SCP-2036
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収容以前のSCP-2036-1

アイテム番号: SCP-2036

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: オセアニア全土で発生する不審な野火の発生地点は、潜在的SCP-2036-2生息地として監視・調査されることとなっています。野生のSCP-2036-2が存在すると思わしき案件は、捜索のため機動部隊λ-12("悪戯っ子狩り")に報告してください。

SCP-2036-1は、FRCI1タイルで囲われた標準Ⅳ型生物オブジェクト収容ユニット内に収容されます。 実験時以外においてはSCP-2036-1には常に少なくとも1匹以上の健康な雄のOryctolagus cuniculus(アナウサギ)が宛がわれます。毎日の清掃で清潔に保たれる、適切な大きさが設定されたウサギ小屋がこの収容ユニットの中心に置かれます。SCP-2036を取り扱うすべての職員は、クラスⅡ耐熱防護服を着用しなければなりません。収容ユニット内は毎日チェックし、腐った餌や乾燥排泄物、犠牲となった何かやその危険のある物体などを回収してサイトの生分解性廃棄物処理に回す必要があります。全てのSCP-2036実例には毎日新鮮な葉物野菜(レタス、キャベツ、ケール、ブロッコリー、パセリ、ミントなど)1kgと水を与えてください。サイト-19の獣医はSCP-2036-1及び収容されている全個体の健康チェックを完璧なものとし、SCP-2036-2の活動の様子はY███研究員によって記録されます。

SCP-2036-2実例は標準的な生物オブジェクト収容ユニットで維持されますが、成熟期に達した個体がSCP-2036-1と同じユニットに入れられることがあってはなりません。実験時以外においてはSCP-2036-1と全ての収容済みのSCP-2036-2には必ず無線ECGプローブを着用してください。

SCP-2036-1がベータ期間にある間、SCP-2036-1の監視は閉回路カメラを用いて行います。また、他の結晶や全てのSCP-2036-2実例は、有害な連鎖反応を防ぐために構内から離れた場所に移送してください。

説明: SCP-2036-1は雌のアナウサギ(O. cuniculus)で、現在体長37cm、体重1.8kg、そして完全な黒色である尾を除いて標準的な色を有しています。

SCP-2036-1の子供、それ以降の全ての世代を総称してSCP-2036-2と呼称します。これらの子供たちは全て彼らの親世代の異常な性質を継承します。SCP-2036-2の体色は、個々に異なるO. cuniculusに類似した模様となっており、SCP-2036-1特有の黒色の尾は継承しません。

生きている間、SCP-2036の実例はミクソーマウィルス(Leporipoxvirus myxoma) への免疫遺伝子を持つという点以外で通常の個体との際立った相違を示しません2。全てのSCP-2036実例は心停止を自ら発生させることが可能です。この能力のメカニズムは現在のところ判明していません。SCP-2036実例は死亡した際、600℃以上の熱を生じさせつつ自然に燃焼します。このプロセスによってSCP-2036の全身が消費されますが、SCP-2036-1の場合は体重の10%に等しい99%無煙炭粉が生産され、SCP-2036-2の場合は体重の50%に等しい無煙炭に類似した結晶が生産されます。この結晶はダメージに対する高い耐性を有しており3、そしてSCP-2036-1特有のベータ・イベントの後に消滅します。SCP-2036-1の死亡後1-5日後、死亡時に発生する現象によく似た████℃にも上る温度の炎がこの結晶から発生します。この現象をベータ・イベントと指定します。イベントが終了に近づくにつれ炎の温度は下がり、そして生後2-3ヶ月と推定されるSCP-2036-1実例が再出現します。

SCP-2036-1及びSCP-2036-2から採取されたサンプルはこれらの燃焼特性を保持しません。

回収ログ: SCP-2036-1は20██-12-05、西オーストラリアで動物資源局へ寄せられた地元の滝近くで"巨大なワニが燃えている"という通報を受けて、機動部隊ι-10(別名"地上げ屋")によって███████付近で回収されました。回収時、全長2.5mの焼け焦げたイリエワニの体に開いた穴からSCP-2036が這い出してきて、湖底に沿って死体から逃げ隠れようとしている所で財団エージェントが発見・確保に至りました。

補遺-SCP-2036-1:
SCP-2036実例はいずれも、ほかのSCP-2036実例の死によって発生する高温に耐性を持ちません。複数の高温燃焼が連鎖発生する危険性を鑑みて、3体以上のSCP-2036-2個体が1か所に維持されることはありません。

補遺-SCP-2036-2:
事件記録SCP-2036-20██-Aの発生を受けて、現在野火の監視がオセアニア全土へ広げられています。

事件記録2036-20██-A
20██/12/29、財団の工作員が民間の苦情報告書に以下のキーワードを発見しました: "ウサギの群れが、隣家の裏庭で焼け死んでいた" この情報を受けて財団エージェントが捜索を行い当該家屋を発見しましたが、家屋には放棄された研究施設と粗製の黒曜石ナイフで壁にピン止めされた以下の文書(塩蔵皮にLuritja方言で刻まれている)が残されているのみでした。

我々が初めてこの地に訪れたとき、貴様らは我々の仲間を苦しめ、そして我々を母なる大地から一掃しようとした。我々の兄弟たちのほとんどは貴様らを許すつもりでいる。彼らは調和に生きること、折衝による平和を望んでいる。

だが、我々は違う。

貴様らがこの地に齎した害獣が貴様ら自身に襲い掛かった時、我々はそれをあざ笑った。しかしそれだけでは我々の怒りは治まらない。我々は力を願い、その身を皮肉に満ちた復讐の刃へと変えようとしたが、失敗した。

故に我々は取引を行った。 Αετος4は[編集済み]と引き換えに我々の望む知識を喜んで与えてくれた。彼らは這いずる者どもにそれを使っていたが、それは同様に我々にも作用した。貴様らは血族の母を連れ去ったが、しかし彼女の子供たちは既に我々の土地全体に広がっている。これを我らが報復の始まりと知れ。

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