SCP-2030-JP
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アイテム番号: SCP-2030-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-2030-JPサンプル及びSCP-2030-JP感染者は北海道南東沖の日本領海内に設置された収容サイト-8111に収容されます。感染症学者と武装警備員から編成された機動部隊く-8(“プラシーボ”)がSCP-2030-JPの治療薬の開発及び収容サイト-8111の警備、SCP-2030-JP感染者の輸送に当たります。日本国内でSCP-2030-JP感染区域が新たに確認された場合、該当区域において感染者からサンプルを採取し、周辺住民の健康調査を実施してください。

収容サイト-8111の内部気温は常に15℃~25℃に保たれなければならず、職員の栄養失調などを防ぐために常に十分な食料を備蓄してください。収容サイト-8111内に勤務する財団職員は週に一度SCP-2030-JPの感染チェックを行い、感染が判明した場合は直ちに隔離処理を実施してください。

SCP-2030-JP感染者と接触する場合、機動部隊く-8の隊員は陸上自衛隊で制式採用されている00式個人用防護装備を着用し、接触後は必ず除染を行ってください。SCP-2030-JPサンプル及びSCP-2030-JP感染者を輸送する際は、撃墜並びに奪取を避けるため、輸送機には2機以上の護衛戦闘機を同行させてください。万が一輸送機が撃墜または奪取された場合、輸送機内に設置された自爆装置を起動して爆破処理してください。それが困難な場合、護衛戦闘機に搭載された空対空誘導弾によって輸送機を完全に破壊してください。

SCP-2030-JP感染者が日本国外に旅行等で出国することは防がれなければなりません。全国の国際線を有する空港には機動部隊く-8の隊員が駐在し、国外旅行者の検疫を実施してください。SCP-2030-JP感染者であることが確認された場合、収容サイト-8111に移送し、財団の監視下に置いてください。

説明: SCP-2030-JPは地球上に存在するいかなるウイルスとも特徴が一致しない嫌気性のウイルスです。SCP-2030-JPは人間に感染し、SCP-2030-JP感染症を引き起こします。SCP-2030-JP感染症はそれぞれSCP-2030-JP-A・SCP-2030-JP-B・SCP-2030-JP-Cと呼称される型が存在します。現在、SCP-2030-JP感染症は接触感染でのみ感染すると考えられており、有効な治療法は確立されていません。

SCP-2030-JP感染症は一般的に無症状であり、健康状態や気候状態などが適切であれば感染者はあらゆる種の感染症に対する極めて強力な免疫を得ることが確認されています。ただし、SCP-2030-JP感染症は健康状態の悪化や極端な高温や低温、栄養失調などを原因として突然変異し、エボラ出血熱や黒死病・クリミア=コンゴ出血熱・発疹チフスなどの極めて重篤な感染症に類似した症状を示し、感染者は死亡することが確認されています。突然変異の条件と発現する症状はSCP-2030-JP-A・SCP-2030-JP-B・SCP-2030-JP-C各型によって決まっています。

感染症の種類 突然変異の条件 発現する症状
SCP-2030-JP-A 極度の高温(気温35℃以上) 発熱・全体的倦怠感・脱水・全身からの出血・内臓機能障害・全身の壊死
SCP-2030-JP-B 極度の低温(気温-20℃以下) 発熱・悪寒・斑状の紅斑・皮膚からの点状出血
SCP-2030-JP-C 極度の栄養失調 下痢・血痰・敗血症・筋肉の痙攣・昏睡・皮膚の壊死

SCP-2030-JPは財団による日本生類創研拠点制圧作戦の際に、制圧された拠点から発見されました。拠点内に設置されたパソコンにマナによる慈善財団(MCF)との通信記録があったことからMCF日本支部の通信を財団が傍受した結果、SCP-2030-JP-CがMCF職員の手によってエチオピア連邦民主共和国に持ち出され接種が開始されていることが判明しました。

世界保健機関(WHO)に潜伏中の財団エージェントが調査した結果、エチオピア連邦民主共和国においてこれまで流行が確認されていなかった黒死病に酷似した感染症が流行し、これまでに████人の死者が出ていることが判明しました。この感染症がSCP-2030-JP-Cと症状が酷似していることや傍受した内容から、MCFが東アフリカで副作用の可能性が限りなく低いSCP-2030-JP-Bと誤ってSCP-2030-JP-Cをエチオピアに搬送し接種を開始した結果、栄養失調人口が多いエチオピア国内でSCP-2030-JP-Cの大流行及び突然変異が続発し、MCFのコントロールが不可能なまでに拡大したと財団は判断。エチオピアが属するアフリカ大陸全土が政情不安による衛生状況の悪化と栄養失調人口の増大が深刻化している地域であることから今後SCP-2030-JP-Cは急速に感染を広げると予想され、機動部隊く-8の感染症対策チームによる試算では、202█年までにアフリカ全土での死亡者は1█万人を超えると推測されました。財団は機動部隊く-8を急遽エチオピアに派遣し、MCF拠点を襲撃してSCP-2030-JP-Cを奪取。事態の鎮静化を図りましたが、既にSCP-2030-JP-Cはエチオピア全土に拡大しており、機動部隊く-8はエチオピア保健当局及びエチオピア陸軍と協同して国境の無期限封鎖を実施。感染の他国への拡大を防止することを重点に置いた収容を実施し、世界的流行による国際的混乱の可能性を受け、財団はSCP-2030-JPのKeterクラスへの格上げを決定しました。

また、SCP-2030-JPサンプルを回収するためにMCF日本支部の強制捜査を実施した際、SCP-2030-JP各型が既に日本国内でも接種が開始されていることが判明。日本国内でSCP-2030-JP各型の突然変異条件に該当する地域及び人口が極めて限られていることから危険度は比較的低いとした上で、財団は日本政府と協同してSCP-2030-JP-A及びSCP-2030-JP-Bの突然変異条件に該当する沖縄県及び北海道の一部地域を封鎖。SCP-2030-JP感染症の治療薬開発を急ぐとともに厚生労働省によって『危険度が低い未知の感染症が流行している』と発表させ感染者の特定を急ぎました。この発表に伴ってSCP-2030-JPの感染の有無を含めて健康診断が各地で実施された結果、███名の感染者が存在することが判明し、これらの感染者をカバーストーリー『治療薬開発の治験』を用いて収容サイト-8111に収容しました。

現在、財団はSCP-2030-JP-Bについて日本国内で発症する可能性が極めて低いことから、末期感染症患者への投与実験による医療への活用を進めています。以下は財団が行った実験の一覧です。

補遺: 地球規模で気候の温暖化が進み、202█年までに日本国内でSCP-2030-JP-Aの突然変異条件を満たす地域及び都市が著しく増加することが予想されることを受け、財団はSCP-2030-JP-Aの治療薬開発を最優先とする命令を機動部隊く-8に通達しました。

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