SCP-1965
評価: +3+x

アイテム番号: SCP-1965

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1965が受信できる領域全域において、財団が所有する高エネルギー無線送信機がSCP-1965の周波数でホワイトノイズを放送します。財団は各国政府と連携し、SCP-1965の周波数が民間利用に割り当てられることのないようにします。SCP-1965の周波数で行われた民間放送は、SCP-1965との偶発的な通信を防ぐために発信地を特定し、抑制します。

SCP-1965の収容区域として指定されているのは、ヌナブト準州の██番目の緯度線より上の区域です。この区域でのSCP-1965のフェーズ0およびフェーズ1活動は妨害する必要がありません。財団は領土政府および連邦政府の協力を取り付け、収容区域内で新たな居住地が建設させることを禁止し、SCP-1965の周波数を受信することのできる装置がその区域に輸送されることを阻止し、また原住民がSCP-1965に気付いたことを示唆したりコミュニケーションを取ったりしていないかを監視します。

SCP-1965を監視するための専用のリスニングポストであるサイト-1015がこの区域内に設置されています。SCP-1965の周波数を受信することができる個人の電子機器は施設内に持ち込んではなりません。また、音波を送受信できる機器は監視器具の聴覚範囲内で使用することはできません。すべてのフェーズ0およびフェーズ1イベントは分析のために記録します。フェーズ2イベントが開始された場合、イベントが終了するまで現地の高出力送信機1台がすべての周波数においてホワイトノイズを放送します。

収容が失敗し、フェーズ3イベントが差し迫っていると判断された場合、上述のすべての送信機を使用して影響を受けた全域のすべての周波数においてホワイトノイズを放送します。財団は影響を受けた区域において停電や通信停電を誘発する権限があります。SCP-1965またはその収容によって引き起こされるいかなる損害も、太陽フレア活動や自然発生の電磁パルス活動に起因するものとされます。

説明: SCP-1965は███.█mHz(北米のFMラジオに使用されている周波数帯)において一連の高エネルギー無線放送の形で現れる知性を持った存在です。SCP-1965の物理的なソースは特定されていません。SCP-1965の放送場所を特定する試みはすべて矛盾した結果をもたらし、無線伝送装置が存在しない地域からの送信が示されました。天候や大気、太陽の状態によっては、SCP-1965の放送を北アメリカ、北ヨーロッパ、北東アジアのほぼ全域で受信することができます。

SCP-1965の活動はフェーズ0〜3の4段階に分類されています。フェーズ0の間は、ホワイトノイズのみがSCP-1965の周波数で受信されます。音波解析では一定のパターンが存在することが示されており、フェーズ0で聞こえるホワイトノイズは通常の自然発生によるものではなく、SCP-1965によって積極的に生成されたものであることが示されています。

フェーズ1では、SCP-1965は過去48時間に伝送範囲内で放送された多種多様な音声素材を再放送します。特定されたフェーズ1の素材には、商業ラジオ放送、アマチュア短波放送、衛星伝送、携帯電話の会話、財団や国家政府が採用する「乱数放送(numbers stations)」が含まれます。SCP-1965が再放送する内容に明白な好みはありません。再放送された素材が既知の録音から逸脱していることが時おり観測されています。その際、元の録音の中に存在する声が元の放送の話者と同じ言語で、SCP-1965直々の声明であると考えられるものを話したり歌い始めたりします。機密情報が漏らされる可能性を除き、フェーズ0と1に差し迫った脅威はありません。

フェーズ2およびフェーズ3イベントの際の放送素材は大部分がフェーズ1イベントの際のものと同一です。フェーズ2イベントの開始は予測が困難であることが証明されているものの、記録は活発な太陽フレア活動とフェーズ2発生との間の相関関係を示しています。フェーズ2のイベントが始まると、SCP-1965の周波数を受信することができるすべてのデバイスはその前にどの周波数にセットしてあったかにかかわらず、それを受信して再生します。そしてそのようなデバイスの聴覚範囲内にある、音を受信して再生することができる任意の電子デバイスもそれを再生し始めます。上記のいずれかの方法でSCP-1965を受信しその音を伝送や放送できるすべてのデバイスは、放送可能なすべての周波数において放送を開始します。SCP-1965は特別収容プロトコルに記載されているようにすべての周波数にわたって高エネルギーのホワイトノイズを放送することにより、「拡散」を防ぐことができます。

フェーズ2イベントが開始から15分以内に再度収容されない場合、フェーズ3にエスカレートします。フェーズ3ではSCP-1965の放送エネルギー出力が劇的に増加し、電磁パルス(EMP)に似た効果を生み出し、それを受信または送信するすべてのデバイスが物理的に破壊され、場合によっては損傷したデバイス内で電気火災が引き起こされます。フェーズ3は約30秒間続き、その後SCP-1965の活動はフェーズ0またはフェーズ1に戻ります。

事件1965-1: 20██/██/██、これまで問題のなかったフェーズ2イベントの間に適切な収容手続きを行わなかったため、サイト-1015においてフェーズ3イベントが発生しました。その結果、██名の職員の喪失と$███████相当の財産的損害を被りました。イベントが終了した後にSCP-1965はフェーズ1に戻り、俳優のモーガン・フリーマンが「The Case at the Bat」という詩を朗読する録音を放送し始めました。███████上級研究員はまだ機能している送信塔の1つに接続されたマイクを作動させ、警備員に拘束される前に、SCP-1965が友人を殺した理由を説明したものとされる声明を放送しました。放送はこの時点で元の録音から逸脱し、フリーマンの声で独白を行いました。記録は下記のとおりであり、これはSCP-1965から財団へのこれまでに唯一の直接的なコミュニケーションであると考えられています。

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