████████, ██████にある██████精製所に隠されている武装サイト-47
アイテム番号: SCP-2003
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-2003は武装サイト-47、タイプ4制限ゾーンに収容されています。タイプ4規約に従い、SCP-2003の研究、保安、維持管理を担当する職員は拡張身辺調査手順とホイバーグ-カザワ因果質問調査を受けることになっています。SCP-2003自体への出入りはサイト-47管理官の事前の許可の下、XN-指導者計画の参加者に限られています。
確定事象、確率上昇事象、指定拡大者、XN-指導者計画の全情報は機密とし、アクセスはサイト-47管理官、O5-7、SCP-2003保安規約に記される職員にのみ限られます。
確定事象XN要因より指定された指針データの大きな逸脱が確認された場合、サイト-47管理官に即座に報告し、Level5"実存的脅威"非常事態反応事象としてみなされます。
説明: SCP-2003は主流科学によって理解されている時空間の通常な推移の中で、ある程度の期間の未来に先立って行き来することのできる装置です。SCP-2003はSCP-████、SCP-███、SCP-████の研究に由来する技術を使い、25年の期間を超えて財団によって設計、建築されました。SCP-2003の技術的能力と設計仕様は必要に応じ十分に記録、複写されていますが、機能に基づく科学的根拠及び異常性は現在理解できていません。
起動と同時に、SCP-2003は中央容器に収容されている生命体を物理空間上の現在位置から、その延長線上にある未来の時間における位置へと移動させます。被験体が移動する時間量はSCP-2003に入力されたエネルギー量に関係します。3500kWhではおよその推定で対象を7ヶ月先の未来へと送ると記録されました。しかし、この関係性はより高いエネルギーレベルでは予測できなくなります。
SCP-2003を使用している被験体は元の時間と現在の位置の境界点に自発的に戻るまで、15から38週の範囲で変動する時間の中に存在します。安全のため、被験体が元の時間に戻るのを待つ間、安全箇所が運転中に確立されます。運転はSCP-2003起動後98日の体験を報告しなければなりません。
SCP-2003は生きた被験体を年代移動させることができますが、稼働過程においてほとんどの種の動物及び植物の組織に重大な損傷を与えます。唯一の例外は動物の神経系に関する組織であると実証されました。この結果を受け、SCP-2003移動に指定された職員は、相応の準備をしなければなりません (詳細は追加文書を参照) 。
現在の状況での実験において、SCP-2003は2348年12月までは財団制御下で機能を残していることが示されました。
付録2003-A: SCP-2003研究の全体的な結果
SCP-2003の最初の配備は1995年に始まり、職員が将来の状況と出来事を観察できるように修正されました。これら配備の目的はSCP-2003を利用した移動の性質の確認と、可能であれば財団がよりよく将来の異常現象のデータ収集を簡易にする為でした。この最初の調査任務の結果は将来観察される出来事を理解するためのいくつかの重大な素因を示しました。
SCP-2003を用いて得られたデータは不正確です。初期の調査任務では将来で起きたかのように見える出来事に関する夥しい量のデータが得られました。しかし、その後の観察で、これらの観察は全てを予測するわけではないことが確認されました。例として、財団資産が集めたデータは1997年のサイト-19でのSCP-███の重大保安違反を防止できた一方、1999年のアメリカ西海岸沖 (SCP-2003を用いた実地エージェント数人が直接観察済) が発生源の破壊的地震の予報には失敗しました。より多くのデータを集めた上でのメタアナリシスは観察結果を適切に解釈可能で、将来起こり得る重大事象を対象としました。
特定の個人が因果律に不相応な影響を及ぼすようです。財団の将来起こり得る事象の一覧が多くの調査任務の完了後に増加したため、特定の事象は財団の任務に相応しく無いと判断されました。初期のこれら事象に影響を与える試みは様々な結果を及ぼしました。一部個人の取り扱い及び排除で任務目標を達成する一方、その他の事象に影響を与える財団の試みとして数人の重要と思われる人物を粛清しても一切結果を変えることができませんでした。メタアナリシスは場合によって重大な事象と関連が見られない個人の行動 (またはまさしく存在) が、時折数千km離れた場所でこれら事象に対し即座に重大な影響を与えると確定しました。この発見以降、研究職員はこれら個人のデータベースを維持することにしました。
