アイテム番号: SCP-2146-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2146-JPは非脅威的存在収容手順に従って収容されています。懸念事項としてはSCP-2146-JPの精神的摩耗が挙げられ、現在は定期的なカウンセリングによるメンタルケアを図っています。
説明: SCP-2146-JPは、後述の不随意的異常性を有する22歳(本リビジョン時点)の日本人女性です。経歴に特筆すべき点は見られず、基本的な要素は一般女性に準拠しています。後天的に異常性を獲得したと推定されていますが、発現プロセスの詳細は不明です。
SCP-2146-JPは、不規則的かつ高頻度に特定の身体部位から人間由来の体液または分泌液を発生させます。体液等の種類は様々ですが、多くは精液、その次に尿または唾液となる傾向が見受けられます。また、起点となる身体部位にも同様に一定の傾向が見られ、多くは膣部、その次に肛門、口腔またはその他腋などの部位が挙げられます。
発生する体液等の同定解析の結果、SCP-2146-JPの遺伝情報との一致は有意に認められず、他者由来であることが判明しています。その後、各事例において多少の同一性が認められる複数の体液等を判別し、財団の所管する広汎的遺伝データベースに照合しましたが、いずれも有効な該当結果は得られませんでした。
体液等に成分的な異常は見られませんが、不明な原理によって妊娠含む身体的リスクの要因は本質的に除去されています。これにより、体液曝露に伴う致命的な健康被害は発生せず、直接的な因果関係のない中度のストレス症状を誘発する程度に留められています。
インタビュー記録2146-JP
対象: SCP-2146-JP(桐島 鈴)
担当者: 柏木 研究員
<記録開始>
[重要性の低い部分を省略]
担当者: 現在の症状について、何か心当たりはありますか? どんなに小さなことでも構いませんので。
対象: 何もありませんよ。いつものバイトから帰って、軽くベッドに寝転んで、起きたらこんなことに。
担当者: その前に変わった事が起きただとか、誰かと接触したとかは?
対象: 友達とバイト先の店長とかくらいで、それ以外には特に。変なことだなんて──
[突然、対象が吐き気を催す。症状緩和のため、インタビュアーが対象の背を擦る]
対象: なんか口の中で変な味が。(嗚咽)ごめんなさい、ごめんなさい。なんか唾臭くて、気持ち悪くって。すみませんでした。
担当者: いえ、それよりも大丈夫でしょうか。体調が悪いようでしたら、また後日にでも。
対象: 後日って。後日って何時になるんですか? 体調が良くなる訳ないじゃないですか。こんな状態なのに。それとも治してくれるんですか? それなら早く治してよ。早く。
担当者: どうか座ってください。根本的な治療は望めませんが、桐島さんの要望には最大限応えられるように致します。
対象: (過呼吸気味)ごめんなさい。最近、気持ちが上手く整理できなくて。なんだか怖いんです。なんかこう、私の身体が私じゃないようで。この変な感覚が寝ても起きててもずっと残ってて、本当に気持ち悪くて。すみません。
[対象が体調不良を訴えたため、しばらくインタビューを中断]
[10分後、体調の回復が見込めないため、担当者がインタビューの終了を宣言。対象の退室を見送る途中、対象が床に座り込む]
対象: (嗚咽)ああもう。目から、ねっとりしてて、汚いのが。ほら。(精液を指で擦る動作)本当に気持ち悪い。
[重要性の低い部分を省略]
<記録終了>
補遺: WEB走査クローラーの定期報告により、複数のアダルトサイトにおいて、SCP-2146-JPの本名"桐島 鈴"を冠したアダルトグッズ1が販売されていることを確認しました。本件に関してプロパイダ及びサイト管理者に問い合わせましたが、両者とも当該製品群に見覚えはないと陳述しました。当該製品群には数十件程度の販売履歴があり、現在は当該製品の確保及び購入者の特定を優先事項としています。なお、SCP-2146-JPの精神状態を考慮して、当該製品群に関する本人への聴取は保留されています。