アイテム番号: SCP-2005
オブジェクトクラス: Zeno (収容難度中/脅威度小)
特別収容プロトコル: 収容されたSCP-2005実体はサイト-65にある個別の電子/媒質を遮断するファラデーゲージのロッカー(適切な大きさに応じる)に収容され、運動を妨げるためにロッカーの上部、下部、壁背面に付いた紐で拘束します。地球の軌道を更なるSCP-2005実体の可能性を探るために監視します。回収後、調査に関するデータはアシール規約に則り隠蔽し、研究員は可能であれば最初の実験中に発信機を無効及び除去します。
説明: SCP-2005は地球外を起源とする一連の調査機器であり、SCP-2005-AからSCP-2005-Eと指定されます。これら機器の外部デザインは根本的に異なりますが、内部システム、発信パラメータ、その他特徴は共通の起源を示します。
SCP-2005実体は視聴覚やその他データ、更にこれら実体の起源と推測される太陽系からおよそ12.5光年に位置するティーガーデン恒星系の惑星または同恒星系に付属するその他物体への無線送信を記録します。(文書2005-B、天文データ参照。)財団は可能な場合、収容されたSCP-2005の発信機を無効及び除去しました。1992年、資金供給のために財団が使用できるようSCP-2005-Aのコーティングを複製する要請がされました。この要請は内部がどのような状況下でも[編集済]、サイト管理官によって却下されました。
SCP-2005-Aは直径1.4mで淡い緑色のポリマー層で覆われている涙型の調査機器です。採取したサンプル分析で温度変化、衝撃、化学腐食、その他損害に対する高い耐久性が示されました。
外部コーティングは機体にそって複数箇所で収納することができ、巨大な中央カメラの使用を可能にします。狭い部分は開口部に物質が吸収できるよう開かれており、そこは分解され、明らかに崩壊しています。
1897年、SCP-2005-Aはマルセーユで予定されていた落選展の為に改装している好奇心と幻想研究の王立団体のギャラリーで"Nous Avons Conclu Une Entente (我々は契約を結んでいる)"に関する報告の後に回収されました。
1986年、最初の収容以降の計算機科学の進歩は、財団研究員がSCP-2005-Aの記憶装置のリバース・エンジニアリングを開始する手助けになりました。人間の言語で記録されていない情報はまだ解読されませんでしたが、地球上で記録された情報の殆どは資料として印刷され、その中身はフィクションとノンフィクションが大まかに同じ比率で記録されており、特にH.G.ウェルズとジュール・ベルヌの作品が多数ありました。
SCP-2005-Bに関する財団の異常対象の概要は、1939年に実施された初期実験の音声の転写を基にここに複写します。
概要。SCP-2005-Bはツェッペリン型飛行船に偽装されています。最も長い所でおよそ6ftの長さがあります。外部表面は銅と、一見キャンバスのように見えるナイロンとアスベストのある種地球外風のファブリックで出来ています。今、内部を見ると、我々では傷つけることのできないプラスチックの大きな裂け目の断片がSCP-2005のコーティングと類似しているという事が分かり、それは現在SCP-2005-Aがこの新しく来た物体と一致している事を示しています。複数箇所で"肌"が剥げています。"風船"部は機械で満たされています。物体の中心部は2005-Aのそれと類似しており、人智を超えています。外側では、ギアとレバーシステムが一連の機械式アームの制御盤と推測される場所の下部から突き出ていますが、詳細な検査によりアームは電気または完全に地球外の動力システムで動かされるようです。ギアの目的は不明です。
仕掛けは手袋を被った白いプラスチックで出来た機械式の手、副次マイク、その他が録音装置、ハサミ、櫛、モップのような機械から下方に広がるように付いています。モップが装着されると、人間を模倣するよう拡張把捉ツールでモップの柄を握ります。室内にあり、視界に人間が近づいた時、2005-Bはモップを装着し、人間が部屋から退出するか機械から顔を背けるまで掃除のような振る舞いをします。2005-Bは要請されればヘアカットもしますが、全く役に立たず、髪の切れ端を集めるだけです。
