SCP-2001-JP
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注記: 以下のファイルは情勢が安定するまでの暫定措置です。

当ファイルは正常性維持連絡会によりロックされ、アーカイブされています。

当ファイルにおける暫定措置はO5評議会および正常性維持連絡会によって随時更新されます。担当管理官は情報のバージョンに注意してください。


Item #: SCP-2001-JP Level 3/Fallout
Object Class: Safe Classified

特別収容プロトコル: 現在、IK-クラス:世界文明崩壊シナリオが進行中の為、SCP-2001-JPに関する情報を維持する為に割り当てられた各施設は72時間ごとの定時連絡を除き外部への通信を遮断し、地上部の安全が十分に確保されたと判断できるまでは外部との物理的な接触を断ちサイトの閉鎖状態を保ってください。無許可での閉鎖解除が行われた場合、正常性維持連絡会による介入が行われます。

なお正常性維持を目的とした外部残存勢力との連絡窓口に割り当てられたサイトおよび各サイトへの補給物資を配送する為の一部サイトはこの限りではありません。特別封緘命令に基づき適切な処置を行ってください。

収容手順更新 2098/██/██: 第三次世界大戦の開戦に伴いセキュリティロックダウンによる情報封鎖を開始、以後封緘命令を受け取ったサイトを除き全ての収容サイトはプロトコル更新まで外界との接触を禁じます。

収容手順更新 2099/██/██: 現在地上部は短時間における同時多発的な核攻撃によって世界中に拡散した放射性降下物や、そこから発せられる二次放射線によって深刻な汚染状態にあります。各サイトは緊急マニュアルに従い地上部のモニタリングを開始、汚染状況を記録してください。

収容手順更新 2102/██/██: 残存サイトから収集された情報および生存している財団管理の衛星による観測データより安全な物資輸送ルートの確立が行われています。核防護機能を持つ車両を保有する機動部隊がこの任務に割り当てられました。

収容手順更新 2115/██/██: 地上部の汚染レベル低下が確認された為、復興計画が立案中です。人類社会を再興するためのプロトコル-カントリーロードが発令されました。これにより各サイトのロックダウンが解除され地上への帰還が行われます。

説明: SCP-2001-JPは第三次世界大戦によって崩壊した人類文明の記録です。記録は2098年の第三次世界大戦の勃発までに財団が収集し蓄積した記録及び2099年までに正常性維持連絡会によって編纂された全ての情報を指し物理媒体(以後SCP-2001-JP-1)、電子情報(SCP-2001-JP-2)、ミーム媒体(SCP-2001-JP-3)の形で残存する各サイトに割り当てられています。割り当てはサイトの備蓄や生産機能、生存する職員、収容されているオブジェクトによって決定されています。

SCP-2001-JPを異常存在として収容とするきっかけは一つのオブジェクトの観測記録でした。2042年、サイト-17にSCP-1023として収容されていた観測装置により破滅の未来予測を受けました。これは核攻撃による世界同時多発的な爆発を予期しており同様の機器により観測データを受けたマーシャル・カーター&ダーク株式会社より破滅的な危機を回避するためのプランについて打診を受けました。

マーシャル・カーター&ダーク株式会社との会談において財団は危機回避に失敗した際の次善策としての復興計画と資金提供の提案を受けましたが、慎重な検討のうえ協力の打診については破棄することとなり、財団は独自に非異常性の破壊によって人類文明が破壊された際の復興計画を行う事が決定されました。当時老朽化を原因に廃棄が決定していたフランスのタヴェルニー空軍基地、ヤマンタウ山のロシア連邦軍保有の軍事シェルターを中心にユーラシア大陸を結ぶ地下通信網が築かれました。

SCP-2001-JPはかつての世界では異常と考えられるものではありません。人々が当たり前のように生き、日々の暮らしを享受するために積み重ねられた営みの記録であり、人々が積み重ねた技術や文化の足跡です。しかし第三次世界大戦の迫る現在の世界においてそれは伝説や伝承のそれであり、我々は正常性維持機関として世界をかつての世界へ回帰させる為の道しるべとして記録を残す必要があると考えられ、SCP-2001-JPの収容が開始されました。

下記は当時のロシア統合司令部における予算委員会での関連議事録からの抜粋です。この時獲得された予算によって設立された対策委員会が後の正常性維持連絡会となり、現在のSCP-2001-JPの収容における基幹となりました。

