SCP-2178
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-2178

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2178に割り当てられた職員の住宅と生活用品を支給するために、SCP-2178に基づいた臨時サイト-██が確立されました。半径3kmの円形の保安境界線をSCP-2178の周囲に確立し、定期的に巡回します。SCP-2178の辺鄙な位置のため、一般人が偶発的にSCP-2178を発見する可能性は限りなく低いです。そのため、SCP-2178の保安境界線を破ろうとする個人が発見された場合は、潜在的な注意人物として拘留します。

説明: SCP-2178はヒマラヤ山脈にある大きな岩の構造体です。麓から山頂まで、約162mあります;SCP-2178の山頂は海抜約6.5kmあります。SCP-2178は閉じられた拳に類似しています。SCP-2178-1と指定された人間の頭部がSCP-2178の麓に付着しています。SCP-2178-1は漢民族系の青春期の女性の物のように見えます。

SCP-2178は360日周期でその環境では不可能な異変を受けます。この周期は72日毎の5段階に分けられます。

  • 第一段階でSCP-2178は低木、明るい森、芝に覆われます。SCP-2178の温度は約摂氏15℃です。
  • 第二段階でSCP-2178の全ての植物は乾燥し始めます;山火事はこの期間では一般的です。温度は約摂氏30℃に上昇します。
  • 第三段階でSCP-2178の全ての植物は完全に焼き払われます;SCP-2178はこの段階の間に最小の異常活動を示します。温度は約摂氏20℃です。
  • 第四段階で東から西へと移動する雲は連続的にSCP-2178を覆い、ほとんど見ることができなくなります。温度は約摂氏8℃にまで低下します。この期間でのSCP-2178の探査で、温度が水の氷点より高いにもかかわらず雪で覆われていることが明らかになりました。この期間中、不規則な方向と測距で強さ50から700μTの磁場がSCP-2178の周囲の区域から自然発生します。
  • 第五段階で温度は約摂氏-3℃にまで低下します。水の氷点下にまで温度が低下したにも関わらず、SCP-2178を覆う雪は溶け、SCP-2178の側を流れる川を生成します。SCP-2178の周囲の気候は、この期間中断続的に雨になります。この期間にSCP-2178が生成した水の分析で、この水が異常に豊富な沈泥と鉱物を含んでいることを示します。SCP-2178を巡る水の流れは肥料を多く含み、植物の急成長を促して周期の第一段階を再開させます。

SCP-2178-1は生存しており、意識があります。環境による被害を受けず、食料または飲料を必要としません。SCP-2178-1は質問を受けても、その起源に関する情報は提供せず、非常に混乱しています。SCP-2178-1はその状態に気付いていますが、苦痛の徴候は示しません。掘削やSCP-2178への損害は不可能であると判明し、SCP-2178-1の回収は不可能です。

インタビュー記録-2178-03

回答者: SCP-2178-1

質問者: ジェームズ・チャン博士

<記録開始>

チャン博士: どうやってここに来たのか教えてくれるかな?

SCP-2178-1: いや。

チャン博士: 君の名前は、どこから来たの?

SCP-2178-1: …名前?名前なんて無い、と思う?

チャン博士: 今何処に居るのか教えてくれるかな?

SCP-2178-1: ここは山よ。私はこの中に落ちたの。

チャン博士: あー、うん。そう、その通りだ。この—この山は掘削できないみたいだから、君を助けだすまでに結構な時間が必要だと思うけど—

SCP-2178-1: 助け出す?助け出すつもりなの?ここは快適よ。

チャン博士: そうか。

SCP-2178-1: 私は名前なんていらない。私に場所なんていらない。家だってそう。この宇宙はとても大きい。とても精力的。私みたいな小さく永久的な何かのために、何かを除けてまで逗まるような場所はこの宇宙には無いわ…

チャン博士: 何か欲しい物はあるかな?

SCP-2178-1: 温かいものを。ところであなたは誰?

<記録終了>

補遺-2178A: 20██/██/██、臨時サイト-██の職員はSCP-2178の境界線を破ろうとした個人を確保しました。この個人は台湾の市民であるウェイドン・チェンと特定されました。チェンは現在注意人物として[編集済]に収容されています。チェンに関する詳細は情報適格性に基づきレベル4/2178職員が参照可能です。

チェンの確保に参加した直後、エージェント・バーンズは重度の精神的混乱と神経不安を報告しました。その2日後、エージェント・バーンズは関わっていないはずの過去の出来事に関する新しい記憶を手に入れたと主張しました。この事象の詳細はレベル4/2178に分類されています。この事象がSCP-2178と強く関わっているという明確な証拠があります。

エージェント・バーンズはチェンの私的な写真を直接取り扱った直後に、この症状が始まったと主張します。写真はチェン、SCP-2178-1に見える女性、デジタル処理で顔が隠された3人目が写った物です。

写真の裏側には中国語でメモが書かれています。英語に翻訳した物は以下の通りです:

その昔、尊大で、粗野なある詐欺師は、天に疑問を呈することができると決断した。これまでに君がこの事に関する物事を考えたことはあるだろうか?明日、1人の愚かな女の子がその詐欺師と同じことを試すそうだ。心配することはない。今までずっと、僕は強くもなく、ずる賢くもないと知っていた。そう、これは保険だ。R.W.は僕を殺すことはできないが、彼が臆病者であるとしても、僕を消し去るのに十分な胃袋を持っている。例え明日に何が起きようとも、この写真は全てを記憶し、必要ならば、僕の想起を助けるだろう。もし君がこれを必要とするならば、あの手は終わる。もし君がこれを必要として失敗したならば、これは別れの言葉となる。

いつか僕達はこの事を振り返り、誰かが僕達皆にただの悪戯をしたと考えるだろう。

これ以降、写真は何の異常特性も示しません。

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