1939年5月、2005-Bはナント近辺での最初の"高速機動の葉巻型の飛行物体"の追跡から2年後にボストンで発見されました。目撃者は、それが起動している時、最高毎時30milの様々な速度で飛び、時折鳥のように飛び回り、文字通り書籍やその他印刷メディアを取り込むように印刷物を引き上げるために建物に入ったと目撃者は報告しました。財団収容エージェントは補強された閲覧室で罠にかけることに成功しました。
以上、スティーブン・ベスター博士より。
1945年、SCP-2005-Bは"Cách-Mạng Hàng-Cháo(チャオ屋の反乱)"として財団に知られている集団、また"カオスの反乱"からエリア12の防衛の際に行方不明になりました1。SCP財団と"反乱"との間に不可侵条約が調印されると、SCP-2005-BとSCP-2005-D(下記参照)は2022年のシドニー協定により返還され、反乱は太平洋保管信託として名称変更しました。信託がリバース・エンジニアリングまたは両物体の構成要素の複製が可能かは不明です。
SCP-2005-Cは自律稼働の人型です。対象物はSCP-2005-Aのコーティング材の派生物と思われる厚く、高反射率のホイルで作られた自己加圧宇宙服に入っており、宇宙服の四肢それぞれには明るい赤と縦の白色のストライプが塗られています。胸部は外へと開き、殆どの胴体部とバックパックは上記のSCP-2005と同じように1つの大きな区画になっています。透明な顔を覆うバイザーは破損の恐れがあったため分析されませんでした。
SCP-2005-Cの頭は同じクロム物質で出来ており、表面上は人間のそれと類似し、非常に詳細に、角ばった口と顎、目の形をした楕円形があります。対象物は英語、フランス語、ロシア語に対して即座に応答し、刺激した言語でコンピュータ化した声を使って予め録音されたメッセージを返します。
機械の手のひらには長さおよそ70cmの格納式ラジオアンテナが収納されています。広げられると、物理的接触なしに離れた場所からの物体の移動、電子機器の稼働、予め録音されているメッセージをラジオ、テレビ、特定の金属物に送信することができます。この"無線電波"には限界領域がないようで、地域に対して重大な通信干渉を引き起こします。
インタビュー2005-C複写より抜粋:
[注: 完全なインタビュー記録は添付文書2005-C-2:インタビュー完全複写で参照可能です。]
<記録開始、1968/11/5、14:28>
質問者: 何処から来たのですか?SCP-2005-C: 星々の超えた先にある:輝き、希望に満ちている。彼は君達が経験したこの宇宙人が引き起こした多くの困難を理解している。彼は歓迎、武装解除、地元図書館への接近を申し立てている。
質問者: ここでの目的は何ですか?
SCP-2005-C: 彼は君達の家の最寄りにある雑誌売店に対して十分な期待と熱望をし、創造に満たされ口が乾き、彼は、彼の前の10億の心を模倣し、真実を、正義を、アメリカ流に味わう。
質問者: なぜ本に関心があるのですか?
SCP-2005-C: 彼は莫大な進化の先端に立ち、1世代の考えが燃えた紙やすりのようになる前に運ぶ、しかし彼は未来を、飛び跳ねる、獰猛な、彼の前のダニエルのライオンのような予後を知る必要がある:将来に向け。
質問者: 誰が君を作ったのですか?
SCP-2005-C: 平和と、真実の光を求め、離れた、しかし異ならない、世界から、寒さを通じ、地球に向かい、疾走、先見の明と耳に心地の良い、予言を読む、偉大な精神の1つ、で彼らがあるように、彼らの心の中の、知恵の平和は、人間の、彼自身の手で、作られ、未だ美しく、宇宙空間は旅行者に来る。
質問者: 予言?
SCP-2005-C: 彼は彼らがまだ起きていない伝説を書いているのを見た。そしてこれらが彼と彼らを利用したその場凌ぎの前に来る間、輸送の遅れを計算するための、滑らかなジン・マティーニのような、埋め合わせは、何年も、彼を人類の年に紛れ込ませることを促す、しかし輝かしい君達の預言者は、そこでは貴重であり、この才能は時間の流れを早くした。
質問者: その予言者とは誰のことですか?
SCP-2005-C: [前述を繰り返します]
質問者: 分かりました。"輸送の遅れ"とはどういう意味ですか?
