アイテム番号: SCP-1976-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1976-JP群並びにSCP-1976-JP-A群はそれぞれがデスクトップ型パソコンと共に補強を施した小型生物収容エリア内に収容され、アリ科生物に適した環境・食事が与えられます。パソコンは収容エリア内のパソコンのみに接続され、2014年12月4日時の報告書のテキストデータのみを編集・保存可能、削除不可能な状態でデスクトップ上に保管、定期的にテキストデータの確認が行われます。
説明: SCP-1976-JPは異常性を有したクロオオアリ(Camponotus japonicus)の群れです。クロオオアリの形状を精巧に再現した全長約40cmの飴菓子(以下、SCP-1976-JP-Aと呼称)の中に平均150匹の群れが確認されています。SCP-1976-JP-Aの主成分は色付けされた飴で構成されており、物理的衝撃・熱に対する強度は通常の飴菓子よりも高い数値が確認されています。捕食した部位や死骸等は尾部より排出され、内部の水滴は発見次第排出・吸収される傾向があります。
SCP-1976-JP群は本来のクロオオアリとは異なり女王アリとしての個体がSCP-1976-JP-Aの頭部・胸部・腹部に合計3匹存在しており、SCP-1976-JP-Aを餌並びに住居として活動を続けています。
SCP-1976-JP-Aの各関節部をSCP-1976-JP群が破壊・破片を用いての修復を高速で繰り返す事により、平均歩行速度約20km/hによる移動、瞬間的に60km/hによる活動・壁面の走行・顎を用いた外部への攻撃が可能です。
上記の強度とSCP-1976-JP-A自体の大きさと合わせて野良犬猫や野鳥・蛇等を攻撃対象と見なしており、2014年6月6日福井県内にて市民からの通報を受けた時には野良猫を捕食している姿が警察官に潜入していたエージェントの手によって確認・確保されました。
また、同年6月4日に発生した赤子失踪案件が通報を受けた場所に隣接していた事、SCP-1976-JP-A内部から排出された凝固した血液より発見された生体組織から事件に関わっている可能性が極めて高いと考えられています。
補遺: 2014年10月27日、SCP-1976-JP群並びにSCP-1976-JP-Aが収容エリア上面に存在する通気口のカバーを破壊・エリア外部へと脱走を行いました。壁面はSCP-1976-JPの肢の末端部を摩擦熱で溶解させる事により一時的な粘着性を獲得したものと思われます。
脱走後SCP-1976-JPはサイト近隣の雑木林内で発見されました。以下は発見したエージェントによる映像記録の抜粋です。
[00h-12m-04s] (カメラが雑木林で静止しているSCP-1976-JP-Aの姿を捉える)
[00h-13m-33s] (SCP-1976-JP-Aの表面に無数のクロオオアリが這い回っている。SCP-1976-JPが動く様子は確認出来ず)
[00h-14m-01s] (カメラが更にSCP-1976-JP-Aへと接近。内部のSCP-1976-JP群の大半が死亡しており、新たに侵入したクロオオアリによって外部への廃棄が行われている)
[00h-16m-17s] (女王アリであったSCP-1976-JP-A3体の死骸が分解された上で廃棄される、以下変化が見られなかった為割愛)
[00h-52m-19s] (女王を含む合計109匹のクロオオアリがSCP-1976-JP-Aの内部へと侵入する。女王は頭部中央へと移動する)
[00h-53m-17s] (各関節の可動部に女王以外のクロオオアリが集合、SCP-1976-JPとしての活動を開始したと思われる)
今映像記録から異常性を有していたのはSCP-1976-JP-Aであり、SCP-1976-JP群が影響を受け変化した存在であると予想されています。
補遺2: 2014年11月13日、上記の補遺におけるSCP-1976-JP(旧SCP-1976-JP-A)の発見地点にSCP-1976-JP-A群(旧SCP-1976-JP群)がSCP-1976-JPを作成している様子が確認・記録されました。今情報から異常性を有していたのはSCP-1976-JP-A群であったと予想されます。
補遺3: 2014年12月1日、上記の補遺におけるSCP-1976-JP-A(旧SCP-1976-JP)の内部からSCP-1976-JP群(旧SCP-1976-JP-A群)の死骸が排出され、新たなSCP-1976-JP群がSCP-1976-JP-A内部に女王含む合計123匹が出現したのが確認・記録されました。今異常性から双方が異なる異常性を所持していると予想されています。
補遺4: 砂糖はSCP-1976-JP-Aです。[2014/12/06] 補遺5: 蟻虫はSCP-1976-JP-Aです。[2014/12/06]
補遺6: 砂糖はSCP-1976-JP-Aに再定義されます。[2014/12/06] 補遺7: 蟻虫はSCP-1976-JP-Aに再定義されます。[2014/12/06]
補遺8: 砂
補遺4: 2014年12月6日に発生したEuclidクラスオブジェクト群大規模収容違反に乗じてSCP-1976-JP群並びにSCP-1976-JP-A群は個体数を増殖させた状態で収容エリア内部より脱出、起動中だったPCを各種1台ずつ奪取・操作する事で今報告書上の補遺4~8の文章を追記しました。
SCP-1976-JP群の目的は自身の報告書上のSCP-1976-JPという定義の維持、SCP-1976-JP-A群の目的は報告書上の定義における自身のSCP-1976-JPという定義、或いはSCP-1976-JP群のSCP-1976-JP-Aという定義の変更であると予想され、収容プロトコルの改定が施されました。
追記: 2014年12月17日以降、SCP-1976-JP群並びにSCP-1976-JP-A群は相手側が記載した文章の削除と相手側に削除された文章の復元のみを行っています。