僅かしかない凝り固まった"未来"は、都合の良い人類存続を許しません。観察された状況がそれぞれ任務調査で変化する傾向を示す一方、いくつかの大雑把に一致した"予定"が観察され、確定事象として財団データベースに一覧化されました。殆どの確定事象は地球が人間文明 (場合によっては全生命体) にとって相応しくない状態に、または殆どの人類の健康に対して直接的に有害な状況に陥る総体的な未来から成ります。長期生存シナリオが相対的に少ない理由は、もしあるとするならば現在は不明であり、財団全体で記録される異常現象の観察が着実に増加している事の接点も判明していません。
付録2003-B: 使用に必要な職員の準備
SCP-2003の人体構造に与える性質により、生存して任務目標を実行できる能力に適した状態で職員を年代移動させるための必要な装備を施すため、特別な調整を行わなければなりません。SCP-2003任務中に必要な仕事は繊細な性質の為、D-クラスは不適当な対象とみなされました。
プロトタイプXX890-V・LFOシステムは"ビッグドッグ"として財団が所有するボストン・ダイナミクスによって機密に開発されました。
適切なSCP-2003被験体募集は公式定年に近いまたは過ぎた職員に実施されます。神経または脳脊髄機能に損害がなく、末期の病気であると診断された職員も条件に満たされます。SCP-2003時間移動を志願する職員は任務の間は段階Ⅵ賃金として扱われます。生存者は通常の機密経路を通じ上昇福利厚生配給の権利が与えられます。
装備の前に、選出された職員は集中的な感覚遮断訓練を受け、同時にXX8890-V生命機能及び観測システム (LFO) への搭乗状況を再現したシミュレーション環境で訓練を行います。この期間中、職員は医療職員の監督の下で抗鬱及び抗精神病予防処置を受けなければなりません。
訓練療法終了後、職員は全ての脳組織、神経、関連する神経系構造を取り外し、XX890-V・LFOシステムに移植します。利用可能な全臓器は医学規約に則り、その後回収されます。
現在の指針ではXX890-V・LFOシステムと搭乗者はSCP-2003の使用を4回まで許可されています。任務に従事していない間、職員は昏睡状態で維持され、同時にXX890-V・LFO搭乗者から興奮と混乱の通信とフィードバックが始まるまでの平均18ヶ月で研究を確立します。
XX890-V・LFOシステムの性質は機密を維持し、アクセスは上級職員のみ可能です。
付録2003-C: XN-指導者計画の要旨
覚書
宛先: 武装サイト-47管理官██-███ ████████
差出人: O5-7
返信: 確定事象XN
██-███,
この時点で、SCP-2003を使用した未来への干渉の全試験は事実上機会と範囲を制限された。この接近においてある知恵を考えた。慎重な非常事態計画と危険/利点評価で知らされることになっている。
しかし、報告の最後の18ヶ月には我々に十分果敢に主導権を握る見込みがある。ここに解決を見いだせたかもしれない。
そう価値がある。常に価値が有るのだ。君もよく知っている通り。
このメモを方針の公式変更だと考えてくれ。現在、全干渉試験はXNの発生と保護を目的としている。XNを担当とする指定拡大者はその他全ての優先事項の費用で不当な干渉から保護する。特にヌル・ディアニュは殆どの観察結果で示された方法で死亡させて構わない。この点において少しでも変化があれば、我々で実行する。
君は我々がこちら側に進行することになった残りの確定事象について十分に理解していと確信しているよ。
もう1つ。全ての、そう全てのサイト-47の外部との通信は公開し、私のオフィスを経由するように。
- █████
付録2003-D: 既知の確定事象一覧
望ましい選択:
呼称 |
概要 |
メモ |
XN |
現在支持される現実です。社会は確立された財団予測に沿って経済トレンド、環境要因、社会情勢を変化させます。異常現象は殆ど現在と同じ比率で現れ続けます。83345ムーア、直径22kmの事前に探知されていなかった小惑星が2349年1月に地球と衝突し、大部分の人類を即座に死滅させ、人類の生存に適さない惑星に変えるまで、合意を経た現実は正常に維持されます。 |
付録2003-Cを参照してください。 |