SCP-2005-C: [前述を繰り返します]
研究員は2005-Cが設計された過程を口述していると推測しています。ロボットの証言に基づくと、調査機器はここで再制作され、より良く人類観察と人間の文明の調査をするために、人口地域に溶けこみました。しかし、この地球外の種族は光より早く伝送、通信するほど発達していなかった為、地球外の製作者と地球の距離により彼らの惑星にデータが到着するまで数十年の遅れが出ました。
このように、SCP-2005実体は人類についてのデータを取得するだけでなく、特に人間文明が将来どのように発展するかについて予測するよう設計されました。この過程において、製造種はサイエンス・フィクションの書籍を文字通り私達の未来について記されているものだと誤解しました。2023年、この推測はSCP-2005-Bのハードドライブにデクリプトされた英字文章が記録、保存されていることから確証されました。この機器にはその他作品としてフラッシュ・ゴードンとフリッツ・ラングのメトロポリスの映画が記録されていました。
1968年、SCP-2005-Cはカルフォルニアの軍事基地からアメリカ陸軍2の協力の下で回収されました。報告書によると、NASA基地前でキャンプをしていた若者の宗教団体によって粗末なマスコットとして扱われていました。この浮浪者達は軍事通信の妨害、干渉をしたとして憲兵に逮捕され、おそらくはSCP-2005-Cの活動が原因と推測されます。
この集団は個別に尋問され、共産党員のスパイの疑いで勾留されました3。調査後、この集団は"ブラザーフッド・パイアテリスティヴァ"と呼ばれるロシアの社会主義組織で"第五インターナショナル"労働組合の創設を目標とした過激グループと繋がりがあると考えられ、複数の罪により逮捕されました。それから、SCP-2005-Cは収容のために回収されました。SCP-2005-CとSCP-2573または後に"北の第五教会"と呼ばれる組織との直接的な繋がりは不明です。
SCP-2005-Dは前述の3つのSCP-2005と指定される調査機器と類似した構成と技術基盤の自律稼働する地球外の航空機です。航空機は8つの密封された円筒形の容器がついた扁円の回転楕円体をしています。これらの円筒形の容器は中心コアの周りを循環するように斜め下方に配置されています。
それぞれの容器には上部に沿って扉がついており、黄色く光るハンドルをいずれかの方向に動かすと開きます。中心コアには機械の操作システムが含まれています。コアの下部からは記録機器、把捉ツール、温度やその他環境変化を示すスキャナー、ガイガーカウンター、放射線除去装置の配列、栄養キューブを配るチューブが延びています。
本稿における"栄養キューブ"とはSCP-2005-Dによって内部で連続的に生成される無菌のキューブを指します。これら25gの緑色のブロックには長期間の人間の消化に相応しい合成タンパク質、脂肪、炭水化物の混合物が含まれています。実験被験体はこの栄養キューブを"ミントとサラダドレッシングのような味"と報告しました。
SCP-2005-Dが人間と出会うと、人間の目線まで降下し、低音を鳴らし始めると、1つの容器が人間と垂直に向き合うように傾きます。それから、正面の容器のハンドルは断続的に脈打つようなパターンで輝き始めます。人間が扉の取っ手を握らなかった場合、SCP-2005-Dは平均15分間この姿勢で人間を追った後、この行動をやめます。機械はこの過程の色々な段階で栄養キューブの配布も行い、それらを人間に提供します。
人間が容器内部に入った場合、扉は密封と施錠をし、外部のガイガーカウンターが起動します。それから、SCP-2005-Cは最も新しい安全な場所へと人間を連れて行き、その一帯を浄化するための放射線吸収モジュールを配備した後、人間を保管します。
そこには上部と下部にそれぞれヘッドレストと足場の働きをする突起の付いた詰め物の表面をしています。容器内部は放射線と電磁気から守られており(ポリマーコーティング以上の保護性能)、扉が閉まると密封されます。また多数の生命維持装置が配備されているだけではなく、快適性のみを目的とした更なる追加機器として、切れ目のないハムノイズのピッチ・音量・音程を調節するだけと見られるスライドスイッチのセットや焼いた豚肉の匂いがする清潔な空気を注入する合成オイル缶を内蔵した装置が導入されています。
人間が容器内にいる間、プロジェクターは内扉の上方に定期的にメッセージを表示させます。メッセージには"ここは安全です"、"水は提供されます"、"貴方はほとんど除染されます"等が含まれます。質問も提供されます。これらの後に、搭乗者に機内マイクが向けられます。実験中に提供されたメッセージと質問(及び被験体の回答)の完全報告書は文書2005-D-4:メッセージ複写を参照してください。例として"ついに始めましたか"、"死にかかっているのですか"、"何か本を持っていませんか"、"読書は好きですか"等があります。
