SCP-2100-JP
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財団記録・情報保安管理局より通達

最新のプロトコルへの経緯の理解のため、担当職員には経緯に沿った報告書の閲覧が義務付けられています。

以下に示す文書は、報告書の初版です。
現在と異なる事実認識が含まれることに留意してください。

本文書の原本は1884/01/15に編集されました。

アイテム番号: SCP-2100-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2100-JPは固有の現象であるため、確保することができません。代替の対応として、SCP-2100-JPの描写を含む全ての情報ソースは監視され、一般市民に知られることがないようにします。既にSCP-2100-JPに関する情報を認知している者が発見された場合、超心理学1研究を担うフロント研究機関を通じて適切なカバーストーリーを流布してください。

新たなSCP-2100-JPの聴者を発見するため、全土に配置されている駐在職員は地域住民による手紙や電信、交霊会の内容を定期的に確認します。新たな聴者が発見された場合、当該人物を科学研究の名目で徴用し、(一般)心霊現象研究協会 (The Society for "Common" Phychical Research) の管理下に置いてください。同協会に所属する職員は当該人物のSCP-2100-JPに関する体験に対して"気のせい"/"聴覚疾病"/"浮遊霊の仕業"等の各種カバーストーリーを付与し、体験を個別の些末な現象であるように誤認させてください。

収容手順追記(1878/1/18): 世界各地の領地/植民地に伝わる歴史的/文化的/神話伝承の資料は収集され、SCP-2100-JPに類似する描写がないか精査されます。描写が確認された場合、当該資料を接収し、本国の王立研究機関へと移送するようにしてください。

説明: SCP-2100-JPは、一部の人間にのみ知覚可能な、空の上方より響く未知の歌声です。SCP-2100-JPを知覚可能な人間(以下、"聴者")によると、SCP-2100-JPは清らかで澄んだ女性の歌声であり、不定なタイミングで様々な短いフレーズを歌い上げるようです。SCP-2100-JPの聴取および記録の試みにより、これらのフレーズは全て既知の言語と一致しない未知の単語から構成されていることが判明しています。SCP-2100-JPの歌詞の意味、および歌唱の目的は不明です。

SCP-2100-JPは常に聴者の頭上の方向、空の上方より聴こえます。SCP-2100-JPの歌い手を確認するため聴者を伴った音源への接近実験が実施されましたが、音源は最も高い山岳であるモンブランよりも高所、雲よりも遥かに高い位置であると推定されるに留まりました。

音声記録2100-JP-1:2

補遺2100-JP.1: 古来からの関わり

SCP-2100-JPは、当団の注目を浴びる契機となった心霊主義の交霊会を通じた市民報告よりも以前、歴史上の初期の段階から人類に認知されていたことが判明しています。

古来からの関わりを示唆する描写は複数の古文書から発見されています。文明諸国に保存されている歴史的記録、各地の植民地や未開拓地に伝わる民間伝承には、SCP-2100-JPと類似する現象への言及が至るところで散見されます。またSCP-2100-JPの特徴と合致する存在は、世界中の歴史/文化/神話伝承の中にも多数認められています。これらのケースのうちいくつかは数千年以上前の記述であり、最も古い記録は数万年前に描かれたとされる壁画の中から発見されました。

歌声そのものと同様に、SCP-2100-JPの聴者は世界の各地で特別視されてきた歴史が存在しています。SCP-2100-JPの性質上、多くの聴者はこの歌声を何らかの神秘的体験とみなし、一種の宗教的奇跡として受容していました。SCP-2100-JPの宗教的受容例として、聴者が何らかの宗教の開祖となった例が3件、既存宗教における高位神職に就いた例が12件確認されています。また、SCP-2100-JPは魔術/錬金術の界隈では既に広く知られている現象であり、一部ギルド内では"星の歌声"または"天の歌声"として称され、現在も一種の超自然現象として親しまれているようです。

申し送り

以上を踏まえた特筆事項として、SCP-2100-JPの驚異的な普遍性が挙げられます。SCP-2100-JPという現象は特別脅威性のあるものではなく、聴者も人類全体に対して極めて限定されているため、通常であれば現象は一部地域に知られるのみに留まると考えられます。

しかしながら、SCP-2100-JPと同一の現象は南北アメリカ大陸やインド以東の国々でも報告されています。報告には音楽文化を解さないはずの未開民族の事例も含まれているようです。このことから、SCP-2100-JPの歌い手は時代/場所/民族を超越可能な、人間よりも高次の存在であると推測できます。

SCP-2100-JPの歌い手が聖霊や天使のような神聖存在であるのか、あるいは妖魔や悪魔のような存在であるのかは明らかになっていません。現状、唯一の決定的な事項はSCP-2100-JPの音源が上空に存在するという事実のみであり、研究は未だ途上の段階にあると言えます。SCP-2100-JPの更なる研究のため(実体は存在しないにせよ)本現象を低脅威オブジェクトとして収容対象に加え、本部にて研究を継続するよう要請致します。


編集者後記

SCP-2100-JPは、古来より一部界隈に知られる"天の歌声"をオブジェクトとして指定したものである。人類は遥か昔からSCP-2100-JPと付き合ってきた。しかしながら、歌がどこから聴こえるのか、歌い手は誰なのか、何を伝えようとしてるのか、未だ誰も知る者はいない。

人類が文明を築き上げて数千年、我らはようやく"不可解なるもの"に向き合えるように変化を遂げ始めた。このオブジェクトは歩みを始めた我らが相対すべき、最初のオブジェクトの1つである。

我らの団がこのオブジェクトを確保するためには、"空の上"のことを知り、彼方の歌い手に対面する準備を始めなければならない。SCP-2100-JPの担当者たる者、その心意気を忘れるべからず。"SCP-2100-JPとは、何か?" この問いかけを常に怠らぬように。

確保・収容。我ら王立財団に栄光を。我ら人類に天啓のあらんことを。

超常現象の確保収容に関する王立財団
専任高等研究官 Yurii Clocksworker

それでも貴方は往くと言うの?

本文書は1884/01/15に編集されました。

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