アイテム番号: SCP-2169
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2169-1は民間人の立入禁止区域に指定し、病院スタッフを装った財団保安職員によって警備されます。
SCP-2169は少なくとも1ヶ月に1回、矯正のために外科手術が必要な外傷を負っている、もしくは体調不良のDクラス被験者1名を用いて活性化させます。予定されている活性化事象以外でのSCP-2169の実験や活性化は、少なくとも2名のレベル3上級研究員から事前の承認を受けた場合のみ実施可能です。
説明: SCP-2169は、ある手術室(SCP-2169-1と指定)に隣接している観察室に影響を及ぼす異常現象です。影響を受けると、問題の手術室で予定されていた外科手術が行われる度にSCP-2169が活性化します。
外科手術を予定していた患者が沈静され、室内に移された時点で、影響された手術室はアクセス不可能になります。ドアを開ける/手術室に入るための試みは全て必然的に失敗しますが、隣の観察室はまだ入退室が可能な状態です。続いて、SCP-2169-2と指定される人物たちが室内に出現し、予定通りの外科手術を患者に施し始めます。
- 外科医、1名。
- 麻酔科医、1名。
- 手術室看護師、または技師、1名。
- その手術特有の専門医(心臓手術なら灌流技師など)、または追加の看護師、1名。
手術中、SCP-2169-2個体群は数多くの難解な、そして多くの場合異常な話題についての会話を交わします。手術が完了すると、全てのSCP-2169-2個体が消失し、SCP-2169-1は再び入室可能になります — この時点で影響された患者を除去できるようになります。
SCP-2169が30日以上活性化されなかった場合、SCP-2169は新しい場所へ移動します。現在の収容プロトコルが実装される以前、SCP-2169は3ヶ所の異なる病院の手術室に影響を及ぼしましたが、それらは全てアメリカ大陸の東海岸に位置していました。影響されていた病院のスタッフは、SCP-2169-1で予定されていた手術や、関与したはずの外科医に関する詳細事項を思い出すことができませんでした。
補遺2169-1: 特筆すべきSCP-2169-2個体のログ
一部のSCP-2169-2個体はSCP-2169活性化の際に繰り返し、または一貫して出現しており、以下にまとめられています。
SCP-2169-2-1 — 民族不明の中年男性の容姿をしており、活性化記録の83%で外科医の役割を果たしている。他のSCP-2169-2個体から度々“デイヴ”と呼ばれている。
SCP-2169-2-2 — ヒスパニック系民族と思しき中年女性の容姿をしており、活性化記録の68%で手術室看護師の役割を果たしている。名前は“ノーマ”であると思われる。
SCP-2169-2-4 — 約40歳のアジア人男性の容姿。収容開始以来、一貫して麻酔科医の役割を果たしていたが、最終的には他の個体と置換された。名前は“サム”であると思われる。
SCP-2169-2-6 — 約30歳のアフリカ系アメリカ人男性の容姿。心臓手術が関与した活性化記録の98%で灌流技師の役割を果たしている。他のSCP-2169-2個体から“ジョー”と呼ばれている。
SCP-2169-2-11 — 約25歳のヨーロッパ系アメリカ人女性の容姿。SCP-2169-2-4の失踪後、麻酔科医の役割を果たしている。名前は不明。
補遺2169-2: 特筆すべき活性化のログ
日付: ████-██-██
対象者: D-3358 (肝臓移植)
関与した個体: SCP-2169-2-1(外科医)、SCP-2169-2-2(手術室看護師)、SCP-2169-2-4(麻酔科医)、SCP-2169-2-7(手術室看護師)SCP-2169-2-1: …だから言ってやったのさ、「完璧に馬鹿げてる、三級パイプラインからそんな大量のプラズマが手に入るはずがねぇ」ってな。
SCP-2169-2-2: (笑い) 冗談でしょ、あの人ホントにドジなのね。
SCP-2169-2-1: だから言ったろ? なんで監督の連中は奴をのさばらしておくんだか。ここだけの話、奴は全くの重荷だよ。仕事を横取りされそうでこんな事言ってるわけじゃねぇんだ。
SCP-2169-2-7: 危ないですよ。
SCP-2169-2-1: おぉっと、了解だ。そんで… 完了。
SCP-2169-2-4: 良くできました。記録に付けときましょう。
(個体群が消失する。対象者は後ほど完全に快復した。)
日付: ████-██-██
対象者: D-4425 (心臓移植)
関与した個体: SCP-2169-2-1(外科医)、SCP-2169-2-2(手術室看護師)、SCP-2169-2-6(灌流技師)、SCP-2169-2-11(麻酔科医)SCP-2169-2-2: で、無職でいるってのはどんな感じ?
SCP-2169-2-1: 実際そう悪かねぇな。もっと擂り潰されてるような気分にならねぇ職をじっくりと探せるだけの金は貯めてるんだ。それによ、無職でいるともっと頻繁にそういう過ごし方をしたくなるのさ、だからまぁ、一筋の希望みてぇなもんかな?
SCP-2169-2-2: 聞いたことあるわね。ねぇ、待って、何かが…
(警告音。)
SCP-2169-2-11: ああクソッ、しくじった。クソッ、クソックソッ。
SCP-2169-2-2: 動かないで、蘇生を試すから。
(無関係な会話を省略。)
SCP-2169-2-1: あぁぁぁ畜生、こいつはダメかもしれん。
SCP-2169-2-11: 本当にすみません、これが初めての—
SCP-2169-2-2: あら、心配しなくたっていいのよ。よくある事だわ。
SCP-2169-2-1: おう、誰だって時には学びがあるもんだ。次回は上手くやるさ。
(個体群が消失する。対象者は死亡が確認された。)
日付: ████-██-██
対象者: D-4429 (右大腿骨に複数箇所の骨折)
関与した個体: SCP-2169-2-1(外科医)、SCP-2169-2-2(手術室看護師)、SCP-2169-2-19(手術室看護師)、SCP-2169-2-11(麻酔科医)SCP-2169-2-1: さて、あとは最後に何針か縫えば… 完了だ。
SCP-2169-2-11: できました?
SCP-2169-2-1: おう! 見ろや、そう悪かねぇだろ。
SCP-2169-2-2: イェイ!
SCP-2169-2-11: ああ、ありがとう皆さん。本当に感謝します。
SCP-2169-2-2: ホント、一枚撮っておきたいぐらい。
SCP-2169-2-11: あっ、ねぇ、良いアイデアがあります。
(この時点で、全4体のSCP-2169-2個体は観察室に顔を向け、対象者越しに数秒間ポーズを取った。)
SCP-2169-2-2: これでいい?
SCP-2169-2-11: ええ! ありがとう、皆さん!
(個体群が消失する。対象者は生存しており、状態良好と確認された。)
日付: ████-██-██
対象者: D-4811 (心臓バイパス)
関与した個体: SCP-2169-2-1(外科医)、SCP-2169-2-2(手術室看護師)、SCP-2169-2-25(不明)、SCP-2169-2-11(麻酔科医)(出現したSCP-2169-2-25が大声を上げながら外科用メスを掴み、対象者の胸を繰り返し刺突する。)
SCP-2169-2-25: トロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ
SCP-2169-2-1: この野郎!
SCP-2169-2-2: 何してくれてんのよ。
(SCP-2169-2-25が消失する。この時点で医療モニター機器が対象者の死亡を確認した。)
SCP-2169-2-1: クソが、ちゃんと拭っとけ。
(個体群が消失する。)