4/2010-JP LEVEL 4/2010-JP
CLASSIFIED
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アイテム番号: SCP-2010-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
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特別収容プロトコル: SCP-2010-JPはエリア-8188にて半径20mの半球型の地下室に格納されます。SCP-2010-JPが使用されていない間、部屋内は真空状態に保たれます。SCP-2010-JP収容室の周囲には機動部隊か-20("ハヤブサ")の隊員が5名配置されます。SCP-2010-JPを使用する場合は半径12m以内に入らないようにし、マニピュレーターを用いて遠隔で曝露対象を設置してください。当部屋は2週間1週間に1度メンテナンスされます。メンテナンス中はエリア-8188の一部空間が封鎖されますので、立ち入らないようにしてください。SCP-2010-JPの収容室直下15mは土壌で固められます。2週間1週間に1度この土壌は交換され、使用済みの土壌は熱および化学的処理の後に再利用されます。
SCP-2010-JP-A群の内、SCP-2010-JP-A-1、-9、-20、-57、-98は研究のためにエリア-8188に個別に収容されます。それ以外の個体、及び蓼科湖で新たに発見されたSCP-2010-JP-A個体は処分されます。
SCP-2010-JP-B群は試験運用の為、機動部隊か-3("カンピオーネ")の所在するエリア-8114にて保管されます。
説明: SCP-2010-JPは各幅が0.71m×2.84m×6.39m、重量が7160kgの石柱です。破壊耐性を有しているため、成分調査の試みは失敗しています。表面に幾何学的な模様が全体に渡って刻印されていることから人工物であるとの推測がされています。
SCP-2010-JPは半径約11m以内の空間のアキヴァ放射値を高め、ヒューム場に影響を与えない現実改変を及ぼします。SCP-2010-JPの影響範囲内に存在する物質は生物か人工物である場合、それら以外である場合で異なる影響を受けます。
影響対象が生物や人工物の場合、対象には自己の生存、またはその用途を補助するよう、既存の能力の拡張や新たな形態的・機能的特徴の発現が起こります。影響対象がそれら以外の場合、対象内に有機物が生成されるようになり、段階が進むと微生物が確認されるようになります。
SCP-2010-JP-Aは長野県蓼科湖に生息していた、SCP-2010-JPの影響を回収以前に受けたと推測される異常な生物群であり、2001/06/26現在の時点で118個体が発見、収容されています。各SCP-2010-JP-A個体は独自の異常性を持っています。
以下はSCP-2010-JP-A個体の代表例です。
番号 |
説明 |
SCP-2010-JP-A-1 |
エラビレの形が爬虫類の手に酷似したギンブナ(Carassius langsdorfii)。変化したエラビレを用いて獲物を攻撃することが判明しています。 |
SCP-2010-JP-A-9 |
全身に葉緑素を持ったオオクチバス(Micropterus salmoides)。いくつかのヒレがブラシ状に変化しており、水分を吸収することが判明しています。 |
SCP-2010-JP-A-20 |
種子を200km/hで射出するシラカバ(Betula platyphylla Sukaczev)。種子をより遠くに飛ばす効果があると考えられています。 |
SCP-2010-JP-A-57 |
脳が通常の3倍の大きさであるワカサギ(Hypomesus nipponensis)。その影響で頭部が肥大化しています。 |
SCP-2010-JP-A-98 |
環境への対抗を目的とした自己刷新機能を保持したコイ(Cyprinus carpio)。可視光に対するステルス機能や誘導弾の発射機構を保持しています。 |
