SCP-2147
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アイテム番号: SCP-2147

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2147の正面玄関は疑いを招かないように、常に雑草を除去した状態に保ってください。SCP-2147を写した写真は、対象画像のデジタル的改変または著作権侵害を理由とする公開停止要請によってあらゆるウェブサイトから除去されています。財団外に存在するSCP-2147写真、特に廃墟探検サイトに存在するものは可能な限り早く公開を停止させてください。

SCP-2147の周囲にはスプリンクラーとミスト発生器が設置されており、建物の近くを通る人物に対して定常的にクラスF記憶処理1を行っています。

配管以外の全ライフラインはSCP-2147-Bから切断されています。可燃性ガスの発生のため、建造物の地下で炎を使用してはなりません。ガスが有害な濃度に達するのを防ぐため、地下は毎週換気してください。

説明: SCP-2147は、オハイオ州[編集済]郊外に位置する3階建ての家と座標[編集済]に同時に位置している、フロリダ州エバーグレーズの一区画と考えられている場所です。エバーグレーズの区画はSCP-2147-A、家はSCP-2147-Bと指定されています。

SCP-2147-AはSCP-2147-Bの内部空間とその境界に適合しており、配管、暖房用ダクト、床下、ガス管を含む2家の構造全体に存在しています。これにより、次のような様々な不整合が引き起こされています。

  • 2階に位置する流砂の穴。この場所の1階は浴室となっているが、砂の出口は存在していない。流砂に落としたGPSセンサーは、出口がエバーグレーズのどこかに位置することを示した。
  • [編集済]市の水道に接続されているにもかかわらず、蛇口を開いた際に出所不明の沼水が排出される。水にはウキクサ亜科 (Lemnoideae) の植物、カエルの卵、ヤゴが混入している。さらに、蛇口のバルブが閉まっているにもかかわらず水はランダムな間隔で流出する。
  • 屋根裏とそこに通じる階段に到達できない。これは推定300トンに及ぶシルト、泥、有機物が空間を埋め尽くしているためである。これにもかかわらず、屋根裏を支える2階の天井に構造上の問題は発生していない。現在、SCP-2147-Bの屋根から屋根裏に入る試みが行われている。
  • リビングまたは客間と思われる部屋全体は、未知の深さまで沼水に満たされている。家のこの領域の家具はダイバーによる探索で発見されている。さらに、未知の民謡のような音楽が水上と水中の双方で常に鳴り響いている。
  • リビング、地下、浴室を除き、発見時の家にはいかなる家具も電化製品も存在していなかった。

SCP-2147-Bからの動物相が[編集済]市に逸出しているのに対し、SCP-2147-Aの植物相は玄関階段の1段目を越えて成長できないことが示されています。これらの植物の茎はこの場所において異常な形で終端していますが、植物を物理的に動かすことで茎の先端はどこか別の場所に存在していることが示されました。

SCP-2147は、[編集済]市の下水道にワニが生息するという報告を繰り返し受けた異常事件課シンシナティ地区担当によって発見されました。エージェントは、SCP-2147内に住む1匹のワニがトイレを産卵場所としており、孵化した個体が排水管を伝い下りて稀に下水道内で生存していたことを発見しました。捕獲された複数のワニの年齢から、SCP-2147は少なくとも10年は何らかの形で存在していたと推定されました。

補遺: UIU、マカリスター捜査官へのインタビュー:

エージェント・ウィリアムス: マカリスター特別捜査官、私はエージェント・ウィリアムス、異常事件課の財団連絡係です。記録のために名前を述べてもらえますか?

エージェント・マカリスター: (溜め息)クイン・マカリスター特別捜査官。連邦捜査局異常事件課第25係所属。

エージェント・ウィリアムス: 異常に最初に気付いたのはいつですか?

マカリスター: 正直に言えば、あれは簡単な調査のはずだったんだ。UIUはいつも下水道のワニの報告を受け取ってるし、法律とか何とかのおかげで、俺達はその一つ一つを調査する必要があったからな。

最初、俺達は育って手に負えなくなった赤ん坊ワニを誰かが下水に流しただけだと考えていた……だが問題は、この苦情が3ヶ月で10回もあったことだ。[編集済]郡のSCP――すまん、SPCA3は奴らがどこから来たか分からなかった。

小さな奴らはほとんどウッド・ストリートで見つかった――あそこは楽しい場所じゃない。どこもかしこも壊れていて、空き家で、衰退している。それで俺達がそこを探していると、俺の相棒は……嘔吐し始めてしまった。

ウィリアムス: なぜですか?

マカリスター: クリストマン捜査官は過敏症を患ってるんだ。特に匂いにな。それで家の存在が分かった。オハイオのど真ん中で腐った沼みたいな匂いがしてたんだぞ?彼は匂いに耐えられなかったから俺が入ったんだが……ワニにもう少しで足を食い千切られるところだった。俺はそいつに発砲して、家の中が「大アマゾンの半魚人」の撮影セットみたいになってるのを見た。それでお前らを呼んだってわけだ。

ウィリアムス: 戸口から見えたもので、他に何か異常なものはありませんでしたか?

マカリスター: フロリダがこっちに来てたってこと以外でか?そうだな……ドアから入った時、そのすぐ横にブーツが置いてあるのに気付いた。見た目は……狩りに行く時とかに履くようなやつだ。新品だった。クリストマン捜査官の様子を見に戻って、また来た時にはもう無くなってたな。

補遺: 事件2147-01: 20██年██月██日、捜査ダイバーのエージェント・ラウダーがSCP-2147-Bリビングの調査中に消失しました。通信が途切れる前、エージェント・ラウダーは水中に出現した穴を調査しに行くと報告していました。彼は20分後にも水上に現れず、緊急潜水調査が行われましたがその位置を特定することはできませんでした。

潜水装備に装着されたGPSは、彼がどういうわけかエバーグレーズの座標[編集済]に転移したことを示していました。派遣された財団部隊はエバーグレーズの僻地において、未知の力によって空中に浮遊していると思われる様々な家具や家電製品を発見しました。家具には複数のベッド、冷蔵庫、レンジ、オーブンなどが含まれ、1990年代半ばのものと推定されました。浴室の備品が存在しなかったことは注目すべきです。各家具の位置と高度は、これらがSCP-2147-Bに存在したと仮定した場合の位置と高度に一致していました。区画からエージェント・ラウダーは回収されず、彼は任務中死亡と推定されました。

任務部隊の複数名が、この区画から異常な音を報告し、これはリビングと思われる位置に浮遊しているレコードプレーヤーが演奏する、キングストン・トリオのアルバム“String Along”のLP盤によるものであることが分かりました。SCP-2147-Bの職員は、これがリビングで聞こえる異常な音であることを確認しました。

プレーヤーとLP盤は回収され、この時点では異常な点は存在しないと考えられました。しかし分析により、曲目“エバーグレーズ”の歌詞に以下のような大きな変更が加わっていることが示されました。

もう家族は家から戻らない
皆死んだのには違いない
借りを返すには目には目を
奴らを生かさぬネバーグレーズ
俺が生きるのはネバーグレーズ
俺の隠れ場所を知る者はない
吠える犬など怖くない
だが止まらず動き続けるがいい
蚊が食わぬのならワニが食う
ネバーグレーズを犬のように駆ける
粘つく霧の中をカエルのように跳ぶ
ネヴァリーズから木々を抜けて走る

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