SCP-2024
評価: +10+x

アイテム番号: SCP-2024

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:SCP-2024はその形状にフィットするよう整形されたスポンジゴムで裏打ちした1m×20cm×5cmのケースに保管されます。袋型のスポンジゴムをSCP-2024の持ち手部分にかぶせ、完全に覆ってください。職員はSCP-2024が活性化している間に柄を持ってはいけません。SCP-2024のタグは保管中および通常の実験中は常に取り付けたままにしておく必要があります。実験のため特別にタグを取り外す場合、職員は防御用サングラスと鉛で補強したボディスーツを着用しなければなりません。SCP-2024により有害な変形を受けた職員には、安定化するまで次サリチル酸ビスマスの局所注入が行われます。

POI-2024-05収容の試みは現在も続けられています。

説明: SCP-2024はラッカー塗装が施された長さ89cmの杖で、長さ16cmの持ち手が取り付けられています。杖の柄は赤く塗られており、持ち手は黄色と赤と緑の合わさった渦巻き模様です。SCP-2024-1に分類される円形の紙製タグが、SCP-2024の柄に一般的な綿紐で結び付けられています。SCP-2024-1は直径8cm厚さ1mmで、非常に高い強度を示します。SCP-2024-1は片面にマゼンタのインクでピエロの顔が、もう片面には青のインクで緻密な筆記体の「HF」の文字と、短いメッセージが円形に印刷されています(文書2024-1参照)。

SCP-2024-1が取り付けられている状態でSCP-2024の持ち手を人間が掴むと、SCP-2024は活性化状態になります。これは柄に沿ってドットの列が現れることで見分けられます。各ドットは直径0.75cmで隣のドットから2cmずつの間隔をおいており、10カンデラの黄色くやわらかい光を発します。この光は空中に残留し、SCP-2024を動かした軌跡を5秒ほど残して消えます。手を離すとSCP-2024は非活性化します。

活性化状態において、SCP-2024の柄はまるでそれが実体を持たなくなったかのように、あらゆる固形物質に対して差し込んだり通り抜けさせたりできるようになります。鉛など比重の大きい物質や動いている物体にSCP-2024を通すとわずかな抵抗を感じます。SCP-2024を物体に通している最中に手を離すと、SCP-2024はばね仕掛けのようにはじき出された後に非活性化します。活性化状態であっても、SCP-2024の柄はSCP-2024-1およびその紐と接触できます。

SCP-2024は固体物質の分子構造を操作することができます。SCP-2024が物体に差し込まれている際、物体の構成物質はSCP-2024の動作に沿って動かされます。SCP-2024は物体の構造に対して非常に高い伸縮性を持たせます;物体はSCP-2024の動きに応じて、ねばねばした液体をかき混ぜているかのように、伸びたり曲げられたりします。この過程ではいかなる物質も生成あるいは破壊されません。SCP-2024はその表面から半径2cm以内の固体にのみ影響を与えます。この範囲から外れた物質は即座に元の物理的性質を取り戻します。異なる材質からなる分離していた物質であっても、このプロセスにより分子レベルで混合させることが可能です。SCP-2024により変形した物質を元に戻すことは非常に困難です。

SCP-2024-1が取り外された状態でSCP-2024が活性化した場合、各ドットから発せられる光はおよそ2000カンデラほどにまで強くなります。この状態で使用すると、SCP-2024は自律的に動き出し、物体や人間に対して無差別に自身を差し込もうとして使用者の手をひとりでに動かします。この場合の物質操作には悪意が見て取れます。ただし、SCP-2024に知性があるのかどうかについては不明です。SCP-2024-1なしで生命体に対して行われる物質操作は多くの場合致命的な結果を招きます。しかし高い分子質量を持つ物質、すなわちランタノイド以降の元素を変形した部位に注入することである程度安定化させることができることがわかっています。