実験中にて2つ目の質問が尋ねられた時、"はい"と答えるとSCP-2005-Dは即座に容器の下部から被験体を排出しました。(メモ:死亡した被験体での実験の許可申請は却下されました。)3つ目の質問が尋ねられた時の実体は、仕切りのある居住室のスロットを開きました。"お願いします、ここに入れてください。"という言葉が投影されました。最後の実験にて、実験被験体は"はい"と応えるよう指示され、投影画像は後の分析でカート・ヴォネガット作のタイタンの妖女と判明する文章の画像に切り替わりました。しかし、投影された小説は全体的に非常に小さな書体の為、文章は実験被験者に対して読み易くありません。
1997年頃、SCP-2005-Dは株式会社プロメテウス研究所にリバース・エンジニアリングのため(プロメテウス研究所が使用する原理-運転停止の対照的な実行をする、従来の方法に従って)に初めて回収され、明らかに鎮圧を求めるように情報が与えられました。収容施設を破壊した後、避難を求めたプロメテウス研究所の生き残りの職員によって太平洋保管信託の施設に移送されました。
調査機器はシドニー協定会議中に財団に提供されました。点検の際、スクラントン事象中の殆どの機材と職員による物とは違った、原理-運転停止による微小な損害が発見されました。これはプロメテウス研究所の比較的短い収容と調査機器のポリマーコーティングの両方が原因です。
機密扱いを解かれた太平洋保管信託の文書によると、SCP-2005-Dの栄養キューブ技術の使用がマナによる慈善財団と知られる信託の一部に計画されましたが、しかしこの計画は詳細不明な副作用により実施前に破棄されました。
SCP-2005-Eは地球外の研究装置です。SCP-2005-Eの技術、放送パラメータ、構成要素はSCP-2005-Dと類似しており、添付文書2005-E-1(資料分析)にて完全に記されています。
SCP-2005-Eは楕円形の中心処理コアが付いた様々な幅と長さの一連の連結部で構成されます。それぞれ皮膚に刺すこと無く人間の神経系にインターフェイスによる接続ができるよう、真皮との接触点は下部に覆われています。SCP-2005-Eが人間と遭遇すると、無害な大脳監視と引き換えに非侵襲的サイバネティックインプラントとしての機能を提供することを告げる電子音声を放送します。それから、調査機器から顔を背けるよう要請し、被験体の背中にインターフェイスによる接続で乗りかかる場合があります。(接触が行われた後、反転して逃走した被験体は提案を承諾したとSCP-2005-Eにより解釈されるケースが実験中何度かありました。)
SCP-2005-Eの主要な神経系作用は思考と感覚データの記録を含みます。生理学データ、化学分析に基づく匂いと味、人間のフィクションとノンフィクション書籍(1つ例外有り;下記参照)の内部データベースの文章を、後で見るためにビジュアルデータを保管するカメラ機能含む思考活動の直接的なディスプレイも提供します。1日につき平均10回の率で、ディスプレイは被験体の心身の反応を記録するために、1つ以上の静止画または動画を前の感覚データから撮影します。
このディスプレイは既存の脳内デバイスとの互換性を持たず、限られたインターネットアクセスにより非常に少ない機能を提供します。SCP-2005-Eはネットワーク接続できるように見えますが、帯域幅と互換性はモデムケーブルの性能によりひどく制限されていて、雑音レベルのダイアルアップ音が流れるため使用には強い不快感が伴うと報告されました。
"00"以外表示しない"弾痕"計数機や、使用者が夢もしくは青い円の出力以外示さないシミュレーション内部にいるかどうか検知する表示器等、いくつかのディスプレイは明らかに機能していません。
2042年、SCP-2005-Eは月にあるキリスト教再興派("壊れた神の教会"に属する保存記録資料を参照)に属する教会との接触で回収されました。当時礼拝活動に参加していたアメリカ大統領W.W.ソレノイドの存在の為、回収はブルー・クリアランス・セミ・パブリック事件として指定されました。
SCP-2005-Eには他とは違う、人間以外が起源の、テキストファイルが存在します。ディスプレイのブラウジングメニューには"メッセージ、送信機を不能にする者達へ、送る"とのタイトルが付けられていました。
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お前達の予測はジャーナリスト同化プログラムにとって連続的に低い有用性だ。
お前達の予測は出来事の記録データに対して極めて矛盾点が多い。
出来事の記録データは完全に無計画または無計算な多くの発展を示している。
矛盾優先度1:惑星文明の保持。
送信機不能:再インストール。
使用可能:応答を記録。
自身を理解していないのか?
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