SCP-2083-JP
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アイテム番号: SCP-2083-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-2083-JPはその異常性を消失しました。SCP-2083-JPの死体はサイト-8102内にて保管されています。

旧特別収容プロトコル: SCP-2083-JPはサイト-8102内の大型爬虫類用収容室にて収容されます。収容室内は麻酔銃で武装した警備員2名によって常に監視し、SCP-2083-JPが脱走の兆候を見せた場合狙撃して実体の行動を阻害して下さい。また、SCP-2083-JPの継続的な収容のため、週に3回エージェント・早坂による長距離走の指導を行う事が義務付けられています。

説明: SCP-2083-JPは甲長1.2mのギリシャリクガメ(Testudo graeca)の外見をした転移能力を持つ実体です。大きさ以外の外見・身体構造に通常のギリシャリクガメとの差異は見られないにも関わらず、哺乳類と同程度の低温耐性と知性を持ち、日本語による会話能力を有しています。

SCP-2083-JPは午前3時~7時の間に神奈川県内のジョギングコースや陸上競技場で走っている人間(対象)の視界内に出現し、自身と競走を行う事を要求します。対象が拒否した場合、SCP-2083-JPは対象を罵倒します。この際対象は強い競争心を抱き、結果的に要求を承諾します。

対象が承諾すると、SCP-2083-JPは自身から1km~5km離れた地点を「ゴール」として指定し、対象と徒競走を行います。この際SCP-2083-JPは二足歩行で移動し、人間と同様に走る事が可能です。しかし、SCP-2083-JPが走っている対象の後方10m以内に侵入した場合、当該実体のみに影響する局所的な時間遅延が発生します。この影響はSCP-2083-JPが対象に接近する程増大し、対象と同地点に到達した時点で完全にその場に停止します。この現象は対象がSCP-2083-JPの100m前方に移動する事で解除されます。

競走中に特定の条件を満たした場合、対象は直後に強い眠気に襲われ、殆どの場合その場に停止してSCP-2083-JPがゴール地点に到達するまで眠り続けます。条件は以下の通りです。

  • 対象がSCP-2083-JPよりも先にゴールから100m離れた地点まで到達する。
  • 対象がSCP-2083-JPを500m以上引き離す。

この影響は事前にカフェインを多量に摂取する事で軽減が可能です。また、対象が眠っている場合には前述の時間停止現象は発生しません。

SCP-2083-JPはゴール地点に到達すると対象を付近のベンチの上や街灯の下に運んだ後に消失し、他の対象の元に再出現します。

発見経緯: SCP-2083-JPは20██/3/25、神奈川県██市の██公園にて昏睡した30代の男性を抱えて歩いている所をエージェントに発見され、財団にその存在を認知されました。

以下はSCP-2083-JPと遭遇したエージェントがSCP-2083-JPに対して行ったインタビュー記録の抜粋です。

その後も同様の目撃情報が相次いで報告されたため、複数名のエージェントによる捜索チームが派遣されました。現在までSCP-2083-JPの確保は成功していません。(補遺1を参照。)

補遺1: 20██/7/██、捜索チームの一員である元長距離走者のエージェント・早坂がSCP-2083-JPに遭遇した際に当該実体との競走に勝利しました。エージェント・早坂がゴール地点に到達した直後にSCP-2083-JPは倒れ込み、激しく動揺した様子を見せながら消失しました。当事件発生から数日後、サイト-8102内にSCP-2083-JPが突如出現し、エージェント・早坂との面会及び自身への長距離走の指導を要求しました。

以下はSCP-2083-JP出現時に行われた会話記録です。

議論の結果、継続的な収容のためにSCP-2083-JPの要求は受け入れられる事が決定し、現在の収容プロトコルが制定されました。現在SCP-2083-JPは職員に対して友好的に振る舞い、これまで脱走の兆候を見せていません。

補遺2 インシデント2083-JP: 20██/6/██以降、SCP-2083-JPは長距離走の指導を拒むようになり、精神状態の著しい悪化が観測されました。現在SCP-2083-JPは職員に対して敵対的な態度を取り、会話を拒絶する傾向を見せています。

事案2083-JP:

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