その他の確定事象:
呼称 |
概要 |
メモ |
XB |
社会の発展は2017年4月23日にHD188753付近から飛来したガンマ線バーストが直接地球に降り注ぐまでXNと類似して続きます。バーストは2分38秒間続き、既知の全生命を死滅させます。 |
ガンマ線バースト時にこのシナリオを直接観察した研究員███はこの事象での唯一の既知の生命の生存者であり、52日後に彼が帰還するまでデータが集められました。高放射線環境でのXX890-V・LFOシステム使用に関わる研究は保留されています。 |
XE |
2049年にウィリアム・エントウィッセル卿がニュージランド首相に当選し、同じ日にトルクメニスタン国アハル州で名も無い幼い男児が誕生した事は事象の連鎖反応を引き起こし、2058年のイスラエルとインドネシア間の核戦争による社会破壊事件まで発展します。両個人に干渉する財団の全ての試みは核戦争発生の日付を早める結果に終わりました。 |
この事象の全順列において、財団にまつわる公への認識の拡散が核兵器の起爆までのちょうど86日前に発生します。 |
XH |
全世界で約14億人を死亡させることになる高毒性インフルエンザの流行が始まったため、2023から2034年の間に各国政府は国際協調の度合いを抜本的に高めました。2040年代から2050年代を通じ、長年の民族紛争は多国間組織の介入により解決し、アフリカ大陸サハラ以南とインド亜大陸の特定地方の貧困と飢えはかなり減少、大規模な海面上昇軽減計画は沿岸地方で完遂します。2059年7月29日、地球上の全人口は既知のあらゆる動物と共に自然と消え去り、観察期間中には復帰が確認されませんでした。 |
N/A |
XJ |
2011年4月1日、SCP-███収容以前からその責を負っていた研究員の1人であるマサコ・コイズミ博士の正確な複製体であると後に確認される実体が武装サイト-47の保安境界線内に現れます。実体は施設内のどこかにいるコイズミ博士の予定された安楽死を即座に中止してほしいと要請します。収容確立時にSCP-███は機能しておらず、実体がこの要請を出来た方法は不明であり、将来において生じると推定されます。しかし、K-安全対策規約十二条の締結により、この要請は財団職員では応じることが出来ず、アルファ-8型時間パラドックスにつながります。この一連の事象は無数の実体により繰り返され、最終的に人類が理解する時空間の崩壊を引き起こします。 |
このシナリオは職員がコイズミ博士の複製体を鎮静し、XX890-V・LFOプラットフォームへと乗せ、SCP-2003の利用可能な全エネルギーを使って輸送することで最終的に回避されました。この行動による時間的混乱は不明ですが、2349年までは顕在しません。 |
XO |
異常現象の頻度が2037年から極端に増加し始めます。財団は2039年までに合意を得た世界を保護する力を完全に失い、世界文明は混沌と大変動の時代を迎えます。数百万人が自然発生の暴動で死亡し、集団自殺が世界中で当たり前のものとなります。多数の救世主的宗教の動向が加速し、大規模な内紛と戦争に繋がります。2040年代中頃、いくつかの宗派と中央政府の生き残りが多様な異常現象を兵器化に成功し、2048年にはサイト-104に避難した少数の集団を除き人類は絶滅します。この集団との全ての接触はサイト-104のK棟部発見時には失われています。 |
このシナリオでは、異常現象の開かれた性質によりエージェント██████が公然と妨げられることもなく任務を実行できたがために、収集されたデータは確定事象の中で最も包括的です。 |
XR |
2015年、財団職員によって長らく約500体と見積もられていたHomo ignotusの人口が、一晩で800万体に増加します。短く、激しい紛争が財団の連合軍とH. ignotusとの間で発生し、全ての抵抗手段が新しく優位種になったH. ignotusによって3日以内に組織的に破壊されます。人類はその後████████████████████████████████████████。現在、研究員の間ではこの確定事象が既知のH. ignotusの意図を予測できるかについて意見が別れており、"██████████████"と"████████████████████████████"の説が最も支持されています。 |
[データ削除済] |
XS |
