SCP-2108-JP
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2108a

SCP-2108-JP-A

アイテム番号: SCP-2108-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2108-JP-Aの屋上は封鎖されます。必要に応じて"事故防止のため立ち入り禁止"などのカバーストーリーを流布してください。また、夜間は警備員として財団エージェントがSCP-2108-JP-Aに駐在し、屋上へ到達可能なルート全てを監視します。

SCP-2108-JP-Bの動向は監視されます。万一SCP-2108-JP-Aの屋上に近づこうとした場合は拘束し、記憶処理を施したのち解放してください。

財団の監視機器ネットワーク上にてSCP-2108-JP-Cの出現が確認された場合は速やかに担当者に報告し、付近に待機するエージェントを派遣、これを破壊してください。

説明: SCP-2108-JPは東京都██市に存在するマンション"エービーハイム"と住人の八野 宮1及び全国で発生する要注意団体"蛸葦廃船"関連イベントにまつわる一連の異常現象です。SCP-2108-JPは奇跡論的見立て効果・霊地学的特異性・"蛸葦廃船"の性質の三要素が組み合わさった結果成立したと見られており、SCP-2108-JP-Bに分類される八野 宮氏はこの現象のトリガーであると目されています。

SCP-2108-JP-Aに指定されるマンション、"エービーハイム"はレイラインの直上に位置する建物であり、霊地学的に特殊な立地とされています。またSCP-2108-JP-Aを中心とするように八方向に幹線道路・一級河川・鉄道・レイラインが伸びており、その立地条件が奇跡論的見立て効果を生み、"蛸葦廃船"の呼び水となったと推測されます。

SCP-2108-JP-Cは、SCP-2108-JP発生以降不定期的に日本全国の"蛸葦廃船"の関連イベントが発生したエリア近辺に出現する弱度の反ミーム性を持つ輸送機械類です。発生したポイントによりSCP-2108-JP-Cの取る形態は変わりますが、SCP-2108-JPは確認されたすべての事例で本来駆動が不可能なレベルの損傷が確認されるのにも関わらず無人で駆動しており、また何某かの発光可能な機構を点滅させて走行します。すべてのSCP-2108-JP-C実例はどこかに必ず"5289"の数字列が刻まれており2、一様に東京、ないしSCP-2108-JP-Aのある方面を目指します。SCP-2108-JP-Cは損壊した状態にも関わらず無人で駆動する、異常な後述のように生物に変態するなどの異常性や消失・再出現するという振る舞いから予期される目撃時のパニックが一例も報告されていないことから反ミーム的性質を有していると考えられています。

SCP-2108-JP-Cは空間転移能力と自らの形態を変異させる特性を有しています。SCP-2108-JP-Cは発生ポイントから一定距離移動した時点で消失し、SCP-2108-JPが発生した際にSCP-2108-JP-Aの周囲半径2km以内に再出現します。再出現するポイントはSCP-2108-JP-Cの形態により変動します。再出現した後、SCP-2108-JP-CはSCP-2108-JP-Aの付近まで移動し、その後セイヨウミツバチ(Apis mellifera Linnaeus)に変化しSCP-2108-JP-Bのもとまで飛行します。セイヨウミツバチ態のSCP-2108-JP-Cは異常な特徴として尾部をホタル科の昆虫のように発光させながら飛行する性質を持ち、また走行/飛行中のSCP-2108-JP-Cの発光機関ないし尾部の点滅をモールス解析すると7・7・7・5音調の現代日本語と思しき文章が示唆されます。

SCP-2108-JP-Cの形態 出現ポイント 再出現ポイント 示唆された文章
烏賊漁仕様の釣り船 愛知県日間賀島沖 ██川3 蛸葦釣果 女王に捧ぐ 旗を掲げて 今参る
トラック車 長野県██市路上 国道██号4 求める声に 応えて走る 君のため行く 廃船だ
貨物鉄道車両 京葉臨海線路上 JR線路上 女王の求む 蛸葦の蜜 我ら廃船 巣に集う
郵便バイク 神奈川県██市路上 国道██号 集めた蜜と 蛸の言伝 大丈夫だよ 女王様
宅配車 宮城県██市路上 国道██号 こんな廃車を 求めてくれる 我らが女王に 愛を乞う

夜間にSCP-2108-JP-BがSCP-2108-JP-Aの屋上に登った場合、マンションの敷地直下を通るレイラインが一時的に活性化し、付近のランダムな街灯もしくは信号機が一定のパターンで点滅を繰り返します。これらの現象を以てSCP-2108-JPの発生と定義されます。また、この際発生する点滅をモールス解析したところ以下の文言を示しました。

蛸葦求め 触手を伸ばす 女王の下に 今集え

SCP-2108-JPは3つのプロセスを経ます。第1段階でSCP-2108-JP-BがSCP-2108-JP-Aの屋上に登りSCP-2108-JP発生イベントが起き、第2段階では1つ以上のSCP-2108-JP-Cが上述の通りSCP-2108-JP-Aから半径2km以内の範囲に再出現し、セイヨウミツバチ態に変化、SCP-2108-JP-Bのもとまで飛行します。第3段階としてセイヨウミツバチ態のSCP-2108-JP-CがSCP-2108-JP-Bと接触、通常のセイヨウミツバチは保持しないはずの毒針をSCP-2108-JP-Bに刺します。この直後SCP-2108-JP-Cは観測が不可能になり、同時にSCP-2108-JP-Bのミーム濃度が上昇します。SCP-2108-JP-Cの消失を以てSCP-2108-JPは終了とみなされます。SCP-2108-JP終了後にSCP-2108-JP-Bの行動に平常時からの変化が見られることがありますが、これもSCP-2108-JPの影響であると考えられています。


インタビュー後、SCP-2108-JPのおおよその性質及びその振る舞いを収容チームが把握し、特別収容プロトコルが制定・試験的に実行されました。SCP-2108-JP-Bには記憶処理が施され、SCP-2108-JPと接触した記憶が全て消去されました。プロトコル実施の結果としてSCP-2108-JP-Bは現在に至るまで一度もSCP-2108-JPのトリガーとなる行動を取っておらず、SCP-2108-JPの発生は抑止されています8。SCP-2108-JP-Bには軽度な社会的不感症の傾向が見られますが、これはSCP-2108-JP接触以前からのものであり、現行のプロトコル下ではSCP-2108-JPの収容に際して考慮する必要はないと判断されました。

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