アイテム番号: SCP-2080-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2080-JPは、サイト-8181に存在する低危険度物品収容庫に収容されます。SCP-2080-JPを使用した実験には、クリアランス3以上の職員の許可が必要です。未発見のSCP-2080-JPおよびその摂食者は、フィールド・エージェントおよび財団運営botによって捜索され、発見された場合は回収・確保の後に関係者に対して適切な記憶処理が施されます。
確保されたSCP-2080-JP摂食者の肉体への影響が初期に留まっていた場合、外科的に体内からSCP-2080-JPを除去したのち、適切な記憶処理を施して解放されます。既に中期以降へ到達していた場合は、サイト-8181に存在する標準人型生物収容房へ移送され、財団の管理下へ置かれます。関係者に対しては、カバーストーリー「身体疾患による長期入院」が流布されます。
説明: SCP-2080-JPは、ヒト(Homo sapiens)の体細胞に限定的な異常を発生させるヒメコウゾ(Broussonetia kazinoki)の実です。外見的特徴や遺伝的組成は通常のヒメコウゾの実と完全に一致していますが、不明な理由により時間経過による品質の劣化が発生しません。
SCP-2080-JPの異常性は、性交経験のある人物がSCP-2080-JPを摂食した場合に段階的に発現します。初期において、SCP-2080-JPは摂食者(以下、"対象"と記述)の胃に到達した時点で消失し、5~6時間ほど後に対象の尿道内で約1.5mmのヒメコウゾの種子となった状態で出現します。このとき、SCP-2080-JPが生理作用によって自然に排出される例は確認されていません。中期において、SCP-2080-JPは環境条件が不十分であるにもかかわらず発芽し、尿道内の体細胞を自身と同化させながら急速に成長していきます。対象は物理的圧迫および肉体的変化によって非常な出血や激痛を伴い、中期終了以降は一切の排尿行為が不可能になりますが、対象は問題なく生命活動を継続できます。SCP-2080-JPが尿道内の体細胞の60%以上と同化を完了した後期において、SCP-2080-JPは精巣・卵巣に根を伸ばしつつ先端は性器を通過して体外へ露出します。体外へ露出した後、SCP-2080-JPは上方向へ2~4mほど伸びたところで成長を停止し、3~4時間かけて非異常性のヒメコウゾの実をつけた後に非活性化します。この時点で対象の性器は肉体的損傷により生殖機能を完全に喪失しており、対象のうち約20%は中期・後期における出血や肉体的ショックが原因で死亡します。
SCP-2080-JPは、2016/08/10にGoI-1958("夏鳥思想連盟")に関連する企業で勤務していた男性社員3名および女性社員4名が同オブジェクトの被害に遭ったことにより発見されました。社員7名が兆候なく全員同日に無断欠勤したことを不審に思った同社の幹部が、各々の様子を確認するよう部下に指示したところ、7名全員が自宅で意識を失っており、その性器から由来不明の植物が生えていることが発見されました。また、そのうち女性社員2名が既に死亡していたことから地元警察・病院へ連絡が行き、財団がこのオブジェクトの存在を認識することになりました。
以下は、前述した事件の被害者である大野幸三氏に対して実施されたインタビューの記録です。
補遺2080-JP-001: 2016/10/19において、SCP-2080-JPが一部の過激派反出生主義者のコミュニティ内で流通していることが確認されました。当該オブジェクトの販売を行っていた板野浩司氏の身柄は拘束しましたが、既に相当数のSCP-2080-JPが市場に流出したと思われるため、日本支部理事会の決定によってSCP-2080-JPは未収容と判断され、オブジェクトクラスがEuclidへと変更されました。以下は、板野浩司氏に対するインタビュー記録です。