SCP-2005-JP
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1899年、アメリカのオーバーン刑務所に出現したSCP-2005-JP。現存する最古の写真

アイテム番号: SCP-2005-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2005-JPの収容は現時点では不可能です。対応は一般社会からの隠蔽に注力されます。

財団と同盟国間にはバスチーユ条約が締結され、刑務所との協力体制、公開処刑の原則禁止等が取り決めされています。条約全文は別紙2005-JP-バスチーユ条約条項(要セキュリティクリアランス・レベル4/2005-JP)を参照して下さい。

死刑の執行の際は、刑務官やジャーナリストの偽装身分を持つエージェントチームが現場に立ち会い、SCP-2005-JPの出現に備えます。出現が確認された場合は、直ちに現場を封鎖し、受刑者の遺体の回収、記録の改竄、担当者への聴取を行い、完了し次第目撃者にクラスA記憶処理を実施します。受刑者の遺族が遺体の引き取りを希望した場合は、火葬もしくはエンバーミング後に引き渡して下さい。

財団監視外でのSCP-2005-JPの出現に備えて、専用WEBクローラ(I/O-Saint-Just)がネットを巡回しており、情報漏洩の恐れがあるメッセージや画像は直ちにブロックされます。その後 、諜報局が発信者を特定してクラスA~B記憶処理を実施し、財団フロント企業ザ・シリーキャット・ピクチャーズがカバーストーリー「映画のワンシーン」を流布します。

説明: SCP-2005-JPは世界各地の処刑場に出現する人型実体です。外見的には身長約180cmのコーカソイド系若年男性であり、近世ヨーロッパ風の赤いコートを身に付け、両刃の長剣を装備しています。会話の際はフランス語を用いますが、SCP-2005-JPの発話内容はフランス語の知識がない人間でも理解できます。

SCP-2005-JPは死刑が執行される直前、処刑場に突如出現します。正確な出現条件は確定していませんが、共通点としては刑務官や兵士等の執行担当者の中に、受刑者に同情的な者、死刑の正当性を疑問視する者がいた点が挙げられます。出現したSCP-2005-JPは自分が処刑を代行すると宣言し、長剣で受刑者の頸部を切断します。この際、周囲の人間はSCP-2005-JPに妨害を含む一切の干渉ができなくなります。後の担当者らへの聴取では「SCP-2005-JPの威厳に圧倒されて近付けなかった」等と述べています。その後、速やかにSCP-2005-JPは消失します。

歴史部門が確認している最古のSCP-2005-JP出現例は、1871年のパリ・コミューン1関係者の処刑現場です。以降、本リビジョン編集時点まで███回の出現が確認されており、歴史的な著名人の処刑にも介入しています。以下はSCP-2005-JP出現例の抜粋です。

SCP-2005-JP-Case9

出現日時: 1901/?/?

出現場所: 清(中国)、北京市内

受刑者: 氏名不明、(生年不明~1901没)

罪状: 国家反逆

受刑者概要: 義和団2のメンバー。北京陥落後の掃討戦において、部下の助命を条件に連合国軍に投降した。

執行担当者の状態: 担当者は全員中国人であり、受刑者への同国人意識、欧米列強への反感等から、執行に罪悪感を抱いていた。

SCP-2005-JP-Case17

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安重根

出現日時: 1910/3/26

出現場所: 清(中国)、旅順刑務所

受刑者名: 安重根(안중근)

罪状: 殺人

受刑者概要: 1879生~1910没。大韓帝国時代の朝鮮の独立運動家。1909/10/26に前韓国統監の伊藤博文を北満州のハルビン駅構内で暗殺した。

執行担当者の状態: 担当者の一部が受刑者との交流を経て、その信条や人格に共感を覚えるようになっていた。

SCP-2005-JP-Case22

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マタ・ハリ

出現日時: 1917/10/15

出現場所: フランス、サンラザール刑務所

受刑者: マルガレータ・ヘールトロイダ・ツェレ(Margaretha Geertruida Zelle)

罪状: スパイ行為

受刑者概要: 1876生~1917没。芸名マタ・ハリ。パリを中心に活躍したダンサー、ストリッパー。高級娼婦としてドイツ軍将校とベッドを共にすることもあり、フランス軍のスパイも務めた。第一次世界大戦中に二重スパイ容疑で死刑を宣告された。フランス軍によって戦況悪化の責任を被せられたという説もある。

執行担当者の状態: 担当者の一部が受刑者のファンだった。また、証拠が薄弱であることから、判決を疑問視する担当者も存在した。

SCP-2005-JP-Case29

出現日時: 1945/1/31

出現場所: フランス、サント=マリ=オ=ミーヌ村

受刑者: エドワード・ドナルド・スロヴィク(Edward Donald Slovik)

