
ニューヨーク州███████でSCP-1999の影響を受けたシャワーマット。
アイテム番号: SCP-1999
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 機動部隊イオタ-9(“蒐集済骨董”)は効果の指定範囲にある博物館と協力し、”Loewes”という名に関する器物損壊事例を特定します。また、当該機動部隊はSCP-1999の影響を受けた全てのアイテムを確保します。財団は高い金銭的または文化的価値を持つアイテムを復元していきます。
ボールペンまたはフェルトペン以外で書かれた全ての”Loewes”実例は、SCP-1999と考えるべきではありません。該当する落書きはダダイズム集団”Are We Cool Yet?”との関連性が調査されています。補遺1999-dを参照してください。
名前の由来に関する調査は継続中です。 補遺を参照してください。
説明: SCP-1999は、”Loewes” (時に様式化された”LOEWES”、またはあまり頻繁ではない”loewes”)という名前が、未知の手段で物体表面に記載される現象です。名前はボールペンまたはフェルトペンのどちらかで書かれているように見え、筆跡は全実例で一致しています(補遺1999-b参照)。これまでSCP-1999が書かれているのが発見された物品には全く類似性がありませんでした。例外となる点は、影響物を特定する助けとなっている特徴である、その物品が博物館の内部に存在するということです。これには展示物・展示用ではない博物館の備品・従業員や来館者の私物が含まれます。これら物品はニューヨーク市マンハッタンの15km圏内で発見されています。 補遺を参照してください。
名前が書かれた物品は、その所有者に対し、たとえ最初は彼らの物であったとしても、別人の財産であると思わせる効果を発揮します。この場合、対象者が物品を所有しているのは、あたかも借りた物のように一時的な事と看做されます。影響物に対する反応は、他人の財産が保護されることを望む人物に典型的なものとなります。対象者に物品を悪用または損壊するように強要することは可能ですが、そうするよう求められると、彼らは多くの場合極端な苦痛を表明します。博物館スタッフの場合は、多くの例において指示もなく展示物を取り除き、後に問題の物品は”エルフィーのもの”であると宣言しました。名前を見る・記載位置を知るといった事は、効果の発生には無関係です。
影響を受けたオブジェクトの分析は、発生の頻度が1-3ヶ月の間である事を示唆しています。
補遺1999-a: ドイツの博物館との接触により、"Löwes"という名が物品に記載される例が1940年代以前に、特にシュトゥットガルトの街で発生していたことが判明しました。これらもまたSCP-1999の実例であると考えられます。
補遺1999-b: 筆跡鑑定により、ニューヨーク市マンハッタン在住のエルファ・S・ローズ夫人(旧姓S█████████)との一致が確認されました。ローズ夫人の家族とのインタビューにより、彼女は1941年にドイツからアメリカ合衆国に来て間もなくマンハッタンに定住した事、休暇の期間以外は人生の残りをこのエリアから離れていない事が判明しています。彼女が移住した日は、SCP-1999実体の綴りの変化、およびシュトゥットガルトからマンハッタンへの位置の移動に一致します。インタビューは、ローズ夫人自身については何ら異常性を明らかにしませんでした。
ローズ夫人とSCP-1999を結びつける直接的なメカニズムは判明していません。ローズ夫人が30年間事務員として勤務していた█████ █████博物館は2009年までSCP-1999の影響を受けなかったため、ローズ夫人個人に関わる狭い範囲には(夫人が現象の焦点にも拘らず)SCP-1999は発生しないと理論上想定されています。
2009/█/██の夫人の死去以降、SCP-1999実体の出現頻度は減りました(5ヶ月に1回以上の頻度では出現しません)が、発生範囲は拡大しています。SCP-1999は現在、アメリカ合衆国の中部太平洋岸地域・南部・南西部の、ローズ夫人が人生において訪れた場所と一致する所で出現してします。ドイツでは新たな実例は出現していません。博物館などに対するSCP-1999に備えた場所の指定は残っているものの、2009年以降は博物館の物品は影響を受けていません。監視は継続中です。発生頻度とローズ夫人の遺体の場所に相関関係はないと思われます。遺体の発掘で異常性質は明らかになりませんでした。
補遺1999-c: 調査は継続中ですが、現時点で物品にローズ夫人の旧姓が出現した例はありません。SCP-1999の影響を受けているのが発見された最古のオブジェクトは1938年のもので、書き込みが発見された後にシュトゥットガルトの████████から取り除かれていました。これはローズ夫人の結婚年と一致します。
補遺1999-d: 20██年のアート・インスタレーション(現SCP-████)収容に際して、屋内外の3ヶ所に”LOEWES”という名がスプレー塗装されているのが発見されたことで、SCP-1999と”Are We Cool Yet?”の関連が判明しました。これ以降、主としてスプレーペンキで書かれた単語の実例は出現し続けており、それらはSCP収容のために財団が調査を行っている地点に驚くほど近接しています。情報漏洩の可能性についての調査は、O5評議会に最優先事項と指定されています。
現時点では、ローズ夫人とその家族には”Are We Cool Yet?”との繋がりは無いと考えられています。