アイテム番号: SCP-2100
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: サイト██は南極大陸極点のSCP-2100上部に建てられます。SCP-2100は公式にはアイスキューブ・ニュートリノ観測所として取り扱われます;隠蔽組織はウィスコンシン大学マディソン校で設立されました。
補遺-2100-1: 財団による事象2100-オメガの隠蔽計画が進行中です。天文地図の遡及的な改変、必要に応じての適切な記憶処理の実施、事象2100-オメガの影響に関する資料出版の監視・防止作業が進められています。
サイト██は標準的な維持管理と、SCP-2100構成要素の完全性と機密性を維持するために警備職員が配置され、永続的に活動を維持することになっています。
説明: SCP-2100は地球外存在が起源と推測される、巨大な地下施設です。SCP-2100は2,718階で地下7,390mに広がり、約738,905m2の床面積を持ちます。周辺の岩石の地質学的分析によりSCP-2100は12億5300万年前(±200万年)に現在の位置に造られたことが判明しています。小規模の裂け目は、南極プレートがSCP-2100の周囲を横滑りする事で部分的に破断されたことを示します。
196█年の研究により、SCP-2100は地球の中心に向かって(未知の手段によって、地球の中心核へ向けられます。)高密度のニュートリノ流を永続的に放射していることが確認されています。地球の相対位置や向きに関わらず、このビームは天の川銀河のバルジが位置する固定座標点への焦点を維持しています。
SCP-2100は完全にマッピングされており、3つの主要な機構はSCP-2100-1から-3と指定されました。2100-1は25~29階から成るエリアで、出入力コンソールのディスプレイが集まっています。施設全体に張り巡らされた導管が中継点に接続され、最終的に2100-1へと行き着く事実は、2100-1が施設全体の管制センターであることを示しています。2100-1のディスプレイは警戒状態で起動しており、グラフィックと判読不能な異星言語の組み合わせによって、リアルタイムの情報を絶え間なく表示しているように見えます。この情報はシステムとこの言語への知識なしでは殆ど理解できません。より多くの情報を得るために、2100-1を操作し、情報を読み取る試みが進行中です。(文書2100-114参照)2100-1のディスプレイは不能になり反応しません。
2100-2は最下層の271階1から成るエリアで、ニュートリノ伝送ビームの発信源です。当エリアは、2100-3によって生産されるニュートリノを平均密度2.7京個/cm2かつ直径271mのビームとして指向させる巨大な集束機構を保持すると考えられています。
2100-3は1223~1495階の中心区画から成る完全な球体部です。2100-3の赤道線に沿って、シャッターが付いた数百の透明な覗き窓が配置されています。シャッターが閉じられていない時、これら覗き窓は可視光線の限られた濾光波長を通過させます。視覚的表示は、2100-3が小型の中性子星と思われるもの(2100-4に指定されます。)を収納している様子を示します。2100-4は直径400mで周回速度は0.5msです。重力および電磁気の測定は、2100-4付近での天体の通常の活動をまったく捉えられません。2100-4が重力場と電磁場を発生させていないか、または2100-3がそれらを効果的に防いでいます。
主要な機能に加え、SCP-2100は放棄された異星人の居住区と思われる小さな区画、複数の目的不明の巨大な空洞、2100-1、2100-2、2100-3を繋ぐ約27.1億mの導管を内包しています。
文書2100-114: 映像記録2100-イプシロンの一部複写
前書: 196█/07/10、異星言語や管制ディスプレイ、配管図についての█年に及ぶ研究の後に、制御コンソールを操作する初めての試みが行われました。サイト██主任研究員P█████博士を含む、54人の研究員が作業に当たりました。P█████博士の指揮の間、27人の研究員が各管制ステーションの前で待機していました。ディスプレイは稼働しています。
<記録開始>
00:00:01 - P█████博士は複数の補佐官と話しています。00:00:12 - P█████博士: それでは始めようか。ステーション・シータ、リハーサルした通りにコントロール8ダッシュ12を押してくれ。
00:00:19 - "文章"表示で埋まっていたディスプレイがグラフィック表示に切り替わり、回転する巨大な球体を大きく映し出されました。
00:00:34 - P█████博士: よし。ステーション・ラムダ、1ダッシュ12のダイアルを反時計回りに10度回してくれ。よし、15度。20。25。28はどうだ?
00:00:46 - ラムダ制御担当: これ以上回せません、限界です。
00:00:50 - P█████博士: 確認だ、最大ダイアルは約27.1度だな?