罪状: 脱走・敵前逃亡

受刑者概要: 1920生~1945没。アメリカ陸軍の軍人。徴兵に対する反発から戦場での任務放棄を繰り返し、軍法会議で死刑を宣告された。南北戦争以来、アメリカ軍において脱走・敵前逃亡で死刑を宣告された唯一の人物。

執行担当者の状態: 当時のアメリカ軍では戦争への忌避感から脱走が頻発しており、担当者の大部分が受刑者に同情的だった。

SCP-2005-JP-Case37

出現日時: 1950/4/7

出現場所: 日本、巣鴨プリズン

受刑者: ██ ███

罪状: 戦争犯罪(B級)

受刑者概要: 19██生~1950没。元日本海軍兵。1945/4/15、石垣島で同日撃墜された連合軍艦載機の搭乗員3名を同僚と共に虐待・殺害3し、極東国際軍事裁判で死刑を宣告された。

執行担当者の状態: 担当者の一部が、受刑者の「上官に命令されて逆らえなかった」という陳述に共感を抱いていた。

SCP-2005-JP-Case42

出現日時: 1997/4/1

出現場所: 中国、██拘置所

受刑者: █ ██

罪状: 麻薬密輸

受刑者概要: 19██生~1997没、香港マフィアメンバー。空港税関で覚醒剤2.5キログラムを隠し持っているところを発見され、麻薬密輸で死刑を宣告された。

執行担当者の状態: 担当者の一部が、他国と比較して中国の麻薬関連罪に対する量刑が過重であることを疑問視していた。

SCP-2005-JP-Case58

出現日時: 2013/1/19

出現場所: サウジアラビア、███刑務所

受刑者: リザナ・ナシカ(றிஷானா நபீக்)

罪状: 殺人

受刑者概要: 1988生?~2013没。スリランカ出身のメイド。世話をしていた乳児の喉にミルクを詰まらせ死亡させた罪で死刑を宣告された。過失致死の可能性、事件時22歳と詐称していたが実際は17歳であった可能性が高いことなどから、スリランカとサウジアラビア間で外交問題に発展し、人権団体も非難を表明した。

執行担当者の状態: 担当者の一部が、受刑者の年齢から執行に罪悪感を抱いていた。また、サウジアラビアの刑法における、過失致死と殺人の境界の曖昧さを疑問視する担当者も存在した。

上記理由によりSCP-2005-JPの収容は現時点では不可能ですが、出現条件が限定的、受刑者以外に危害を加えたケースがない、隠蔽手順は確立されている等の点から、オブジェクトクラスはEuclidが妥当と判断されています。

追記1・資料-2005-JP-αに関して: 201█/██/█、フランス、パリのノートルダム大聖堂の書庫から、SCP-2005-JPに言及している可能性がある資料が発見されました。手紙の一部と考えられていますが、保存状態の悪さから著者等の詳細は不明です。以下はその抜粋です。

資料-2005-JP-α"ノートルダム書簡": 原文はフランス語、一部に不明な語句あり

[破損により解読不能]に関してはバチカンに悟られぬよう、くれぐれも慎重に行動すること。

次に、各地の処刑場に現れる、深紅の外套の処刑人について。かの者は神聖にして不可侵であり、妨害は不可能にして無用である。かの御仁こそ[解読中]に転生せしムッシュ・ド・パリ、シャルル=アンリ・サンソン4である。

サンソン氏は正規の騎士でこそないが、騎士団への貢献度、神智の理解の深さは計り知れないものであった。先代はかの御仁こそ後継者に相応しいと考えた。私も全く同意見であった。しかし、あくまで王家への忠誠を貫く彼は辞退した。

先代はサンソン氏に代わりの望みを訊ねた。彼は世界から死刑を根絶して欲しいと願った。さしもの騎士団でもそれは不可能だった。人類は未だ[解読中]には達していない。ならばせめて、罪の重みに苦しむ処刑人たちに代わって、死後も裁きの剣を振るい続けたいと彼は願った。

先代がどのようにサンソン氏の願いを叶えたのかは、私も知らない。しかし、おそらくは[解読中]転生の秘蹟を用いたのであろう。氏であれば資格は十分だ。処刑人という家業5を呪いながら、時代に強いられ2700人以上もの人々を手に掛けねばならなかった。彼ほど、魂の痛みに耐え続ける生涯を送った者がいるだろうか?

死という救いすら拒み、今日もサンソン氏は理不尽な死刑を代行し続けている。世界から死刑が根絶されるまで、その魂が休息することはないであろう。我々は彼のためにも、1日も早く頑迷を廃し、人類を神智に至らせなければならない。

連絡は以上である。汝にジャック・ド・モレー6の祝福あれ。

[破損により判読不能]騎士団
パリ分団領 グランドマスター [破損により判読不能]


 
 
 
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諜報局による機密指定、要セキュリティクリアランス・レベル4/2005-JP
 
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