SCP-2024はミネソタ州ベルプレインにて、神経系や顔面がひどく歪められた青年男性の死体が発見された際に回収されました。SCP-2024およびSCP-2024-1はそれぞれ青年の別々の友人が保管していました。彼らは町の外で行われたカーニバルにて、コンテストの商品としてSCP-2024を獲得したと証言しました。分析によりその区域はごく最近になって突然放棄されたことが明らかになり、さらに要注意団体”ハーマン・フラーの不気味サーカス”が滞在していたことを示す有力な証拠品も発見されました。

文書2024-1: SCP-2024-1の青色の面には下記のメッセージが繰り返し記載されていました。

フラーのフラフラまぜまぜロッド(赤)1.このタグを取り外す行為はお客様自身によるものであっても法律で罰せられる場合があります.お問い合わせは█-███████-██-█にお電話下さい.

補遺: SCP-2024-1に記載されている旧式電話番号にダイヤルできる電話を入手した後、Jacobs博士にSCP-2024に関する質問の任務が割り当てられるとともに質問用台本が与えられました。電話にはゲイリー・ゴーハムと名乗る人物(異常な性質が予想されるためPOI-2024-05に指定)が応答しました。

<記録開始>

(ベル、角笛、ディーゼルエンジン、動物の鳴き声、遠いカリオペなどの特徴的なノイズ)

POI-2024-05: はいはーい、H.F.景品サポート係にお電話ありがとうございまーす!私ゲイリー・ゴーハムと申します、お客様の……(2秒間の沈黙)……フラーのフラフラまぜまぜロッドに関するご質問に喜んでお答えいたしまーす!景品の獲得おめでとうございまーす!

Jacobs博士: こんにちは。私はこれを中古で手に入れたのだけど、いくつか質問させてもらってよろしいかな。

POI-2024-05: はい、どうぞー。

Jacobs博士: この……まぜまぜロッドは何に使うものなんだい?

POI-2024-05: まぜまぜロッドは彫刻その他のクリエイティブな作品を作る上でたくさん役立ちまーす!使うのは簡単ですが、マスターするのはなかなか大変……これはほかのアートも同じですねー?見せながら作るのに向いていますねー、私どもの誇るショーマンがやってみせるよーに。

Jacobs博士: これはどうやって…えーと、どういう原理で動作しているんだい?

POI-2024-05: おおっと科学者さんのお問い合わせだー!(受話器から離れて大声で近くの人物に話しかける)みんなー、学者さんからの電話が来たよー!(背後で声援が聞こえる。POI-2024-05が通話を再開する)まぜまぜロッドは体温や強いグリップで動いていまーす。ロッドには目があるんですよー、先生。タグを外しちゃいけません、さもないとロッドに見られてしまいますよー。

Jacobs博士: じゃあ誰がこれを作ったんだい?

POI-2024-05: きっと我が「ハーマン・フラーの不気味サーカス」のドキドキ景品職人2でしょう!(背後で大砲の音が3回聞こえる)

Jacobs博士: これは一般人に使わせる物なんだな?

POI-2024-05: オーゥ、その通りです。ロッドを景品として配って、そのあと一般参加のアートコンテストを開催いたしまーす!そして特に優れた出品者があればー、その人を雇うこともありまーす!

Jacobs博士: 彫刻の作者を、だよな?

POI-2024-05: 出品者をでーす!(受話器にベルを直接押し付けているかのような、金属質のベル音が聞こえる)わぎゃ!(POI-2024-05が震え、荒く息を吐き出す)うひゃ、あはは、やっぱり慣れない……ええと先生、他のお客様からの電話が来ておりまして。フラーのフラフラまぜまぜロッドについてご質問等ございましたら、また後ほどお気軽にお電話下さーい。または直接足をお運びいただきまして、ビックリ人間小屋にいる私にお会い下さいー。私はゲイリー・ゴーハム、テレフォネシスの職人3でございまーす!(笑い声)それでは、さようならー。

(即座に通話が切れ、規則正しい心音が聞こえる。20秒後、Jacobs博士が通話を切る。)

<記録終了>

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。