00:00:56 - ラムダ制御担当: はい。
00:00:58 - P█████博士: 想定通りだな。
00:01:04 - P█████博士はラジオヘッドセットで話しています。
00:01:04 - P█████博士: チーム・シグマ、予想されたダッシュ-4への変更が可能か確かめてくれ、どうぞ?ネガティブ?了解した、どうぞ。
00:01:12 - P█████博士: 結構。諸君、我々はシミュレーションモードを操作できているようだ。予想したとおりに。実験二○三○を続ける。
00:01:15 - P█████博士: ステーション・ミュー、コントロール3ダッシュ1を押してくれ。うむ、大きな楕円形の奴だ。
[簡潔さの為に記録編集。完全な記録は文書2100-117を参照。]
04:05:14 - P█████博士はラジオヘッドセットで話しています。
04:05:14 - P█████博士: はい、その通りです、基礎的な操作のコツを掴めたと思います。回転速度、光度、融合率、温度、重力子の放出さえ予想通りに調整出来ました。いえ、磁束場は確実には変更できませんでしたが、実験七七において無視できない逸脱が確認できました、どうぞ。はい、コンソール・アルファがリアルタイムの変化を与えると確信しています、どうぞ。確認しました。どうぞ。間違いありません。では通信を終えます。
04:08:22 - P█████博士: よし、諸君、各自ステーションに戻り、実験二○四二で再現してみよう。
[簡潔さの為に記録編集。完全な記録は文書2100-117を参照。]
04:25:33 - P█████博士はラジオヘッドセットで話しています。
04:25:33 - P█████博士: チーム・シグマ、光度調整確認の準備をしろ、思いだせ、0.001%以上の変化は期待していない、オーバー。
04:25:47 - P█████博士: よし、アルファ、私の合図に従いコントロールアルファ-アルファ-1を押してくれ。大きい奴だ。
04:26:00 - P█████博士: 今だ。
04:26:02 - P█████博士: チーム・シグマ、光度の変化を確認してくれ、どうぞ?
04:26:06 - P█████博士: 了解!コントロールしたぞ!素晴らしい…
04:26:10 - 会話が中断しました。部屋にいる全員が瞬時に意識を失いました。P█████博士、アルファ・ステーション担当、ブラボー・ステーション担当の研究員は消失。全ディスプレイが暗転します。
04:26:25 - 医療スタッフがSCP-2100-1に駆け込み、チームの蘇生を始めました。
04:29:14 - 後遺症もなく、チーム全員が回復しました。
<記録終了>
フレーム画像分析: 以下は映像記録2100-イプシロン04:26:09頃のフレーム分析です。映像は33ms毎のフレームで、1秒間30フレームを撮影されました。
04:26:09:000 - P█████博士はアルファ・ステーションの後ろに立っています。異常な活動は見られません。
04:26:09:033 - 2つの未知の実体が現在部屋の中央に存在します。解像度は低いですが、実体は宙に浮いたプラタナス類の種子の形をした歪みに見えます。それらを照らすいくつかのスポットライトがあり、映像ではやや半透明に見えますが、大きな影を落としており、それらの推測される形状より長く、複雑に歪んでいます。
04:26:09:066 - 実体は現在別々のディスプレイパネルの前に居ます。実体は今まで知られていなかったアクセスハッチを開き、内部のハードウェアと接触しています。研究員達が意識を失い始めます。
04:26:09:100 - ハードウェアの集まりが実体の最初に現れた部屋の中央で浮遊します。ハードウェアはコンソール内部の物と推測されます。P█████博士、アルファ・ステーション研究員、ブラボー・ステーション研究員はハードウェアの近くで胎児のような姿勢で浮遊します。
04:26:09:133 - 実体、ハードウェア、P█████博士は消失し、全ディスプレイパネルが消えます。更なる異常な活動は記録されませんでした。
最終注釈: 事象2100-イプシロンの後、全ディスプレイは消えました。SCP-2100-4は元の光度に戻りました。ディスプレイを操作する更なる試みは失敗に終わりました。更なる異常実体の目撃または証拠、及び職員の消失は報告されませんでした。
文書2100-154: マサチューセッツ工科大学、S█████博士からの覚書
196█/01/08
F█████博士へ
君の相当に変わった質問に応じて、相対性理論が光より速く伝わる信号を決して許容しないという事に念を押しておく。質量を持たないステライルニュートリノ2であってもだ。超光速粒子の可能性を探る著名な物理学者もいないことはないが、とうの昔に全盛期の過ぎた変わり者ばかりだ。なぜ君がこの問題を調査するのか見当も付かない、創作の手習いかね?まあ繰り返し言っておこう;光よりも速く移動できる物質は無い。
だが、敢えて常識を放り捨て、ぼんやりフィクションの世界に耽ることにしよう。添付しておいた計算結果から見て取れるように、君の言う理論上の"ビーム"は目的地まで27,000光年掛かる。したがって、瞬間的に伝達させるには光速のおよそ100兆倍は必要だ。君のちょっとした理論上の飛躍に必要なエネルギー量は言うまでもなく無限大だが、図3.2を見てもらえば分かる通り、一度でも君が光速を越えてしまえば、実際に必要なエネルギー量は君が速くなるほど減少する。"自身を重くする"エネルギーが増大するほど君は遅くなる一方で、エネルギーの損失は君を加速させる。この新しい理論上の宇宙において、もしまだ相対性理論が意味を持つのなら、図4.1から分かるように、光より早く移動できる存在はまた時間的閉曲線に沿って移動する能力を持ち合わせており、これは空間と同じように時間をも移動できるという事を意味している。そのような装置を製造するのに必要な資源に関する最後の質問については… 漠然と推測することすら不可能だよ。世界中の全ての国を好き勝手に使えてもまだ足りないとだけ言っておこうか。
寄付をありがとう。再び君から連絡が貰えて嬉しかったよ、君の今後について健闘を祈る。
敬具
S█████博士
文書2100-421: 事象2100-オメガの概略