SCP-2010-JPは2001/06/13に蓼科湖にて釣りをしていた一般人から「明らかに生き物としておかしい魚がいる」と通報を受けたことで存在が発覚しました。その後、2001/07/04に機動部隊は-9("トレジャーダイバーズ")によって確保・収容されました。その際、SCP-2010-JPの運搬のためにSCP-2010-JP付近に長時間滞在していた機動部隊は-9メンバーの風炉隊員の下顎角にエラ構造が生成されていたことから異常性が判明しました。現時点では風炉隊員に形成されたエラ構造に生存に支障をきたす要素は確認されていません。
以下はSCP-2010-JPの実験記録です。
実験記録2010-JP-1
日付: 2001/07/11
対象: 実験用マウス(Mus musculus)
実験手順: SCP-2010-JPから5m離れた場所に実験用マウスを入れたケージを設置し、影響範囲外からカメラで記録する。
結果: 下記の表を参照。
経過時間 |
変化の詳細 |
5分38秒 |
マウスがしばしば二足歩行を行うようになる。後ろ足の発達が始まっているのも確認できる。 |
10分24秒 |
マウスが常時的な二足歩行を行うようになる。後ろ足は二足歩行が出来るように変化している。 |
13分55秒 |
後ろ足の発達が終わる。筋肉量の増加が外見からも確認できる。 |
17分21秒 |
前足・胸部・腹部の発達が確認される。 |
23分15秒 |
前足・胸部・腹部の発達の終了が確認される。しばしば周囲を見渡している。 |
30分51秒 |
マウスがケースを破壊する。現場監督によって捕獲命令が下される。 |
37分04秒 |
機動部隊員によって麻酔弾が数発撃たれる。一時的に活動が沈静化されるも、数分で再度活発化。SCP-2010-JPの影響で薬物への耐性を獲得したと推測。 |
[編集済] |
[編集済] |
実験記録2010-JP-2
日付: 2001/07/13
対象: スクラントン現実錨
実験手順: SCP-2010-JPから5m離れた場所に出力2.0Hmのスクラントン現実錨を設置し、一定時間ごとに取り出す。機能に変化があれば記録する。
結果: 下記の表を参照。
経過時間 |
変化の詳細 |
10分00秒 |
出力が1.0Hmに変化。調査の結果、内部プログラムにのみ変化が確認された。 |
15分00秒 |
2.0Hmのサンプル資料を近づけたところ、サンプルの数値が1.0Hmに変化。遠ざけると数値が回復した。 |
25分00秒 |
2.0Hmのサンプル資料を近づけたところ、同じようにサンプルの数値が1.0Hmに変化。しかし、遠ざけても数値は回復しなかった。また、内部プログラムが半径2.0m内の空間、及び物体のヒューム値を1.0Hmに維持するように変化していた。サイト-81NN基盤科学部門によってSCP-2010-JP-Bの複製が行われたが、現在までに成功した例はない。更なる実験、及び現実改変者への対抗要素としての検証の優先度が高いと判断され、実験は1度中断された。尚、当スクラントン現実錨はSCP-2010-JP-B-1と指定。 |
実験記録2010-JP-3
日付: 2001/09/19
対象: スクラントン現実錨
実験手順: SCP-2010-JPから5m離れた場所に出力2.0Hmのスクラントン現実錨を25分間暴露させ、その効果を分析する。これを5回繰り返す。
結果: SCP-2010-JP-Bと同様の異常性を獲得。SCP-2010-JP-B-2~-6と指定。
機密の観点から、これ以降の実験記録の閲覧は5/2010-JPクリアランス保持者にのみ限られます。
補遺1: SCP-2010-JP-B-1~-6は機動部隊か-3("カンピオーネ")にて使用されました。結果として、2001/08/01~2002/02/28までの試験運用の間に15例の敵対的現実改変者の無力化、確保に成功しました。
レポート2010-JP-2002/03/01
報告: 芽出博士
SCP-2010-JP-B群によって今まで長期間の戦闘を強いられた現実改変者の無力化、確保は容易になりました。加えて、既に収容している、現実改変を行ういくつかのオブジェクトにも有効であると考えられます。今回の功績、及び多数のKeterクラスオブジェクトの収容効率の向上の可能性を考えてオブジェクトクラスのThaumiel指定を申請します。
以上の申請は日本支部理事「若山」によって許可されました。
スクラントン現実錨の他にも、いくつかのパラテック技術に対するSCP-2010-JPの使用が計画されています。
追記: 5/2010-JPクリアランス保持者は運用のためにこちらも必ず参照してください。