アイテム番号: SCP-1966
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1966は地下2kmにある専用掩蔽壕に収容します。掩蔽壕には厚さ10mの鉄筋コンクリート壁と、追加の放射線防護壁1mを備え付け、場所は主要な人口密集地や他の財団施設から少なくとも100km離れた場所に設けます。現在地はサイト-██です。SCP-1966との対話は、地表の観測ステーションから遠隔で行う必要があります。監視ステーションにはレベル2クリアランス以上の職員を少なくとも5名恒久的に待機させ、現場監督者はレベル4クリアランスを持つ資格認定済みの心理学者でなければいけません。SCP-1966との対話は現場監督者の承認を得ずに行ってはならず、プロトコルPSI-1966-Aに準拠する必要があります(補遺を参照)。
説明: SCP-1966は20██年に█████・エンジニアリング・グループが製造した後方散乱X線検査装置です。アメリカ運輸保安局によって、████州█████████の███████国際空港で使用するために購入されました。寸法はおよそ3m×4m×4mです。静的スキャンにおいて、SCP-1966の内部構造には同型のボディスキャナーとの偏差が確認されませんでした。
20██/8/26の稼働直後から、SCP-1966は人間男性の声を放出しています。声は[編集済]の共振振動から発生しており、これらの振動の原因はまだ判明していません。声はSCP-1966の近くにおけるスピーチや他の物音に反応し、明らかに知覚力を持つ意識がSCP-1966内に存在することを示します。SCP-1966は電源への接続に関係なく発声します。
SCP-1966はオンタリオ州ロンドンの保険セールスマン T████ J██████氏を自称しています。SCP-1966は“目が見えなくなって、意識を失った”前の最後の記憶は、SCP-1966の最初の発声の24時間前である20██/8/25に、娘の5歳の誕生日パーティーに出席していたことだと主張しています。SCP-1966は現在、聴覚・苦痛・振動の感覚を除く全ての感覚フィードバックを持っていないと主張しています(SCP-1966は自身を移動させる試みや外部筐体を開ける試みに若干の認識を示しています)。
SCP-1966の発声は、明快でくだけた雰囲気から、高いストレスレベルを示す口汚いものまで幅広く変化します。SCP-1966の発声が苦痛を示している場合、機器から放出される電離放射線の量は異常に跳ね上がります(この急上昇が毎時█.█シーベルトという高さを記録した事案[データ削除]名が即死し、続く2週間でさらに██名が死亡しました。SCP-1966はこの出来事の直後に収容され、メディアにはカバーストーリーとして[編集済])。
時間が経つにつれて、これらのストレス事象からの中性子の放出は、SCP-1966の筐体を高い放射性の物へと変化させました。SCP-1966の放射線放出量に上限がある様子は見られません。
プロトコルPSI-1966-Aは[データ削除]からこれらの高ストレス事象を防止するために採用されています。
補遺: プロトコルPSI-1966-A
- SCP-1966との対話において、対象にはT████ J██████氏として呼びかけます。
- 職員は、SCP-1966が自身の記憶やアイデンティティについて行う主張を、否定することなく受け入れます。
- 職員は決して、財団・SCP-1966の性質・現在の場所・実際の取得経緯や経歴についての詳細・現状について言及してはいけません。
- SCP-1966が自傷に言及した、もしくは希死念慮を表明した場合は、直ちに現場監督者に通知してください。下級職員が自己主導で介入を試みてはいけません。
- SCP-1966には、彼は交通事故による脳損傷のため、トロントの██████████病院にある長期療養病棟にいると通知してあります。SCP-1966が妻子と会話することを求めた場合、「できないと分かっているでしょう」という返答が承認されています(SCP-1966には同一の交通事故で妻子が死亡したと伝えてありますが、これを改めて伝えることはストレス事象を引き起こす可能性があります)。
注記: 財団エージェントはオンタリオ州ロンドンにて保険セールスマンのT████ J██████氏を発見し、20██/8/25までの経歴がSCP-1966の主張する記憶と一致することを確認しました。3年間の監視と研究において、異常性は見出されていません。J██████氏とSCP-1966の間には記録されている接触が存在せず、同氏は███████国際空港を訪れたことが一度もありません。