確定事象XSは2019年の特定できない日に武装サイト-47とSCP-2003に関する全情報が財団から消えるまでXNと類似した発展をします。研究員███████は2022年の観察任務中にXS版財団によって拘束され、彼女が帰還するまでSCP分類現象とされました。次の観察任務開始時、研究員███████は入場地点でXS財団職員によって拘束され、回収可能なデータも無く、また脳組織の一部が除去された状態で戻りました。確定事象XSに関する更なる詳細情報は利用できません。 |
[LEVEL4セキュリティアクセスのみ] |
XU |
2026年2月17日、あらゆる天文学上のモデルと古典力学及び量子力学の理解に反し、重力崩壊を引き起こすための一般に理解されている質量閾値に達することなく太陽は突然ブラックホールと化します。太陽系の地球とその他惑星は殆ど直ちに摂氏約-270度にまで冷却し、その他の全生命が死滅したにも関わらず、人類は死ぬことができず、継続した生物学的機能と殆どの分子運動が完全に停止したにも関わらず、意識を維持します。 |
この確定事象は前確定事象XTの一部でした。XTは1つの全体主義体制が汎惑星的な統制を想定して、様々な"破壊分子"組織の排除を目指す未来であり、その攻撃は特に財団職員に集中しました。財団職員は韓国出身の3人の特定個人を軌道上の国際宇宙ステーションに送ることで回避を試みました。結果XUが発生しました。 |
XW |
2019年8月13日、強化され人型になり生命を持ったSCP-███が最も人口の多い中心地に現れました。恐れを呼ぶよりもむしろ、医療、科学、エネルギー生産、耕作技術、芸術について重大な先進技術を提供した後、これらの存在は急速に人類に受け入れられます。2022年末までに、数千人の人々が複数の人間の意識を単一の存在に結合させる実験計画に積極的に加わります。2024年、およそ134,000人の転写された意識から成る精神を備えたと推定される完全に成熟した一人の人間がこれらの存在によって作られます。それから、この人間は独房に閉じ込められ、自動的に食料と水が供給される事を除いて全ての外部からの接触を絶たれます。その他全ての人間は2024年内に組織的に抹殺されます。 |
確定事象XWを観察するために送られた最後の2人の人員 (エージェント・█████████と██研究員) は元の時間に戻ることに失敗し、現在MIAとして記録されています。 |
XX |
観察された時系列では未確認、未発見の原生生物(財団研究員によりNephroisospora araneaeとして指定)が、殆どの水環境で適合し生存できるように最近進化した為、幾何級数な個体数増加を発生させました。 N. araneaeは人間の神経組織に移動、生存すると、人間にPhoneutria nigriventer (フォニュートリア・ドクシボグモ)に対する偏執的愛着心を持たせるトキソプラズマ症に似た混乱をもたらし始めます。2028年には人口のほぼ85%が感染し、殆どの社会資源はP. nigriventerの保護と繁殖に使われました。非感染の個人は拘束され、その殆どは種の追加の食料源としてP. nigriventer飼育施設に埋められました。他に類のない世界規模の蜘蛛の個体数の繁殖と保護により、収穫不作と基盤荒廃が全体的に拡大し、2030年代には世界的な飢饉により約60億人が死亡します。 |
広範囲にN. araneaeが増加した事また病原体としての機能の性質を持つ事になった異常原因を研究中です。 |
XZ |
地球は完全に無人になりました。かつて主要な都市だった全ての場所の中心に、みずへび座超銀河団近辺の何処かであると事後分析により判明した場所へ通じる、瞬間的に天文学的な距離を移動可能な巨大施設が建設されていました。後続の観察者達はこれらの施設への進入を認められ、機能している人間文明が存在する、地球に類似した生物群系のある惑星へと転送されたようです。転送された観察者はその都度、この惑星の住民に直ちに発見されました。住民は観察者とのコミュニケーションを控える一方、各観察者はその後に、公共事業による巨大な施設群、モニュメント、博物館やその他文化的に重要な場を含む、この惑星上で遭遇した社会における選りすぐられた場所を案内されました。みずへび座超銀河団で遭遇した人間文明は明らかに現代よりも進歩しており、現行社会へ悪影響を及ぼしている最も確認されやすい要素の大部分を欠いています。この文明はこれまでのところ観察の範囲を超えて存続しており、人類の生存が続いていることを示しています。 |
XN-指導者の下、更なる調査が認可されました。望ましい選択についての再評価が保留中です。 |