SCP-1973
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アイテム番号: SCP-1973

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1973の周辺地域100mはフェンスで囲われ、一般人の侵入を抑止するための低電圧電気柵が設置されています。フェンスの点検は2週間ごとに実施してください。SCP-1973-1の乗員はサイト内の適切な居住ユニットに収容し、レベル1クリアランス相当のアクセス権限が提供されます。サイトのセキュリティ確保上の理由から、彼らが境界フェンスを越えて移動することは許可されていません。SCP-1973-1本体は施設のガレージ内の密閉区画に収容される予定です。不測の事態に備えて、常時1名の警備員による監視が必要とされます。

説明: SCP-1973は、アメリカ合衆国[編集済]州に位置する、極めてかつ永続的にぬかるんだ状態であるものの、一見すると標準的な土地のような場所です。この土地に立入った人物はいかなる異常な現象も体験しませんが、車両(有人であるか否かにかかわらず)は2~5時間以内に完全に沈没することが、多数の試験車両を用いることで検証されています。車両の大きさや質量と沈没時間の間には相関関係は認められません。現時点でSCP-1973から脱出した唯一の車両であるSCP-1973-1は、乗員への聞き取り調査により出自が判明したアメリカ陸軍M48A3パットン主力戦車で、第5騎兵連隊 "ブラックナイツ"第3中隊A隊所有のものです。回収以降、SCP-1973-1および乗員からはいかなる異常な活動も報告されていません。両者ともに、同時期のものと同等の年数が経過した状態となっています。

インタビュー-1973抜粋

インタビュー対象: カイラー中尉(退役済)

インタビュアー: █████研究員

序文: SCP-1973-1、彼の呼称によると"ジーニー"の部隊長を務めていたカイラー中尉は、最も適切なインタビュー対象者として選定された。精神鑑定とその後の抗うつ剤治療を経て、なお軽度のPTSDの症状が認められるものの、精神的には健全であると判断されている。

記録開始、1993/12/07 1103

インタビュアー: カイラー中尉…

カイラー: レイ、私のことはレイと呼んでくれ、先生。

インタビュアー: わかりました、レイ、あなたは現在MIAリストに載っているようですが?

カイラー: ああ、そうらしいな。

インタビュアー: また、あなたの「体験」に基づき、軍への復帰や本当の意味で「普通の生活」に戻ることはないとの説明も受けていますか?

カイラー: クソッ、あぁ、それもそうらしいな。

インタビュアー: わかりました。ありがとうございます。では、████/██/██の出来事を説明して頂けませんか?

カイラー: まぁ、最初はまったくいつも通りの戦闘行動だったな。我々は歩兵隊の支援任務に備えていたんだ、ベン・ヘット地区周辺だったかな、あいつらが掃討のためにサンダーチーフ[アメリカ空軍の攻撃機]を呼んだぐらいのところで、我々はその田んぼを通ってそこから退却し始めたんだ。

インタビュアー: 何か異常な点はありましたか?いつもと違う点はありましたか?

カイラー: いや。特に印象深いことはなかった、というよりも、珍しいことじゃあないからなぁ![笑い] ええっと、我々はとっととそこから脱出しようとしていた時に、とんでもない泥穴にぶち当たったんだ、 今まで戦車に乗ってきた中で丸天井まで肥溜めに埋まるような最悪なこともあったが、その田んぼはものすごい深さだった!後ろの方は完全に埋まっちまって、あと3〜4フィートは沈むと思ったな。結局、私が間違っていたって分かったんだがな?

我々は下に行き続けたんだ。ただまっすぐと、いともたやすくな。泥が履帯の上まで上がって止まらなくなったところで、私はハッチをきっちり閉じて、彼らにここで待ってろと言ったんだ。中を田んぼの水いっぱいにしたくなかったからな、多分M88[装甲回収車]に無線した方がよかったかもな。私たちはどうしてここでジーニーと座っているんだ[SCP-1973-1の側面を親しげに撫でる]、3時間も?その頃には中の空気は本当に乾燥しており、「戦車なんてどうでもいい」と言って逃げようとしたんだ。完全に沈んだことにも気づかず、ただ深く潜っていることはわかっていた。次の瞬間、機体が急に傾き、再び水平に戻ったんだ。そこで私は若造に言ったんだ、「見てこい」ってな。あいつはそうした。彼は言った。見てくれって。我々も見たさ。いやぁ、まだ自分が見たものが信じられない。まるで整備士の妄想みたいな光景が、何マイルも続いていたんだ。

インタビュアー: 詳しく説明していただけませんか?

カイラー: わ、分からないが、何千台もの車、何千もだ、この果てしない闇の中で忌々しい星になっていたんだ。我々が漂流していたのか、そいつらの方がそうだったのか、おそらく両方だった。目印となるものは何もなく、ただ私たちとこの広大な空間だけしかなかったようだった。ああくそ、我々はそこで本当に長い時間を過ごした。そこでどれくらい漂っていたのかわからないが、想像以上だったな。普通の戦車乗りなんかよりすごいものを見たぞ、教えてやろう、博物館とSF映画が一緒になったような所だったよ。ボロボロのモデルT、何十台ものシボレーやキャデラック、古い装甲車、そして1台、今まで見たことのないような車があった、曲線とスポイラー全部が、まるで2001年宇宙の旅みたいだった。

インタビュアー: 的確な表現ですね。

カイラー: ああ、その通りだ。中に人はいたが、まるで蜂蜜の中を動いているかのように、スローモーションのようにゆっくりと動いていた。そして、我々が到着したのと同じくらい突然に、自動車の巨大な雲から、どんどん下の方に落ちて行ったんだ。他の人たちも次々と落ちていくのが見えたが、彼らはただ虚空に消えていった。私たちは黒い所を進み続け、やがて白、そしてただ青い[編集済]の空へと出た。まるで地面から飛び出したイルカのようだった。美しい瞬間だった、二度と陸地を見られないのではないかと思ったほどだ。

私は彼らが眠りに落ちるか何かするかを見ていた、乗員たちのことだが、1人ずつ。それから私も同じことをしたに違いない。次の瞬間、私は君たちと倉庫の中にいたんだ!
[笑い]壮大な冒険の旅から帰ってこれたみたいだな!

記録終了、1993/12/7 1213

終了報告: 「ジーニー」回収地点はこれ以降SCP-1973と指定され、カイラーの説明からは、このような「ワームホール」が他にも存在する可能性が示唆されており、ネットワークについて調査中である。「ジーニー」乗員(以降SCP-1973-1と指定)はサイト██への隔離について懸念を表明したが、留まることに同意した。セキュリティ上のリスクはごく僅かなものであると考えられる。

補遺: ベトナムにおける「ワームホール」の所在地の捜索は、2001/4/9以降、地形の変化およびこの規模の物理的探査に伴うセキュリティリスクにより中断されています。また、他の疑念のある地点については、一時的であるという仮定および物理的に移動していることが証明されているために困難であることが判明しています。 追跡装置を用いた試験車両の移動経路の追跡は試みは成果が得られず、その結果、それらは未発見のままです。

"おいおい!お前らまだあのあんなものを探してるのか?あのクソ田んぼを見つけるのは干し草の山の集まりから干し草の山を見つけるようなもんだぞ?"
-カイラー中尉 SCP-1973-1司令官

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