SCP-2039-JP
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財団記録・情報保安管理局より通達

インシデント2039-87/TGの発生に伴い、SCP-2039-JPは無力化されました。SCP-2039-JP収容プロトコルの一部はアーカイブ化され、財団職員であればセキュリティクリアランスを問わず閲覧が可能です。2020年8月10日以降にSCP-2039-JPへ割り当てとなった人員は、付与された権限に基づき現行版を閲覧してください。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ

アイテム番号: SCP-2039-JP

オブジェクトクラス: Keter Neutralized

特別収容プロトコル(アーカイブ版): SCP-2039-JPはその性質上、物理的収容は非常に困難であると看做されており、現在の財団による収容努力は主にメディアを通じたSCP-2039-JPに関連する情報の統制に焦点が置かれています。国連の国際海事機関(IMO: International Maritime Organization)及びその隷下組織である海上安全委員会(MSC: Maritime Safety Committee)の顧問として、財団フロント企業"Sea and Coast Passage社"の嘱託職員を派遣し、東シナ海周辺に於ける民間船舶の遭難及び武装勢力による洋上襲撃の可能性を含む事例に関して人的情報収集及びSCP-2039-JP実体の出現に伴う事象への対抗的情報統制を行います。

国際正常性維持盟約1(ISNP: International Status of Normality Pact)に基づき、SCP-2039-JPの出現或いはそれに関連すると考えられる事象が発生した場合、連邦軍海洋戦力群及び英国海軍極東艦隊は機動部隊ガンマ-6 ("大食らい")の招集に伴い、フォースプロバイダーとして必要な航空/洋上戦力アセットの提供を行います。

SCP-2039-JP実体の出現は不規則かつ予測不能である為、SCP-2039-JPとの接触を報告した全ての船舶は、機動部隊ガンマ-6指揮下の水上戦闘艦艇によって直ちに阻止し、SCP-2039-JPは無線操縦の標的艦が演習中に制御を失って漂流していたものとの名目の下、アスベストによる健康被害の検査を偽装した記憶処置が実施されます。収容活動中の艦艇がSCP-2039-JPと接触した場合、威嚇射撃を含む示威行為によってこれを撃退します。

当該海域の情勢を鑑みて、フィリピン政府に対しては米比相互防衛条約に基づく軍事行動の一環として連邦軍艦艇を所属不明の艦艇への対応を名目とした非公式航行を通知すると共に、対外的にはFONOP2の一環として位置づけられ、フィリピン海軍及びフィリピン沿岸警備隊は、本件に介して一切の介入を避けるよう通告されます。

説明: SCP-2039-JPは、起源不明の軍艦に似た艦容を有する実体です。報告される外見的特徴は、特に戦間期~第二次世界大戦期に各国で建造された大型の巡洋艦に共通する点が多いものの、このような艦艇を設計、或いは実際に建造・就役させた例は記録されていません。

SCP-2039-JP実体はフィリピン海南部を主な活動領域としていますが、SCP-2039-JP実体の出現は突発的なものであり、直接・関節を問わずその兆候或いは事象そのものの観測に成功した事例はこれまで存在しません。

SCP-2039-JP実体は当該海域に於いて主に民間船舶に対して襲撃行為を行っており、特に大型漁船、クルーズ客船、捕鯨船を好んで襲撃する傾向が見られます。逆に軍艦や哨戒艦艇が接近した場合は逃走を試みる傾向があり、急速な接近や至近の通過、威嚇射撃などの示威行動に対しては特に迅速に反応する為、初期収容の際はこれらの手段が有効です。

SCP-2039-JPはSIGINT3及び目視での観測による限り、如何なる電波及び可視光帯域での発信も行っておらず、船舶や地上の無線局からの如何なる交信も受け付けていない上、船旗や国際信号旗の掲揚も見られません。これらの特性から、SCP-2039-JPがどのような手段で襲撃の対象を選定しているのかは不明なままです。

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████号乗組員の遺品である撮影機材から回収された、SCP-2039-JP-Aと思われる実体を捉えた画像

SCP-2039-JPの目視及び記録された画像・映像によって判明している主な識別点は以下の通りです。

・乾舷の高い長船首楼型船体4
・艦首及び艦尾甲板上に配置された3連装砲塔: ソ連海軍が第二次世界大戦期に用いていたB-1-P砲システムの3連装型に相似した外観ですが、砲側測距儀などの付属構造物は外見上存在していません。
・箱形に近い塔状の艦橋と思われる上部構造物: 但し、乗組員の移動や見張りに用いられる張り出しや階段などは見られず、表面は極めて単純な平面によって構成されています。
・艦橋上に配置された単純な十字型のマスト: 通常、この種の軍艦に配置される主・副測距儀や信号ヤードなどは確認されていません。
・艦橋背後に配置された大型の煙突: 確認されている限りSCP-2039-JPが如何なる活動を行っている際にも排煙の排出は確認されていません。
・上部構造物の側面に片舷4基ずつ配置された単装砲群: ソ連海軍が第二次世界大戦期に用いていたB-13砲システムに相似した砲塔の形状を有していますが、砲員用の手摺やハッチは外見上見受けられません。
・この種の艦艇で一般的な、搭載艇及び艦載機の運用に用いられるデリックやカタパルト装置の欠如



補遺1_収容事案2039-C███: ████年██月██日、第24艦隊所属の大型ミサイル巡洋艦: USFS5クリュタイムネストラは東シナ海での哨戒活動中に、SCP-2039-JPと接触した漁業練習船(船名: ████████号)からの通報を傍受した事により、標準化された収容プロトコルに従ってSCPSクリマクスとして機動部隊ガンマ-6の指揮下に入りました。

