以下のファイルは歴史的資料としてのみの掲載です。
監督評議会による指令
このファイルはレベル4機密対象です1
==要LEVEL4クリアランス==
時代をゼロから始めよう。
アイテム番号: SCP-2020-JP
オブジェクトクラス: Safe/Keter2
特別収容プロトコル: SCP-2020-JPの位置情報は一般社会から完全に秘匿されます。SCP-2020-JPの収容位置は最低でも5m×5m×5mの大きさの部屋の中央を維持し、装置の下部の検査をできるよう油圧リフトにのせます。部屋のドアは常に施錠されており、[データ削除済]。担当研究班とLevel5以上の職員はアクセスコードを使用することができます。SCP-2020-JPに関する全ての科学調査は明確なO5承認でのみ認可します。
SCP-2020-JPが精神影響性を有しているために、収容室の内部に侵入する職員はテレキル合金製のスーツを装着し、SCP-2020-JPと接触した職員は接触してから1ヶ月以内にHMCL監督官の指示による定例精神鑑定を受けてください。
SCP-2020-JPへのエネルギー供給は評議会指令によって無期限に継続されます。
説明: SCP-2020-JPは人の背丈ほどの大きさを持つ機械に見えます。重さは█████████.███ポンドです。装置は主に多種の金属で構成されており、金属部は真鍮、ベリリウム青銅、鋳造・錬成された鉄、銅、鋼、アルミニウム、[データ削除済]からできています。
SCP-2020-JPの特徴はその素材の特殊性だけではなく、周囲の人間に対して異常なミーム3を拡散することにあります。
SCP-2020-JPの能力範囲はおおよそ地球の北半球全域(とくに先進国の人口密集地帯を中心とする)に重なっており、非常に広範囲であるといえます。
SCP-2020-JPがもたらすミームの内容は、西暦2000年以前に対する懐古主義を暴露者に及ぼすことです。特にこの効果は 個人差はありますが SCP-2020-JPに近づくほど強く発揮されています。研究者たちは、この影響が健全な文明発展に影響するのではと危惧しています。
覚書: 曝露者は、「現在の自分の生活が“色あせて”いるように感じる」、「未来への漠然とした不安」、「1999年は大昔に感じるが2000年は最近のようだ」といったことを発言しがちです。さらなる情報は暴露実験記録███-█を参照のこと。
- ギアーズ博士
補遺2020-JP-01: SCP-2020-JPの顕著な暴露者に対するインタビュー記録です。
対象: Dr.█████
インタビュアー: [評価が完了するまで編集済。記録の中では「インタビュアー」と記述]
前文: インタビューはSCP-2020-JPの効果発覚後に行われた。対象はSCP-2020-JP研究班の一人である。インタビュー時点で対象はSCP-2020-JPの能力を正しく認識し、自分がそれに曝露していることを自覚している。
<録音開始>
インタビュアー: それではインタビューを始めたいと思います。
Dr.█████: ああ、よろしく頼むよ。
インタビュアー: あなた自身がSCP-2020-JPの影響下にあると気づいたのはいつですか?
Dr.█████: たしか、SCP-2020-JPの[データ削除]実験を終えてから帰宅した頃だったと思う。私は好きなビデオを見ることにした。ミッション:インポッシブル2だ。トム・クルーズの活躍がいつも通り私の気分をすかっとさせてくれるはずだった。
インタビュアー: それが違った訳ですね。
Dr.█████: ああ、突然、何とも言えない虚無感に襲われたんだ。私はいぶかった。映画におかしな点は何もなかった 何度も巻き戻して確かめた そしてやっと気づいたんだ。
インタビュアー: なにが原因だったのでしょう。
Dr.█████: 今は何年だ?
インタビュアー: 2003年ですね。
Dr.█████: M:I-2は2000年の映画だ。もう3年だと? 信じられない。M:I-2は最新映画じゃないのか? つい最近までシネマでやっていたような気がする。
インタビュアー: 落ち着いて下さい。論理的に考えてそんなことはあり得ません。
Dr.█████: ああ、分かってる。それは分かっているんだが・・・・・・。感覚が受け入れられなかったんだ。なんだか、全てが遠く過ぎ去っていくようで。自分だけが変われずに取り残されているような・・・・・・。
インタビュアー: それで財団に通報したわけですね。
Dr.█████: そうだ。・・・・・・なあ、これは異常なんだよな。私は、正常じゃないんだな。これで私の不安は、説明できるんだよな。
<録音終了>
終了報告書: インタビュー後、対象には記憶処理(amnesia)を施してみたが、精神状態は改善しなかった。
恐れるものは何もない。
補遺2020-JP-02: SCP-2020-JPは2002年に北緯35度4█分██.██秒 東経137度4█分██.██秒地点で、休暇中の財団エージェントによって回収されました。その地点には財団の認知していない巨大な施設が存在しており、SCP-2020-JPを稼働させるためのエネルギープラント4となっていました。このことからSCP-2020-JPを維持するためにこの施設内でSCP-2020-JPの封じ込めがなされています。
また、奇妙な点として施設内には“SCP財団 怪奇部門(Department of Abnormalities)”と表記された金属製プレートが多数壁に貼り付けられていました。
さらにエージェントは1996年頃に失踪した「管理者」のものと見られる手記を発見しました。以下がその全文です。
歴史が流れ続ける大河であるとするならば、我々一人一人の人生は水のひとしずくであろうか。それとも水面にたゆたう泡であろうか。どちらにせよ、大いなる変遷の中で「個」を保つことは、かように難しい。
我々は人類が恐怖するものと最前線で戦い、科学の粋を尽くして災厄を封じ込め、伝説の怪物を伝説のまま遠ざけてきた。そして今、我々はどこへ向かっているのだろうか。何に成ろうとしているのだろうか。
我々の数は多くに増えたが、不可解なるものもそれに応じて力を増している。人類が、そして財団が、私の力を必要とせず立ち上がらなければならない。この施設は、私から人類への最後の希望だ。
新たなる世紀が、条理の灯に満ちたものであることを願って。
確保、収容、保護。
— ”管理者”
歴史をゼロに巻き戻すんだ。

注記: 以上のファイルは歴史的資料としてのみの掲載です。
当ファイルは現行文書の過去のバージョンです。そのためロックされ、アーカイブされています。内部に含まれる情報は不正確であるか、最近の利用可能なデータを反映していない可能性があります。
あなたは現在、この文書の初版(2003/02/14)を閲覧しています。この文書の最新版を閲覧する際はセキュリティクリアランス適合確認をクリアした上で最新版のファイルにアクセスしてください。
— 記録・情報保安管理局(RAISA)管理官、マリア・ジョーンズ
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答えはすべてそこにある。
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BY ORDER OF THE OVERSEER COUNCIL
貴方がアクセスを試みているファイルはレベル4/2020-JPクリアランスを持つ職員にのみアクセスが許可されています。
必要なクリアランス無しにこれ以上のアクセスを試みることは財団による雇用の終了、全ての教育上、医療上、退職後、あるいは死亡時の福利厚生を取り消す根拠となります。資格認証のため、貴方はこれをもって既知の認識災害画像に暴露される事に同意することとなり、貴方が画像に対する予防措置を受けていることを確認します。
認証されていないアクセスの場合、このコンソールは操作不能になります。保安要員が派遣され、貴方を蘇生した後に尋問のため留置房へ護送することになります。財団のイントラネットに接続されていないいずれのコンピューターからこのファイルへアクセスを試みることも、クリアランスに関わらず即時終了をもたらすこととなります。