月 |
史実上の「グラーフ・ツェッペリン」の建造中止。 |
この時点で改造計画が立てられたとされており、この情報はオブスクラ軍団の偽装工作と推測されている。 |
1943年3月頃? |
「グラーフ・ツェッペリン」の建造が再開。 |
改造中の「グラーフ・ツェッペリン」が連合国軍に発見されなかった理由は不明。 |
1944年5月3日 |
「グラーフ・ツェッペリン」を改造した空母「ニーズヘッグ」の完成。 |
SCP-1942-JP開発に関わったオブスクラ軍団の構成員が主導的立場にあったものと推測される。 |
1944年5月12日 |
「ニーズヘッグ」進水。北海に展開される。 |
沈没までの間のイギリス海軍との交戦回数は4回。 |
1944年11月17日 |
ノルウェー沖でイギリス海軍空母「インプラカブル」及び巡洋艦1隻と交戦。「ニーズヘッグ」が沈没。 |
作戦終了後、巡洋艦からの通信が途絶える。最後に通信があった海域を捜索するも発見できなかったため、MIAとして処理された。現在も巡洋艦及び乗員の消息は不明である。 |
1945年1月頃 |
民間輸送船や海軍艦艇に対する出所不明の攻撃が多発する。 |
SCP-1942-JPが修復に要した期間が6ヵ月なのに対し、「ニーズヘッグ」は2ヵ月程度で修復を終えているため、オブスクラ軍団独自の改良が行なわれたと推測されている。 |
1945年2月12日 |
AOI艦艇が攻撃を受ける。その後の調査により「ニーズヘッグ」を水深1500m付近で発見。 |
脅威ID「KTE既知脅威存在-1945-Caliburn」が付与された。 |
1945年2月25日 |
GOC物理PHYSICS部門の排撃班と「ニーズヘッグ」が交戦。 |
作戦記録によると、機関部への集中的な攻撃により、交戦から5時間で「ニーズヘッグ」が機能を停止。水深2500m付近で活動を停止したとされる。 |
1950年2月25日 |
完全な無力化を確認し、脅威ID「LTE粛清済脅威存在-1945-Caliburn」への再分類が行なわれる。 |
性質を考慮し年に1度の調査が行なわれてきたが、異常な兆候を示さなかったことが理由に挙げられている。 |
注釈: GOCは、建造中止以降の「グラーフ・ツェッペリン」及び「ニーズヘッグ」に関係する全ての記録を削除・改竄し、カバーストーリー「自沈処分」を適用している。現在まで一般に知られている「グラーフ・ツェッペリン」はGOCがオブスクラ軍団から接収し沈没させた別の空母である。
財団はこれらを受け、北大西洋ノルウェー沖に存在するとされる空母「ニーズヘッグ」を暫定的にSCP-1942-JP-Aと指定し、財団ドイツ支部との協力の元、GOCがSCP-1942-JP-Aと交戦したとされる海域の調査を予定しています。