SCP-2017-JP
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アイテム番号: SCP-2017-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2017-JPはサイト-81██の低危険物収容ロッカーに収容されています。実験を行う場合はSCP-2017-JP担当責任者に申請を行い、実験後に実験記録を提出して下さい。

説明: SCP-2017-JPは███社製の家庭用ヘッドマウントディスプレイである「███」の同型機です。基本的な部品は同製品と共通していますが、充電用ケーブル等を受けるコネクターが存在せず、電源ボタンを押しても起動できません。

SCP-2017-JPの異常性は、このオブジェクトを装着した際に発揮されます。

SCP-2017-JPを装着した際、第一に、電源が起動し、未知の方法で装着した者(以下被験者と記述)の身体と接触している部分が強固に結合し、取り外すことは不可能となります。この際、被験者は軽度の頭痛と脱力感を訴えます。結合してから5分後、被験者は完全に脱力状態となり、同時に被験者の細胞が徐々に崩壊、消滅を始めます。

この現象はつま先から始まり、2時間経過時点で首から下までが、2時間半後には頭頂部までが完全に消滅します。この間、被験者はこの現象による痛みや苦しみなどを一切感じないと報告しました。また、被験者が消滅するまでの期間、オブジェクトの液晶には、「被験者がこのオブジェクトを使用しなかった場合、どういった最期を迎えていたのか」を表した2時間の映像が再生されます。この映像が流れている間、被験者は如何なる身体の欠損があっても生命活動を続行しますが、この映像の再生の終了(映像内に置ける死)と共に被験者は生命活動を終了します。

SCP-2017-JPは20██/█/█に誘拐、監禁の容疑で家宅捜索を受けた宗教団体「████」の集会所に異常性等について記述された資料と共に祀られていたのを発見され、警察内部に潜入していたエージェントによって速やかに収容に至りました。

以下は「████」から回収した資料から一部抜粋した内容です。

日付:20██/03/25

神への祈りを捧げ続けて早数年、私達は遂に神からの贈り物を授かった。この贈り物には、着けた者が本来どういった最期を迎えていたかの姿を覗き見る事が出来、そして何より着けた者は我らが神の元に導かれる栄光を受ける事が出来る、という物である。
この贈り物とその知識は、我々の同胞である██が我々の集会所に置かれていたその姿を見つけ、そして着けた事によって得られたものだ。
この贈り物を使えば、堕落した人々を救済し、更には使い方によっては未来の情報を垣間見る事さえ出来る。これは欲望に溺れた人々を救い、導けという我々預言者1への宣託であると受け取った。今後の我々の使命は、今まで以上に我々の同胞を増やし、この贈り物を使って人類を神の元へ導く事である。


日付:20██/04/03

あれから一週間余り、遂に初めての『御送儀』2の日がやって来た。志願者の佐倉同志は年老いてはいるが敬虔な信徒であり、彼が神の元へ迎えられる事は我々にとっても非常に喜ばしい事だ。どういった結果になろうと、我々は彼の事を誇りに思うだろう。

佐倉同志の語った内容は、「彼の教えによって我らの志を継いだ未来ある若者に看取られながら、寿命によっていきを引き取る幸せな最期」であった。やはり我らの教えを守りし者は、幸福を得るのだと改めて確信した。また、彼のおかげで、我々の教えは数年後も潰える事無く受け継がれている事を知る事が出来、非常に実りある結果であった。神の元にいる彼も誇りに思う事だろう。今後も『御送儀』を定期的に行い、人々を神の元に送り届ける事としよう。


日付:20██/04/14

二回目となる『御送儀』の日である。此度神の元へ送られる栄光を受けられるのは、先月入信したばかりである栗花落同志だ。前回と違い、我々への疑いの心を捨てきれていない者がどのような結末を辿るのかを比較することでより下級の信徒達の信心も深まることだろう。

栗花落同志が語ったのは、「友人と遊びに出た帰りに通り魔に襲われ、深手を負って意識を失い、落命する」と言った内容だった。また、信徒の証たるバッジも身に着けていない様であり、栗花落同志は棄教していたらしい。やはり我らの神を信じない者には神罰が下るのだな。




日付:20██/08/06

今日は『御送儀』の日…だが、少し特殊な形となる。というのも、今回神の元へ送られるのは、我々の布教活動を幾度となく妨害してきた秋口という若い男なのだ。我々預言者で話し合った結果、神の元へ送り届け悪意を浄化して頂く運びとなったのである。

秋口は「かなり年を取った自分が会社から帰る道の途中、突然真っ暗な空が光り始めたと思ったら遠くに輝く巨人のような者が現れ、その者が叫んだと同時に辺りが火の海になった」と語った。
私は確信した。この無礼な者の元に直々に神が降臨なさったのだ。辺りが火の海に~と言うのは神罰なのだろう。だが、あの男も一足先に神に迎えられ、汚れた魂も救われた事だろう。


日付:20██/11/15

今日は『御送儀』の日である。8月6日の儀以降、何度か他に妨害をする者どもを神の元へ送ったが、やはりその最期は皆口々に、降臨した光り輝く巨人、我らの神と思わしき者に火炙りにされる光景だったと言う。神の降臨が待ち遠しいものだ。
そして、今日神の元へ旅立つのは、若いながら非常に敬虔な信徒である行田同志である。彼女は我々に未来の知識を齎すと同時に何よりも自らが神の元へ迎えられる事を喜んでいた。では、始めて行こう。

何故だ…?行田同志が語ったのは「空が光り、輝く巨人が現れ、火炙りになった」と言う旨だが…まるでこれでは彼女に神罰が下ったようではないか。我々の中でも一、二を争う程に信心深かった彼女が…何故だ…?


日付:20██/12/03

その後何度確かめても、若い者は皆早死にしなければ信心深かろうとそうでなかろうと、かの巨人に焼かれ、死ぬと語る…もしやあれは神などではなく、世界の終わりなのか?幸いにも、複数の信徒から話を聞いたおかげで巨人が現れる日付が[データ編集済]辺りである事は分かったが…私はこれからどうすればいいんだ。

補遺: SCP-2017-JPが「████」の集会所にどのようにして届けられたのか、また、手記に記述される「巨人」に相当する実体については、現在調査中です。

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