アイテム番号: SCP-2149
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2149は、自然発生するすべての放射性同位元素を収容のに十分な内部放射線遮蔽を備えた、環境的に独立した小型収容室に保管されます。この収容室は内部にガイガーカウンターや空気質センサー、音声/ビデオ監視装置が設置されています。
SCP-2149はSCP-2149の出力開口部の下に、少なくとも 2 立方メートルの容量を持つマルテンサイト鋼製の携行性収集容器を配置できるように、十分な高さの同様の材質の支持フレームにしっかりと取り付けてください。生産イベント中は、職員はSCP-2149の格納容器に入ることはできません。生産イベントの後、作業員は格納容器に入り、SCP-2149 で生産されたすべての材料を取り除く必要があります。生産されたすべての材料は、種類別に分類し、必要に応じ廃棄または消毒して保管場所に置くものとする。
放射性物質および廃棄物の取り扱いおよび除染のためのすべての標準的な安全プロトコルを、SCP-2149 に割り当てられたすべての職員が遵守しなければなりません。SCP-2149 のホッパーの開口部の上には、SCP-2149 への物質または部品の一部の偶発的な導入を防ぐための安全キャップが設置されています。
説明: SCP-2149はユニバーサルモデル1の挽肉機及び肉刻み機です。表面的にはカーボンナノチューブの層状シートに類似した未知の材料のシリンダーが、未知の方法で挽肉機の本体に融合され、手動クランクの代わりになっています。研削錐は継続的に回転しており、SCP-2149の研削錐の回転を停止または防止する手段はまだ発見されていません。研削錐の回転は、軽金属を生産するときには速く、重金属を生産するときには遅くなることが確認されています。生産中はホッパーの開口部に材料を入れないでください。SCP-2149は、累積的に吸収された放射線により低レベルの放射能を示しています。
SCP-2149の出力部にソーセージのケーシングを充填するための付属品が溶着されています。この付属品は、駆動部のシリンダーと同じ材料で構成されています。表面サンプルの摩耗パターンと放射性炭素年代測定から、1920年代前半に製造されたものと推測されています。改造された部分の年代は正確には判明していません。SCP-2149の金属部品は経年数の割には良好な状態で、腐食も最小限に抑えられています。
毎日0:00(UTC/UTC+0000)になると、SCP-2149は生産イベントを開始します。生産イベントの間、金属がSCP-2149の開口部から産出し始めます。この金属は、97%~99.99%の純粋な金属元素です。生産イベント中にホッパーに投入された材料は通常時は分解できなかったとしても、産出する金属と一体化します。これは、合金というよりは単純な混合物であり、2種類の異なる肉を挽いて混ぜたようなものです。鉄の研削錐が硬くて強靭な物質を分解する機構は、投入された物質が排出された金属との合金になるのを防ぐ機構に加えて、現在も研究が進められています。金属はすぐに冷えて固形化しますが、プラズマ状態で生成されているようです。
生産イベントは、製造される金属の標準原子量に概ね等しい分数だけ継続します。SCP-2149 は、安定した形で存在する金属元素のみを生成することが観察されています。バンド理論における半金属及び半導体元素、非金属、ハロゲン、希ガス、および安定同位体を持たない元素は現在のところ、SCP-2149 によって生成されたと記録されていません。
SCP-2149がどの金属を生成するかについては、まだ規則性は決定されていません。しかし、SCP-2149は、他の金属よりも統計的に有意に高い割合で、鉄、銅、亜鉛、金、鉛を生産しているようです。オブジェクトの有する放射能のために、生産された金属もまた、高レベルの放射能を示しています。
インシデントα-2149-29
