アイテム番号: SCP-1988
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1988は邸宅の移転によって拡大されるため、イリノイ州シカゴ;デラウェア州ドーバー;メイン州ポートランドの不動産会社に配属されたエージェントは市外への移転という不都合な決定が決まった場合、市場へ介入してください。予算は先述の都市の市民に対する邸宅の機材、器具、設備の故障の電話対応に割り当てられることになっています。更に、衛星によって都市の排出する二酸化炭素が異常増加していないか監視することになっています。
感染した邸宅が発見された場合、居住者は19611971年以降に建築された新居へと移転させることになっています。居住者には政府の政策の下で新しく製造されたエネルギー効率の良い設備の引換券が渡されることになっています。古い物件は一般市民の為という名目で再開発されることになっています。再開発物件に19611971年以前のものは含まれません。
説明: SCP-1988は19611971年以前に建築された家に影響を及ぼす生体構造の性質を持った伝染性感染症です。イリノイ州シカゴの郊外と地理的に限られていましたが、デラウェア州ドーバー、メイン州ポートランドでも発生が報告されています。居住者が感染した家から非感染の家への移転によって拡大します。居住者自体が感染要素なのかは判明していません。
SCP-1988は3段階によって家に影響を及ぼします。第1段階は居住が始まって通常120日以内に発生します。第1段階では家に特に隙間風の通るまたは冷える場所が発生します。扉や窓の開閉が難しくなり、勝手に開閉するようになります。金属製の扉及び窓は周期的な加熱と冷却を始めます。木製の扉及び窓は大きさが増減します。この温度と圧力変化は季節ごとに発生しますが、各周期は数時間で発生します。扉と窓の周期は最終的に家全体が同期します。これが第2段階に続きます。
第2段階では電気器具と配管が故障します。短絡と溶断が一般的です。伝熱機器、冷蔵庫やオーブン等は熱の向きを逆さまたは別方向に変えます。排水管や蛇口は物理的に問題がなくても詰まります。この段階で、居住者は家の異常に必ず気付きます。ほとんどの場合で居住者は影響を受けている2都市の内の1つへと移転を決めます。この移転が第3段階に続きます。
第3段階では家の絶縁、配線、配管が徐々に未知の方法で複雑な生体構造、いろんな哺乳類で見られる肺、気管支、肺胞に似た機能の生物器官へと変化します1。蛇口、排水管、電気コンセントは屋根へと続く気管のような器官になります。コンセントにつながっている電化製品はこの過程で外されます。器官は壁を開かせているようには見えませんが、家はこの時呼吸をしており、1周期につき5cm大きさが増減します。家の室内は定期的に二酸化炭素で満たされ、独立して働く窓と扉で排出され外からの酸素と入れ替えられます。これは温室効果ガスの蓄積に繋がり、植物の急成長を促進します。しかし、感染した家周辺の植物の劇的な増加は二酸化炭素生成率では説明できません。
SCP-1988の症状の進行は居住者の家の異常に対する知識に関わっていると判明しました。居住者が知らないまたは異常を思い出せない場合、症状は第2段階から進行せず、時間とともに退行し、終了します。これはドーバーに移転していたアルツハイマー症に罹った初老の男性が感染していたシカゴの自分の家に戻った時に発見され、SCP-1988感染症の症状は完全に消えました。感染源はイリノイ州パークリッジにあった幼児施設████████ ████まで追跡できましたが、関連は確定できませんでした。SCP-1988の原因も、なぜシカゴ、ドーバー、ポートランドにのみ影響を受けるのかは現在も不明です。
補遺: 20██/█/██、最初にSCP-1988が記録されてから約10年後、異常の測定値の変化が確認されました。SCP-1988は1961年以前に建築された家だけではなく、その日付から10年後の家にも現在は影響を与えるようになりました。