アイテム番号: SCP-1984
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1984はロシア連邦サハ共和国のベルホヤンスクの南南東███kmの武装収容複合施設-04に保管されています。MTFオメガ-59 (ネチャーエワの狼)とMTFシグマ-18 (チェス・マスターズ)の両機動部隊が複合施設-04に常駐します。
SCP-1984自体は標準ヒューマノイド収容独房内の倉庫5-Eに収容されています。この独房は外部からの放送を受信できないファラデー箱に改造されています。SCP-1984には、情報操作チームの作成した放送以外視聴させてはいけません。コンプレックス-04周辺のすべての放送信号はモニターされることになっています。
いかなる時でも15人以上の情報操作チームがスタジオ1-Aに隣接した職員寮1-Aに常駐することになっています。情報操作チームには最低でも以下の人員が必要です。一人の軍事歴史家、二人の外交力学に広範な知識をもつ人員、一人の経済学者、二人の重要な舞台にたったことのある俳優、三人のソビエト/ロシアでのメディアでの10年以上の経験を持つ人員。SCP-1984はタス通信からの公式発表、AP通信、BBC、及びその他の冷戦期の報道機関によって語られるソビエト連邦とNATOのデタントの進行を表す"物語"をラジオとテレビ放送を通して視聴することになっています。
説明: SCP-1984は"第二撃"能力を提供することで核抑止を行うメカニズム1として1980年代にソビエト連邦によって建造されました。SCP-1984は西側メディアによって"死者の手"システムとして言及されています。これは、自動化された核反撃システムで、ソビエト連邦の指揮統制能力が破壊されると同時に核による反撃が開始されると信じられていました2。しかし、SCP-1984は西側メディアがそう信じているようなセンサーのネットワークとコンピュータのシステムではなく、ロシア連邦の核施設と貯蔵されたICBMへの直接アクセス能力を持った、自意識と物質界への操作能力を持った実体です。
SCP-1984は1982年にソビエトのアフガニスタン侵攻で戦死したロシアの軍人マラト・チェルニコフ軍曹(Marat Chernikov)の保存処理を受けた死体から成っています。チェルニコフ軍曹はプロジェクト・ディセンバーのドキュメントに参照される以外には、公認されたロシア連邦の記録には存在していません。SCP-1984-1はSCP-1984を中心として出現します。
休眠状態のSCP-1984-1は放送信号を送受信できる半覚醒状態の意識です。SCP-1984-1は受信したいかなる放送の内容も明らかに理解しています。受信した放送が世界的な軍事的緊張の高まり、特にロシア連邦とソビエト連邦のかつての衛星国の軍事的緊張の高まりを意味していた場合、SCP-1984-1は顕在化をはじめ、物質界との相互作用が可能となります。顕在化は、ほとんど認識出来ない、霞んだ人間型の影(受信妨害に失敗した2004年のロシア大統領選挙報道に関連していると信じられています)から明るい赤に輝く脚のない膨張する子供の幻(封じ込め違反1984-13 2008/08/07)まで変動します。
SCP-1984-1がこのように顕現すると、その第二の能力が明らかになります。半径50m以内の核攻撃指令システムへの直接接続能力と、人間の神経系をひどく混乱させる戦闘能力です。SCP-1984-1が完全に顕現すると、即座に140km/h以上の速度で大陸間弾道ミサイル、R-36Mの配備された地上配備戦略ミサイル施設(現在のところ武装収容複合施設-04の北西81kmにある████████████-██)へと移動しようとします。 そして、指揮システムへとアクセスし、全てのミサイルを規定の目標へと発射します。このプロセスをロシアのコントロールする全てのミサイルを発射し尽くすまで繰り返します。
SCP-1984は自らに干渉しようとしていると判断されたいかなる人間に対しても極めて敵対的です。また、その進路上に位置するいかなる人間とも交戦します。SCP-1984-1は、マイクロ波放射に対する限定された脆弱性を持ちます。しかし、これは直接的にSCP-1984-1を傷つけるものではなく、対象を誤った目標へ誘導したり、"混乱させる"だけです。
1984の回収ログ: 1984年前半、セルゲイ(Sergei) ████████博士(財団とソビエト連邦の公式連絡係)は「人類の継続的な生存における極めて重大な」問題について議論するためにO5-█(当時、ユーラシアでの業務を統括していた)に連絡を取りました。ユーゴスラビアのサラエボでの秘密会談(1984年冬季オリンピックで各国高官の存在を偽装するため)で、ソ連とアメリカ当局はOverwatch Commandに"死者の手"(財団は通常の核抑止設備だと判断していた)の真実とSCP-1984の存在を明かしました。それに続き、アナトリー・ラヴレンチェフ(Anatoly Lavrentyev)博士の自殺と彼の研究施設の破壊の後、SCP-1984は本来の仕様から離れ、ソビエト政府の手に余り始めているという情報がソビエト政府から得られました。ソビエトの指揮系統が完全に破壊された時に"第二撃"を与えるのではなく、SCP-1984-1は積極的にアメリカ合衆国、フランス、西ドイツ、███████、中華人民共和国を目標に先制核攻撃を仕掛けようとしていたのです。米ソ合同代表団の要請を受け、財団はSCP-1984の制御と即時の封じ込め手順の開始に同意しました。プロジェクト・ディセンバーの生き残りであり、財団によってコードネーム"EZRA"と名付けられた██████ ███████博士が武装収容コンプレックス-04の責任者に任命されました。