SCP-2177-JP発生場所
アイテム番号: SCP-2177-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2177-JPが発生する踏切周辺には常時職員を配置してください。SCP-2177-JPの発生時、SCP-2177-JP-1を民間人が目撃した場合、Aクラス記憶処理を施し解放してください。
説明: SCP-2177-JPは毎年3/21に██県██市███町に存在する特定の第1種甲踏切内で発生する異常現象です。SCP-2177-JPは遮断機が降下した状態で、尚且つその前で静止している人間(以下、対象)にのみ認知することが可能です。SCP-2177-JPが発生すると電車が通過する約20秒前に踏切内線路中央に物体(以下、SCP-2177-JP-1)が出現します。しばしば対象がSCP-2177-JP-1を線路から取り除こうとしますが、遮断機を境に不可視の壁に阻まれる為、失敗に終わります。
SCP-2177-JP-1が電車と衝突すると、空中で同体積の非異常性のシロツメクサ(学名:Trifolium repens)に変化します。電車はSCP-2177-JP-1と衝突することで損傷することはありません。
SCP-2177-JP発生時、不明な粘性のある黒色の物質1(以下、SCP-2177-JP-2)が踏切を通過する電車の運転席を覆うように出現します。その為、運転席は一時的に外界と遮断され、外部から内部の様子を確認することが不可能となります。SCP-2177-JP-2は当電車が踏切を通過すると瞬時に消滅します。また、SCP-2177-JP-2を目撃した運転手及び周囲の人間はこの現象に違和感を覚えず、重要度の低い記憶2として処理します。検査の結果、運転手及び電車は非異常性であると判明しており、あくまでもSCP-2177-JP-2はSCP-2177-JPに付随するものだと推測されています。
以下はSCP-2177-JP及びSCP-2177-JP-1の発生記録です。
発生日 | SCP-2177-JP-1 | 補筆 |
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2001/3/21 | ベビーカー | 初めて発生したSCP-2177-JP。民間人の通報によって財団に認知された。 |
2002/3/21 | 絵本 | 出版社として記載されていた██社は196█年に倒産している。 |
2003/3/21 | アニメキャラクターがデザインされた幼児用靴 | N/A |
2004/3/21 | 赤色の風船 | 線路上の空中に静止し続けた。電車との衝突後は他の事例と同様。 |
2005/3/21 | 赤色のランドセル | N/A |
2006/3/21 | 学習机 | シールが乱雑に貼られていた。 |
2007/3/21 | 白色の携帯用電話 | 着信音を鳴らしながら出現。この音声は対象以外にも認知可能であった。発信者は不明。 |
2008/3/21 | 化粧品数種 | N/A |
2009/3/21 | タバコとライター | N/A |
2010/3/21 | マフラー | 手編みのものだと思われる。 |
2011/3/21 | 女性用スーツ | シワが多く見受けられた。 |
2012/3/21 | 栄養ドリンク | 開封済み。 |
2013/3/21 | ゴミ袋 | 不透明で内部は確認できず。 |
2014/3/21 | 発泡酒 | 開封済み。 |
2015/3/21 | 白のワンピース | 新品のようだった。 |
2016/3/21 | N/A | 財団が確認した中で唯一何も発生しなかった事例。 |
2017/3/21 | 自動車 | 変化後のシロツメクサは全て花冠に編まれた状態で出現した。 |
補遺1: 2017/3/21に出現した自動車のナンバープレートを調査した結果、所有者として花咲 薫が登録されていました。薫氏は2000/3/21に発生した交通事故3で死亡しています。
薫氏の調査の一環として、薫氏の実父である花咲 和樹に対してインタビューが行われましたが、和樹氏は薫氏に対する記憶を保持していませんでした。和樹氏にアルツハイマー病やそれに類似する疾患は確認されていません。なぜ和樹氏が薫氏に対しての記憶のみを忘却しているのかは現在調査されています。特筆すべき点として、和樹氏はSCP-2177-JP発生時に通過する電車の元車掌であったことが判明しています。
補遺2: 2017/3/21以降、SCP-2177-JPは10年間発生していません。現在、SCP-2177-JPは喪失したとしてNeutralizedクラスへの再分類が審議されています。和樹氏は断続的に監視し、適宜報告してください。