SCPSクリマクスが現場に到着した時、SCP-2039-JPは既に████████号への襲撃を開始していた為、MTFガンマ-6司令部はSCP-2039-JPへの威嚇射撃を許可しました。Mk51 6インチ砲及びMk75 3インチ砲による数度の威嚇射撃の後、SCP-2039-JPは変針して増速、逃走の兆候を見せましたが、████████号もまたこれに追従する動きをとりました。この時点でSCP-2039-JPと████████号の距離は200ヤード以内で、かつ████████号の挙動予測が困難である事から、艦長はSCP-2039-JPへの直接射撃を具申しましたが、MTFガンマ-6司令部は████████号の操舵系統が既にSCP-2039-JPによって制圧されている可能性を考慮してこれを却下、艦を両者の間に割り込ませると共に、████████号に対する搭載艇及び艦載ヘリによる洋上介入部隊(MIT: Maritime Interdiction Team6)の突入準備を命じました。

SCPSクリマクスが指示に従って両者の間を通過する際、████████号が急な転舵を行った事によりSCPSクリマクスと接触、これによって████████号は大きく損傷し、複数の乗組員が海に投げ出されるのが確認されました。SCP-2039-JPはそのまま逃走、SCPSクリマクス艦長は████████号の救助活動許可を要請しましたが、MTFガンマ-6司令部はSCP-2039-JPによる汚染リスクを懸念してこれを却下、海域からの離脱と自艦に対する除染処置を命じました。

████████号は船殻に生じた破孔によって浸水、数時間後に沈没し、生存した乗組員は後に現場に派遣された(財団管轄外の)連邦軍及び英国海軍艦艇とフィリピン海軍・沿岸警備隊によって救助されました。乗組員██名のうち、9名が死亡、船長を含む5名が行方不明となっています。全ての生存者は隔離された後、財団によって身体検査及び心身回復措置を提供されました。

事件の経緯は、収容プロトコルに設定されたカバーストーリーに基づいて一般に公開されましたが、USFSクリュタイムネストラが現場に到着していながら████████号の救助を一切行わなかった事が後にネットにリークされた事で事態は(SCP-2039-JP事案の範囲外で)大きく政治問題化し、当時艦長であった█████████████・██████大佐の除隊という事態に発展しました。



インタビューログ2039-819

回答者: ██████・██████氏(████████号 一等航海士)

質問者: チェン・カイディ収容担当官

前書: 収容事案2039-C███の生存者は、隔離後にインタビューが実施されました。以下は、生存者の一人である████████号の操舵手に対するインタビューの抜粋です。特にSCP-2039-JPとの接触中に観測された不可解な████████号の挙動に関する内容に焦点が置かれました。


<記録開始>

カイディ: 米軍の艦艇が接近した時、あなたが操舵を行っていた事は間違いありませんか?

██████氏: ああ。あの【侮蔑表現につき削除】は私たち全員、唖然としたよ。

カイディ: あの軍艦は、あの船からあなた方を守ろうとしたのですよ。にも拘わらず、あなたはそれに逆らうような操舵を行った。

██████氏: 冗談じゃない、私の操船を邪魔した挙句に衝突した事を"守ろうとした"とは言わんだろう?

カイディ: わかりました。質問を変えましょう。報告では、████████号はあの船についていこうとする動きを見せたとありました。その意図についてご説明いただけますか?

██████氏: あの船に近づいていけばきっと素晴らしいものが待っていると思わせるようなものがあった。それで私たちはみんな安心したんだ。

カイディ: 彼らとは何です?

██████氏: あの船から乗り込んできた連中さ。とても人間には見えない姿だったし、一言も発さなかったけど。

カイディ: あなたは、それに違和感を感じませんでしたか?

██████氏: 全く。いや、あんたの言いたい事は良く分かるよ。だけど、あいつらが乗り込んできた時の事はよく覚えていないんだ。今思えば奇妙な話だが、あの時は全くそれが自然に思えたんだ。

カイディ: なるほど。それでは、彼らは乗り込んできた後、あなたに何をしましたか?

██████氏: 奴らは████みたいなもので俺の頭を掴んで、それから言葉を使わずに訴えてきたんだ。"████████████彼女に██を████████████。██████████████、████の██は████を、████は████の████に██されて██████となり、████████████████████████へ。████、████、████”と。これだけは何故かよく覚えてる。いや、頭から離れないといった方が正しいかな。

カイディ: あなたは、それを示すものが何なのか理解できましたか?

██████氏: いいや、全く。

カイディ: にも拘らず、あなたはそれに従って舵を切ったのですか?

██████氏: ああ、あの時はそれが一番正しい様に思えたし、何よりもあのメッセージはとても安心できたからね。何人かはあの船が離れていくときに海に飛び込んだようだけど、無理もない事だと思うよ。

<記録終了>


後書_1: インタビュー前の身体検査記録では、██████氏を含む乗組員の大半から、極めて複雑な組成を持つ未知の化学物質が検出されていました。これは、SCP-████-█やSCP-████-█の周辺で確認されたベクターと極めて近い分子構造を持つ事が後に明らかになりました。██████氏は明らかにその影響によって心神喪失或いは耗弱状態にあったと考えられます。

後書_2: インタビュー中に██████氏が発した一連のフレーズは、SCP-████への言及が含まれると考えられます。他の生存者にも同様の言及が記録されているため、全てのインタービュー担当者は、インシデント2039-87/TG後の情報共有を切欠として異動を命じられました。





















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