以前の場所から財団が取得した際に撮影されたSCP-2124の写真。
アイテム番号: SCP-2124
オブジェクトクラス: Safe (実験2124-09に続き、審査待ち)
特別収容プロトコル: SCP-2124は最低でも50×50×10cmの安全な保管ロッカーに収容してください。このロッカーは、SCP-2124の状態悪化を防止するため、実行可能であれば無菌かつ無水分の気密状態を維持してください。
長さ20cmの██████ブランドの包丁に合わせて成形された型枠が、実験2124-04に続いてSCP-2124の内部に入れられています。除去は可能ですが、上級研究員1名またはレベル3クリアランス以上の他スタッフメンバーに承認を受けた実験中は、型枠を内部に保たなければなりません。標準的な保管中、全てのSCP-2124-1実体は箱の中に、理想としてはその型枠の中に戻さねばなりません。
SCP-2124の実験は、フォームF-2124-01の提出後、レベル2クリアランス以上のスタッフから許可を受けて実行可能です。実験2124-09に続き、SCP-2124の実験はレベル4クリアランス以上のスタッフが直接的に監督しない限りは禁止されています。
説明: SCP-2124は二層の茶色い段ボールで作られた大型のピザボックスです。SCP-2124には脂の残留物が含まれており、初期回収時には██████ ██████カビの成長の初期兆候を見せていましたが(標準的減菌処理の際に除去)、それ以外の点では製造年から見て良好な状態です。箱の上部には、恐らく黒のフェルトペンによる黒インクで、”気をつけろ! 見えないナイフが 箱の中”と書かれています。
SCP-2124の構成パーツは、警告表示のインクも含め、異常性を持たない標準的な材質で作られているようです。SCP-2124は損傷に対して他の段ボール製ピザボックスと同程度に脆弱であり、劣化を防ぐために実験中は注意しなければなりません。
意識的に”ナイフを拾う”または”ナイフを見つける”事を試みる人間は、SCP-2124-1実体と指定される、それらしいオブジェクトの発見に成功します。SCP-2124-1について述べる対象者は、頻繁に以下の語を用いてそれを記述します。
- 「ほとんど空っぽの空気のようだ」
- 「握り潰せそうに感じる」
- 「強く掴みすぎると手から滑り出しそうだ」
SCP-2124-1は、実体を掴んでいる対象者の(多くの場合、不確実な)言葉以外には、検出可能な重量や測定できる存在感を有しません。しかしながら、SCP-2124-1実体を使って物体を切断するように指示されると、その物体は鋭い包丁の切れ味と一致する形で切断されます。SCP-2124-1は目に見える労力無しに柔らかい物体を、軽い労力で肉や固めの物体を、中程度の労力で骨を、相当の労力を用いて鋼を、それぞれ切断することが可能です。
SCP-2124-1実体の正確な寸法および特性は、被験者と実験条件に応じて変化するように見受けられます。追加情報に関しては以下の簡略版実験ログを参照してください。
SCP-2124の内部は、標準的な検査では空のように見え、SCP-2124-1実体が存在する証拠は有りません。非人間的な相互作用(トング・ブラシ・金属探知機による走査)では一貫して空き箱であるという結果が導かれます。SCP-2124の内部を盲目状態で探っても同様の結果となります。
実験2124-03 - 2012/02/09
被験者: クラレント研究員。ナイト主任研究員と同僚の研究員たちによる外部からの監督下。
内容: 実験2124-01と2124-02によってSCP-2124の一般的な性質を確立した後、クラレント研究員は様々な物体、とりわけ標準的な包丁では容易に傷つかないようなものを切断するSCP-2124の能力を試験した。全実験は標準的な財団の実験室で行われた。
正常に切断されたオブジェクト:
- 落下する絹のハンカチ
- SCP-2124の小片
- 標準的なブラックアンガス種ウシのTボーンステーキ
- ステンレス製のネジ
切断に失敗したオブジェクト:
- 2カラットのダイヤモンド
- 財団収容向け品質の鉄筋
- SCP-████からの材質
- 実験室のセキュリティドア(細かい傷が残った)
- クラレント研究員が仕事をする義務 ― クラレント研究員自身が、彼女の周辺にある空気の中で振り回すような動作をすることで試験した。「やってみる価値はあったわ」とコメント。
実験2124-06 - 2012/02/19
被験者: Dクラス職員D-903、D-108、D-299。ナイト主任研究員と同僚による監督下。
内容: D-903とD-108が実験エリアに入るよう指示された。D-903は、ナイフを拾い、その後SCP-2124-1を用意された1切れのバターに可能な限り深く挿入することで効果を実証するように指示された。これは深さ20cmまで挿し込まれるという形で問題なく成し遂げられた。
D-108は、SCP-2124から新しいナイフを取るように指示された。D-108はSCP-2124-1を取得しようとして失敗し、SCP-2124の中身は空であると宣言した。
D-903は、ナイフをD-108に柄の方から渡すように指示された。D-903は「刃の安全な方」[原文ママ]で適切にナイフを保持するのが困難であることを示したが、問題なく手渡す事が出来た。D-108はナイフを持っていることを確認し、用意されたバターに22.5cmの深さまで挿入してこれを実証した。
この時点でD-299は実験エリアに入るよう指示され、被験者D-903およびD-108は何も言わずに後ろに立っているように指示された。
D-299は、箱からナイフを出し、出来る限り深くバターに挿し込むように指示を受けた。D-299はSCP-2124-1実体を約20cmの深さまで挿入することに成功した。
D-108はまだ自分はナイフを持っていると主張し、正常にバターを切断してこの事実を立証した。Dクラス職員3名全員が混乱を表明。D-903はナイフを持っていないと主張し、証明するために開いた手をバターに向けて振って見せた。
D-108とD-299は、SCP-2124内にナイフを両方とも戻すよう指示され、問題なく実行した。その後、全Dクラス職員は、SCP-2124からナイフを取るように指示された。最初にSCP-2124-1実体を手に取ろうとしたD-903のみが成功。D-299とD-108は両者とも、SCP-2124は空であり、ナイフは入っていないと主張した。
実験2124-09 - 2013/04/21
被験者: Dクラス職員D-788、D-600、D-962。ナイト主任研究員による監督下。
内容: Dクラス職員は、SCP-2124-1の効果を標準的な材質と同じように実体そのものに対しても試験できるであろうと言われ、[データ削除]ように指示された。
続く広範な試験と、D-600の手に負えない振る舞いによる保安職員の介入の後、全SCP-2124-1実体はSCP-2124に戻され、実験は終了した。
補遺: 実験の21時間後、D-788は独房を逃走し、鎮静前に保安職員1名に重傷を負わせた。D-788は、「どうするか知りたきゃ、箱を一回見れば十分なんだよ」と主張。D-788は、尋問下において、SCP-2124-1実体を作成可能であることを証明した。この実体はSCP-2124内に配置された型枠の測定値からは大幅に異なるものだった。
尋問を受けた際、D-600とD-962は、SCP-2124から取ることなくSCP-2124-1を生成できなかった。
ページリビジョン: 4, 最終更新: 21 Feb 2024 12:38