補遺SCP-2001-JP.1: 2098年10月、想定より6ヵ月ほど遅れる形で第三次世界大戦の開始が確認されました。発端は中東国家通商連合と欧米諸国との経済戦争の過熱によるものであり、ロシア政府による仲介やMC&D社による経済工作などの平和的解決の試みの失敗の後に中東国家通商連合による同時多発的な汚い爆弾1による都市攻撃が行われました。結果的に被害を受けたNATOおよびインド、中国による中東への軍事侵攻が行われ開戦から3か月後の2099年1月、双方は核攻撃による大規模破壊という結末に終わり、かつての人類文明は終焉を迎えました。

以後財団は2045年に取得したフランスの対核機能を備えた西方広域司令部であるタヴェルニー空軍基地およびロシア、ウラル山脈に位置するヤマンタウ地下施設群の東方広域司令部の2か所を中心に情報連結を行いSCP-2001-JPの本格的な収容を開始しました。

補遺SCP-2001-JP.2: 事前発令した封緘命令に基づき、各地で無線監視や小規模の観測隊による調査を行った各サイトの献身的な活動により核攻撃後の地上部において残存する人類勢力及び収容違反したオブジェクトを観測する事に成功しました。下記にその一部を抜粋します。完全な情報へのアクセスを希望する場合は東西いずれかの広域司令部の認可を受ける必要があります。

機動部隊Й-11「無毒の蛇」の献身的な作戦行動により財団保有の通信衛星はほぼ完全な状態で残存、現在も機能している事が確認されました。この際に国際宇宙ステーションISS2およびISS3と地球外における財団の有人宇宙ステーション「トリグラフ」の協力体制が確立され、現行リソースの共有が行われている旨が報告されています。

補遺SCP-2001-JP.3: 財団保有の通信衛星とのリンクが復旧したことによりユーラシア大陸外に位置する各国の残存サイトの一部との情報連結が再開されました。これによりアフリカ大陸、オーストラリア、日本、および国際海域上に設立された洋上サイト群による現在の”世界”が浮き彫りになりました。残存サイトについての情報にアクセスを行うには東西いずれかの広域司令部の許可が必要です。下記は広域司令部の許可なしに閲覧可能な概要となります。

補遺SCP-2001-JP.4: 核攻撃後、ISS3により断続的に行われていた地上との通信の試みにより今もなお継続して維持されている文明的勢力との接触に成功しました。当該勢力とは継続的な通信による交流が持たれる事が決定されましたが、一方で周辺地域の汚染状況を鑑みて物理的な接触は保留されています。

補遺SCP-2001-JP.5: タヴェルニー空軍基地において施設の経年劣化が要因とされる施設外部からの重篤な汚染が確認されました。当該ブロックは隔離の後放棄され安全が確保されたものの備蓄物資に大きな損害が出ています。これに伴いヤマンタウ地下施設群にて生産された物資の輸送計画が立ちあげられ安全な輸送ルート確立のため機動部隊による長期遠征が行われました。下記はヤマンタウ地下施設群よりタヴェルニー空軍基地までの輸送ルートの確立に成功した際の遠征隊の記録です。

当該遠征任務のデブリーフィングについては別紙「完遂報告書-2102-長距離遠征部隊ベータ-1”ベイヤード”」を参照してください。

補遺SCP-2001-JP.6: 東西の広域司令部への陸上輸送路が確立されたことをきっかけにユーラシア大陸および地中海沿岸に存在する各国サイトへの広域補給計画が立案され、段階的に実行されました。これに伴いバチカンやモンテネグロ、NATO軍残党を中心とした残存人類文明との限定的な交流が開始されました。

補遺SCP-2001-JP.7: ISSからの地上世界の汚染観測データと各地のサイトで行われている環境モニタリングデータの数値を総合的に精査した結果、地上部の汚染レベルが人間が生活する事が可能なレベルまで低下したことが確認されました。これにより人類文明を再び取り戻すための復興計画が立案中です。O5評議会による議論および投票の末、人類社会を再興するためのプロトコル-カントリーロードが発令されました。これにより各サイトのロックダウンが解除され地上への帰還が行われます。下記は正常性維持連絡会およびO5司令部の共同名義で世界に発せられた声明文のコピーです。

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