SCP-2054-JP
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アイテム番号: SCP-2054-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2054-JPの周辺は全てフェンスで囲われ、周辺地域にはカバーストーリー「土砂崩れによる周辺封鎖」の流布が行われます。周辺には常時3名の警備員を配置し、一般人が内部に侵入することを阻止してください。SCP-2054-JPの異常性は個人の氏名に起因すると考えられているため、SCP-2054-JPに関わる全職員は必ず自身の戸籍と登録している氏名の確認を行い、月に1度担当者に報告してください。やむを得ず氏名を変更することになる場合は即座に担当者に報告し、指示を仰いでください。またSCP-2054-JP-1に対して不用意な接触及びSCP-2054-JPの知識または昭和20年代以降の日本の動きに関して会話を試みることは禁止されています。

説明: SCP-2054-JPは██県の山間部に存在する廃村を中心とした面積2.4km2ほどの領域です。SCP-2054-JP内部は酷く荒廃しており、現存している家屋、田畑、その他建造物全てが長期間放置されていることが推測されます。過去の文献から19██年頃までは約37名の住人がSCP-2054-JPの元となったと思われる村に居住していたことが判明していますが、第二次世界大戦終結以降の記録が消失しているため、現時点での住人の消息は不明です。

SCP-2054-JPの異常性は内部に人間が侵入することで発現しますが、その内容は特定の条件下により変化します。内部に侵入した人間が日本国籍を所有し、尚且つ登録されている名前に「イネ目イネ科の植物を表す文字1」が含まれていた場合、侵入者の肉体は急速に周辺大気に拡散、消失します。この際に消失した人物を追跡、または消失自体を阻止する試みは現在まで成功していません。

上記の条件に該当しない人間が領域内部に侵入した場合、侵入者はSCP-2054-JPと構造のよく似た村の内部に転移します(以降転移先の村をSCP-2054-JP-Aと表記)。SCP-2054-JP-Aの内部はSCP-2054-JPと酷似していますが、SCP-2054-JPと異なる点として、村全体が整備されていることが挙げられます。更に人間が使用した形跡のある日用品や家具なども現存しており、それらの状態からSCP-2054-JP-Aは昭和10~20年代頃の景観を常に保っているとされています。しかし田畑や花壇、道端、さらには家屋の藁ぶき屋根など本来ならば植物が生えている、もしくは植物が使用されていると推測される場所はSCP-2054-JPと同等もしくはそれ以上に荒廃しており、数度の調査によりSCP-2054-JP-A内部には被子植物では最も大規模な科とされるイネ目イネ科に属する植物がほとんど生息していないことが判明しています。

SCP-2054-JP-Aには知性を持った人型実体が1体存在します(以降SCP-2054-JP-1と表記)。SCP-2054-JP-1は20~30代の女性の外見をしており、腰丈の着物にもんぺといった太平洋戦争中の婦人標準服を身にまとっています。SCP-2054-JP-1はSCP-2054-JP-A内部に存在する一軒の家屋の縁側に座っていますが、まれにSCP-2054-JP-A内部を徘徊している場合があります。SCP-2054-JP-1は意思疎通が可能であり、こちらからのコンタクトに対し友好的に応じます。しかしながらSCP-2054-JP-1自身はSCP-2054-JPの異常性を一切理解していない素振りを見せており、またSCP-2054-JP-1の言動は、対象の有する知識および行動規範が昭和10~20年代の水準を維持していることを示しています。

先述したSCP-2054-JPの影響を受ける「イネ目イネ科の植物」はSCP-2054-JP-1の知識及び記憶に由来していると考えられています。これは初期実験の中でSCP-2054-JP-1にSCP-2054-JP-Aに存在している数少ないイネ目イネ科の植物を教えた際、その植物が即座にSCP-2054-JP-A内から消滅したことから考えられた仮説です。

補遺: Dクラスを用いたSCP-2054-JP-1との接触実験の際、SCP-2054-JP-1からSCP-2054-JPの起源に関する証言を得ることができました。以下はその際の記録の抜粋です。

接触記録2054-JP-004からの抜粋

D-45773-JP: じゃああんたはここでずっと人を待ってるのか?

SCP-2054-JP-1: ええ、そうね。ずっと待ってるわ。だってあの人絶対帰ってくるって約束してくれたんだもの。

D-45773-JP: あの人?

SCP-2054-JP-1: 将来一緒になろうって約束してくれたわ。赤い紙をもらってあの人は遠くへ行ってしまったけれど、稲がこの村から無くなる頃にはきっと帰ってくるって言ってたの。みんなの手伝いができないのは残念だけど、帰ったらお弁当を持って椎の丘に行こうって。だからもう帰ってくるわ。この村には稲が無かったでしょう?

D-45773-JP: え?…あ、ああ、そうだな。確かに無かった。

SCP-2054-JP-1: そうでしょう?それにね、あの人が稲に似た植物、いっぱい教えてくれたの。だからそれも無くなったらもっといいかなって。あの人がいってしまった後も、村の人たちや旅の方にいろいろ聞いたの。全部もうこの村には無いの。だからもう帰ってくるわ。もう稲は無いんだもの。れんたろうさんもきっと安心して帰ってこれるわよね。稲はもう無いんだから。

SCP-2054-JP-1の証言と過去の文献をもとに調査を行った結果、██県出身であり19██年に陸軍へ徴兵された竹内廉太郎氏がSCP-2054-JPの関係者もしくは起源の一人である可能性が非常に高いことが判明しました。竹内氏は終戦後日本へ帰還、その後██県行きの列車に乗車した記録を最後に消息を絶ち、現在も行方不明となっています。

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