SCP-1977-JP
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1977

頭部の無い遺体が発見されたワードルーム。

アイテム番号: SCP-1977-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1977-JP-Aは、現在サイト-████の乾ドック内に収容されています。SCP-1977-JP-AにはGPS発信機を装着し、毎年4月24日から30日の間に発信される同一の信号を追跡してください。フィールドエージェントは、GPSの追跡記録からSCP-1977-JPの曝露者の捜索と調査を行い、必要であれば身柄を拘束してください。また、曝露者の死亡記録を収集するため、各地の公的機関へ情報の請求を行い、データベース-1977-JPへ記録してください。

説明: SCP-1977-JPは、毎年4月24日から30日にかけて不特定の人物に発生する幻覚と、汗腺からの異常な出血を伴う現象です。各種調査から、SCP-1977-JPに関連した現象は対象者の健康状態や周辺環境などに関係が無く発生する事が判明しています。

SCP-1977-JPが発生した人物(以下、曝露者として表記)は、共通した幻聴と幻視を経験しています。幻聴の内容は大きく2つに分かれており、曝露者は「非常に大きな機械音」と「男性または女性の笑声」を明瞭に知覚しています。この内、機械音については一部の曝露者から船舶のジーゼル機関に酷似していたとの証言が得られています。幻視の内容は、「古い形式の潜水艦」と「舳先に立つ頭部の無い人物」の2点で共通しており、潜水艦に関する別の証言から、後述するSCP-1977-JP-Aの発見につながりました。

曝露者は幻覚を経験した直後、全身の汗腺から血液が表皮に滲出するようになります。症状は1分程度で沈静化し、以後死亡するまで再発は確認されません。曝露者の生存時に採取された血液、皮膚組織の検査と、遺体の検分が行われましたが該当する症状を引き起こすような異常は認められませんでした。

SCP-1977-JPの曝露者は、現象を発現後1年を超えて生存することはありません。各事例における死因、死亡時期、曝露者個人と周辺の状況に共通項が少なく、SCP-1977-JPによって発生する現象との間に因果関係があるのかは不明です。財団は当初、曝露者の隔離と死亡リスク排除による保護プログラムを実施していましたが、全ての保護対象者が1年以内に死亡する事態を防げなかったことから、保護プログラムは停止されました。

SCP-1977-JP-Aは、元イギリス海軍所属のT級潜水艦HMS Truncheonです。SCP-1977-JPによる幻視を経験した曝露者の一部が「潜水艦のセイル部分にP353と塗装されている」と証言したことから、財団は該当する船舶がHMS Truncheonであると仮定しました。当該船舶とSCP-1977-JPとの関連性について調査を行った結果、HMS Truncheonについて一般に公表されていない情報が確認されました。

財団は1986年3月25日に捜索作戦を実行し、北緯██度██分 西経██度██分の地点に沈没しているHMS Truncheonを発見し、沈没地点の記録のためにGPS発信機が設置されました。同年4月24日、沈没地点とは異なる地点で装着された機材と同じGPS信号が確認され、発信地点周辺でSCP-1977-JPによる現象を発現した曝露者が発見されました。これ以後も、GPS信号が確認された地点の周辺で曝露者が確認されたため、財団はHMS TruncheonとSCP-1977-JPとの関連性を認定し、対象をSCP-1977-JP-Aと分類しました。

補遺-1977-JP 「SCP-1977-JP-Aの引き上げ調査」
SCP-1977-JP-Aは、1989年8月9日に海底からの引き揚げと調査が行われました。艦内の調査では、回航要員として乗船していたとみられる32名の遺体が発見されました。イギリス側提供の資料により31名の身元が確認されましたが、ワードルームで発見された士官服を着用した頭部の無い遺体については身元が判明していません。

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