19██年██月██日19:00(██/UTC+█000)にSCP-2149は生産イベントを開始しました。レベル2研究助手████・アレンは、D-11279 と D-2476 の監督者として、収容任務に割り当てられました。D-11279はSCP-2149の開口部の下に回収ホッパーを配置し、D-2476は放出された金属の冷却を促進する為に水を入れた携帯用スプレーを所持して近くで待機していました。SCP-2149は、この時点では放射性物質であることが知られていましたが、放射能のレベルは安全な被曝レベルの範囲内であると測定されていました。両方のD-クラス作業員は、個人線量計を装備し、事故前にその使用方法について講習を受けました。これは、当時書かれていた収容手順に従ったものです。出来事の時系列は以下の通りです。
19:00-19:06: D-2476は些末な話をしている。短さ及び関連性の無さから記録は省略。
19:07: SCP-2149から収集ビンの底に達するのに十分な金属を生成している。D-2476は加熱された金属を噴霧し始めた。D-11279はD-2476に背を向けて収集ビンにもたれかかる。これは安全マニュアルに違反しており、互いに相手の線量計を見ることができなかった。アレンはこの手順書の違反を指摘しなかった。
20:03: D-11279は苦笑しながら腹部をこすり始め、胃の不調や痛みを訴える。D-2476は蒸気で部分的に隠れていた。
D-11279: うぐっ、おい昼飯にチリマックを食べたのがいかんかったのかね。
D-2476: へっ。俺ぐらい長くここにいれば食堂で何を食べてはいけないのかぐらいは分かるようになるさ。 [げっぷ] うっ、クソっ。俺も胃もたれがしてきたわ。不味い肉でも食っちまったのかよ?
20:16: D-11279は口元を覆い、腹部を握りしめた。彼は目に見えて青ざめていた。D-2476はSCP-2149から出てきた金属のスプレーを止めてD-11279の様子を確認するために移動したが彼もまた、目に見えて青白く、汗をかいていた。D-2476はD-11279の肩を叩いた。
D-2476: おい 大丈夫か?お前は…
D-2476は腕を振りながらカメラを仰いだ。D-11279は明らかに痛みを感じていた。
D-2476: おい!ここで休憩しないか?コイツは今にも戻しそうな顔をしてるぞ!俺も気分が悪いんだ!勘弁してくれよ!
20:19: D-2476はアレンの注意を引こうとしたが、彼は言葉はすぐに中傷や卑猥な言葉へと変化していった。D-11279は大量の嘔吐を始めていた。彼は横向きに丸まって両腕を腹部に巻きつけていて明らかに激しい腹痛を感じているのが分かる。D-2476は腰を曲げて両手を膝の上に置いていた。嘔吐を抑えようとしているように見えた。
アレン研究助手: 生産イベントが行われている間は、すべての職員は収容室内に留まっていなければなりませんよ。生産イベントが終了するまでは、余計な活動を控え、与えられた任務を実行してください。
怒りと痛みが入り混じったような表情でD-2476は再びカメラを覗き込んだ。彼の口は叫んでいるかのように動いていたが、残っていた音声は失われていた。後日、研究助手の証言によると、D-2476の会話の敵対的なトーンが強くなってきたために音声を遮断したとのことである。
20:22 -22:48: 残りのビデオ映像からD-11279とD-2476の両方が後に重度の放射線障害であることが確認された。D-2476は、D-11279が嘔吐物を吐かないように体勢を整えてから、最終的に同じような体勢で横になって生産イベントの終了を待っていた。
22:58: 生産イベントが終了。
その後の調査の結果、研究助手のアレンはビデオモニターを見ておらず監督下にある職員を監視していなかったことが明らかになりました。彼の怠慢な行動の結果、この事件に関与したDクラスの職員2名が死亡し、他の5名の職員が危険なレベルの放射線に不必要にさらされ、AA23収容棟の大部分が被曝しました。彼の行動を鑑みて、アレンはAクラス記憶処理の処置を受け、身分の回復は行われずに財団から解雇されました。
介護と援助に尽力したD-2476、 █████ ███████ は、死後、██████ ██████ の市民権を回復し、近親者にはレベル1の従業員に相応しい標準的な遺族給付金が支給されました。
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