SCP-2164-JP
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アイテム番号: SCP-2164-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2164-JPは標準人型実体収容セルに収容されます。SCP-2164-JPの収容セルには、生存状態の虫1が侵入しないよう入室時には必ず消毒室を使用してください。また、SCP-2164-JPには最低でも3日に1度、医師によるカウンセリングか行われます。

説明: SCP-2164-JPは日本国籍を有するモンゴロイド女性です。SCP-2164-JPの血中には未知の物質が含まれており、これは遺伝的なものではなく、SCP-2164-JPの特異的なものだということが判明しています。

SCP-2164-JPの異常性はSCP-2164-JPが負傷した場合に発現します。外気と接することにより、SCP-2164-JPの血中に含まれている物質が周囲の虫を誘引するフェロモンへと変化します。このフェロモンにより誘引された虫はSCP-2164-JPの外傷が塞がっていない場合、外傷を自身の全身で覆い、定着します。定着した虫は数分程度でSCP-2164-JPの組織と完全に癒着します。このプロセス中、SCP-2164-JPは肉体的、精神的に強い苦痛を感じます。癒着した虫(以下、SCP-2164-JP-1)は数日間かけて、次第に人の表皮組織と同等の強度に変化します。

SCP-2164-JP-1には中枢神経系や血管、筋組織以外の内臓は存在しません。これはSCP-2164-JPに癒着後、SCP-2164-JPに分解・吸収されたためだと推測されます。SCP-2164-JP-1はSCP-2164-JPの血中から酸素や栄養を受け取ることにより生存しています。これらの要因により、SCP-2164-JP-1は予測される生存期間を超過して生存しています。また、SCP-2164-JP-1は一部の部位を損傷した場合も完全に再生します。現在、周囲の組織ごと切除する以外にSCP-2164-JP-1をSCP-2164-JPから分離する手段は発見されていません。

発見: SCP-2164-JPは財団のフロント企業である████病院にSCP-2164-JPが搬送されたことにより発見されました。その際、SCP-2164-JPは交通事故によって重傷を負ったとして病院に運び込まれていましたが、関係者の証言によると、救急隊員が事故現場に到着した時点で外傷の大部分にSCP-2164-JP-1が癒着していたとのことです。そのため、SCP-2164-JPの外傷の治療はほとんど必要としませんでした。

この事故は、SCP-2164-JPの体表の18%程度が虫に置換されるという結果を齎しました。加えて、SCP-2164-JPの体格から予想される体重と実際の体重との乖離から、虫への置換は体内の不明な領域まで及んでいると推定されており、その除去に要する外科手術の規模、およびそれに伴う影響などが不可測であることから、外部からの除去は保留されています。

補遺1: 以下はSCP-2164-JPに行われたインタビューログです。

補遺2: 20██/8/21に中規模な収容違反が発生しました。この収容違反で発生した事故により、SCP-2164-JPは後頭部を中心に頭部の約██.3%を失いましたが、自身の異常性により一命を取り留めました。以下は事故後にSCP-2164-JPに行ったインタビューです。

インタビュアー: 筧博士

対象: SCP-2164-JP

追記: このインタビューは急遽屋外で行われたものである


<記録開始>

[SCP-2164-JPは四つん這いの状態であり、胸と口元を地面に擦りつけている]

[SCP-2164-JPの咀嚼音]

筧博士: ██さん。

[SCP-2164-JPの咀嚼音。筧博士の呼び掛けには反応を示さない]

筧博士: ██さん。しっかりしてください!

[SCP-2164-JPが筧博士の腹部を蹴る。SCP-2164-JPの口からカマドウマ(Diestrammena apicalis)の足が地面に落ちる]

[筧博士はうめき声を上げ、口を手で押さえ蹲る]

SCP-2164-JP: あぁ。えぁ。

[SCP-2164-JPがゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡す。SCP-2164-JPの左右の目の焦点は合っていない]

筧博士: ██さん?

[SCP-2164-JPは笑みを浮かべ、自分の腕に噛み付く]

筧博士: 何をしているんですか!やめて…やめなさい!

[SCP-2164-JPが自身の腕のSCP-2164-JP-1を噛みちぎる。SCP-2164-JPは大量に出血し、SCP-2164-JP-1が蠢く]

筧博士: 誰か!警備員!

[周囲の警備員がSCP-2164-JPを取り押さえる]

SCP-2164-JP: えあぁ、だ。あ

<記録終了>


追記: このインタビュー後、筧博士にカウンセリングが行われました。

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