アイテム番号: SCP-2161-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2161-JPが存在する建築物は不法侵入者多発の名目のもと、財団職員が警備員として常駐します。また、SCP-2161-JPの扉は実験時以外は施錠されます。インシデント2161-JP-1incの発生に伴い、現在SCP-2161-JPを用いた実験は中断されています。
説明: SCP-2161-JPは静岡県熱海市に所在する廃棄された宿泊施設の一室です。内部の面積が7.29m²(2.7m×2.7m)1、高さが2.4mで、内壁はコンクリートが剥き出しの状態となっています。また、部屋の中央に大型の椅子2が設置されています。
人間(以下、曝露者と呼称)が椅子に着席すると、SCP-2161-JPの異常性が発生します。曝露者は椅子からの移動が不可能になり、視覚情報を認識出来なくなります。これらの現象と同時に、曝露者は金属の摩擦音と形容される音を概ね1~20分間観測します。この音は電動工具や内燃機関搭載装置の駆動音である場合もあります。音が静止した後、曝露者は行動可能になり、視覚情報も認識出来るようになります。
異常性に晒されている間、曝露者は主に喪失感を覚えます。しかし、喪失の対象については理解出来ません。
現象発生の条件として、曝露者が以前にSCP-2161-JPの異常性に晒されたことが無い、という事項が挙げられますが、曝露が初めてであっても異常性が発生しない者も確認されています。この条件は不明ではありますが、現在のところ男性にのみ事例が見られます。
SCP-2161-JP実験記録ファイル
実験記録2161-JP-1
被験者: D-3341(36歳 男性)
結果: 拘束時間は12分。実験中はジャキジャキと表現される金属音が被験者により観測された。実験後、被験者には多量の発汗、落涙が見られた。また、被験者は「何かを無くしてしまい寂しいと感じる」という旨の供述をした。
追記: D-3341に関連する物品や人物の調査が行われたが、何かが失われた形跡は確認され無かった。
実験記録2161-JP-8
被験者: D-1082(23歳 女性)
結果: 拘束時間は20分。実験中はチェーンソーの駆動音に類する音が観測された。実験終了時、被験者は失神していた。意識回復後の聴取で被験者は「自身の大切な何かが失われてしまい、取り戻すことは出来ないと感じる」という旨の供述をした。
追記: 実験後の経過観察中、D-1082には自律神経失調症、並びに軽度の鬱の症状が見られた。いずれも精神的ストレスによるものとされる。
実験記録2161-JP-11
被験者: 機動部隊む-109("消耗品") H.C.隊員(██歳 男性)
被験者特記事項: ミーム・認識災害・現実改変へのレベル5耐性獲得済み
結果: 異常性が発生せず。
実験記録2161-JP-12
被験者: 機動部隊む-109("消耗品") L.C.隊員(██歳 男性)
被験者特記事項: ミーム・認識災害・現実改変へのレベル5耐性獲得済み
結果: 拘束時間は30秒。実験中はパチパチという音が観測された。この音は非常に小さく、くぐもっていたとされる。実験後、被験者は「スッキリした」と供述した。
SCP-2161-JPインシデントファイル
インシデント記録2161-JP-1inc
発生状況: D-2828、D-7101を用いた実験2161-JP-██を実行中に発生
内容: D-7101が実験を終えてSCP-2161-JPから出てきたところ、先に実験を終えていたD-2828がD-7101を罵り、嘲笑した。激高したD-7101がD-2828を殴りつけ、駆けつけた警備員によって拘束された。
D-2828はD-7101を嘲笑した理由について、「急にハゲたから」であると述べた。