
SCP-2022の一種、"ボラボラ®"
アイテム番号: SCP-2022
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2022は10℃に保たれた薄暗い生物的危険物体貯蔵室内でまとめて保管されます。薬剤の服用はサイト管理者および医療人員の承認が必要です。過剰投与が為された際はすぐさま現場医療人員に報告されなければなりません。実験以外の目的でSCP-2022を乱用することは禁止されます。
説明: SCP-2022は以下の構成物からなる"太陽からのお薬™"と表記された外装を有する医薬品群です:
- 板紙包装に包まれたブリスタートレイ(10日/枚)5,000枚
- 各々異なる銘柄名で識別されたcGMP準拠210L薬剤缶計775箱(192箱のセーシェル®、296箱のボラボラ®、287箱のバハマ®)
- "実験対象 #00-30"と分類付けされた樹脂容器31個
- "警告: 未精製材料"と表記されたcGMP準拠アルミ防湿袋90袋
SCP-2022は包装に基づけば未知の有効成分(そのうち2種は単位にルーメン及びケルビンが使用されています)を含む、常に日光に類似した電磁気エネルギーを圧縮・放射している[SR]ゼラチンカプセルです。 カプセルが「日光」をどのように測定し取り扱い可能な形式に圧縮し内部に留め置いているのか現在のところ解明できておらず、また薬剤合成に使用されている化合物の化学分析においても何の結果も得られていません。
経口摂取することで、1回分のSCP-2022は平均16か月(487日)健康を維持するために必要なビタミンDを確実に供給します。その程度は被験者の皮膚染色レベル及び摂取された薬剤の銘柄によって変動しますが、薬剤を摂取した被験者は穏やかで暖かな微風、潮風の香り、打ち寄せるかすかな波の音、そして時刻1と時期が対応する温かさを彼ら自身の体の内から感じると報告しました。骨健康、血色、髪の成長速度の向上及び伝染性あるいは自己免疫的疾患の有意な現象も報告されていますが、これらについては現在調査中です。SCP-2022の効果は薬剤を連続服用することでその効果は指数関数的に蓄積・増加しますが、この時(銘柄によって異なる)様々なそのほかの危険性や異常な効果を発生させます。
実験では薬剤の連続服用によって被験者は感覚器官の灼熱感、光線過敏症、日焼け、炎症、暗所での強烈な生物発光、ビタミンD過剰症、嘔吐、胃のむかつき、脱水症状、食欲不振、不眠症、便秘、疲労、いらいら、筋無力症、転移性石灰化などが発生しました。 その他重篤な症例としては、各種の癌、大きな腎結石、高カルシウム血症、乾皮症、日光角化症、多形性光噴火、白内障、黄斑変性症、免疫抑制、血管の異常発達、天日性弾力線維症、第Ⅰ-Ⅲ度(内部及び外部)熱傷、可視波長域に対する透明性、[編集済]。
フィッツパトリックスケール・タイプⅥ(35+)に分類される皮膚色を持つ人間は、タイプⅠ-Ⅴを持つ人間と比較してSCP-2022の服用や過剰摂取の際、服用から無効化されるまでの時間や薬剤の異常な影響による苦しみが軽度のものとなることが判明しています。驚くべきことに白化症の人間は、タイプⅥの人間と同様に過剰摂取による有害な影響に対して同様の抵抗性を示します。しかし、透明性の獲得や強いUV光及びγ線の白熱・放射、そして[削除済]にも達する温度上昇などの電磁波長に関連する不可視の異常効果をより受けやすい傾向にあります。

SCP-2022の実例を回収した薬局。20██-07-23、フランスの████にて。
補遺2022-01: SCP-2022はフランス ████に本社を置く████████創薬所有の研究開発施設であった今は無きSunset総合研究所で作製されました。違法な薬物製造を疑った警察による襲撃の際、研究所は既に放棄された後でしたが、施錠された高等級保安扉の奥に隠された地下室が発見されました。高等級保安扉を破り地下の実験室を調査した結果、研究所内のすべての物理的/電子的な文書や記録が破棄されていることが判明しました。また、研究所はパリのロシュエール・ミュニシパルの1つへと続く、Sunset総研従業員が脱出するために作られたと推測される地下道に接続されていました。発見されたSCP-2022薬剤はアメリカ麻薬取締局によって押収されるとそのまま財団へ引き渡されました。Sunset総研とその従業員、SCP-2022、そして████████創薬に関する記録は襲撃以後発見されておらず、調査が今も進行中です。
補遺2022-02: SCP-2022の製品外箱裏面に記載された惹句:
"たるみや肌のくすみが気になる、鬱々したりイライラしたりする、そんな経験はございませんか?それは明らかにお日様の光が足りていない証拠です!私たちの提供するお薬ならば、あなたに必要な活力をすぐさま取り戻すことができます。Sunset総研は、ボラボラからモルディブ、ハイチ、そしてバハマまで、広い範囲の日射を提供しています。服用の際には主治医に相談を。取り扱い説明をよく読んでください。用法・用量を守ってご使用ください。これらの太陽光薬は、自然暴露に完全に代わるものではございません。乱用は避けてください。"

SCP-2022の銘柄の1つ。
補遺2022-03: SCP-2022のブリスタートレイは、以下に示す例を含むいくつかの銘柄に分類されています。ボラボラ®、セーシェル®、モルディブ®、バハマ®、ハイチ®、各々の活性成分はルーメンやケルビンを単位として用いた独自の投薬量が指示されています。モルディブ®及びハイチ®の銘柄は回収した実例の中からは発見されておらず、おそらくその名が使われなかったか、製品として存在していないものとみられます。SCP-2022の外装は概念設計の段階にあるように見え、典型的な米国食品医薬品局承認一般用(店頭販売用)医薬品にあるべき薬剤/薬物情報が欠如しています。広範な実験と検査の後、財団医療従事職員によって財団職員のSCP-2022使用が承認されました。
押収された薬剤缶全てに、それぞれに貼付された付票に対応する銘柄の薬剤が封入されています。これらは個々の薬品包装のため、薬局納入に向けて保管されていたと推測されています。その包装形態の豊かさと一貫性を鑑みて、これらの薬剤は試験と実験目的でのみブリスタートレイの代わりに使用することが認められます。
押収された31本の瓶には様々な形態の薬剤が封入されており、そのうちいくつかは非常に独特な形の薬物送達機構を有しています。剤型を以下に示します:錠剤、被包成型製剤型錠剤、粉薬、固体結晶、液体懸濁液、薄膜型、塗り薬、体臭防止剤、練り薬、香膏、点耳・点鼻薬、輪状膣坐剤、経皮吸収型製剤、および様々な坐剤。すべての形態は、恐らく試験用であるために薬剤の効果は比較的弱いものとなっています。供給が限られること及び想定外の副作用を鑑みてこれらの希少な形態のものを用いた実験は現時点で許可されていません。
押収されたアルミ防湿袋に未精製の薬剤が封入されています。この未精製の薬剤は非常に高い誘爆特性と爆発威力を有しており、1錠当たりの爆発最大到達範囲は[編集済]。この形態をとるSCP-2022の使用は如何なる理由があろうとも推奨されません。事件記録2022-SOLAR-12に文書化される事例の結果に従い、錠剤の分割やその他侵襲的な手法による実験は厳格に禁じられています。SCP-2022の防湿袋はその他のSCP-2022実例とは別に保管されるべきです。