SCP-2193
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アイテム番号: SCP-2193

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 人工知能適用課(AIAD)は、SCP-2193-1実例発見のために財団データベースを監視します。発見された実例は記録・除去され、それを有していたサイト(もし該当する場合)の職員に記憶処理治療を施します。暫定サイト-███とサイト-5、1観測サイト-██は、現象の観察を容易にするため、この手順からは除外されます。これらのサイトとの接触は、業務遂行に必要不可欠な他サイトのこれ以上の汚染を防止するために、如何なるレベルでも(直接訪問であれ、単なる電話/電子メールによる接触であれ)制限されます。

説明: SCP-2193-1は財団データベース内のアイテムおよび実体に関わる文書に影響を与える認識災害異常です。対象は多くの場合、オブジェクトの特別収容プロトコルや補遺に、Dクラス職員の“月ごとの終了”という業務に関する言及として出現します。過去のO5/管理者指令やSDECotW(全サイト局長執行委員会)決議をRAISAが調査して検証した限りにおいて、このような方針が初期に適用された、あるいは後に実装されたという証拠は、財団の記録に存在していません。

SCP-2193-1は不規則な間隔でデジタル上のSCPスロットに自動挿入されます。これがどのように生成されているかは判明していません。

SCP-2193-1に曝露した人物はミーム効果の対象となり、Dクラス職員の月例終了措置は財団において有効な業務であると完全に信じ込みます。この信念は“毎月の終了(Monthly Termination)”というフレーズを含んでさえいれば、あらゆる形態の意思疎通を介して容易く拡散します。これに疑問を呈する/怪しんでいるミーム未感染の職員らは、問題の方針を支持する単純なレトリックによってしばしば圧倒されます。感染者は、SCP-2193は財団が常に掲げてきた方針の一つであるかのように活動し続け、矛盾する情報を提供された場合も認知的不協和が欠如している様子が指摘されています。

Dクラス職員の過剰支出を別とすれば、感染したサイトおよび人物は並外れて効率よく、過度の混乱を起こすことなく職務をこなすことが可能です。SCP-2193-1のホストだった最初の既知の文書であるSCP-███はデータベースから除去され、財団対抗概念部門による審査が行われています。

内部資料や指示書の中に、実際的な終了過程について詳述しているものは存在していません。にも拘らず、感染した職員や部門は常に一定の手法でDクラス職員を“終了”します。サイト-███および-███の遠隔観測と、過去にSCP-2193が発見された被影響サイトの監視映像で、この“月例終了”のプロセスは明らかになっています。

  • 当月の最終日、Dクラス職員が関与する全てのSCP実験は中止されます。
  • サイトに勤務するDクラス職員の約1/3が、自分たちの住んでいる房のドアに向かって立ちます2
  • 十分な人数の保安職員たちが到着し、Dクラス職員らを一列縦隊に並べて施設内を護送します。保安職員は武装していますが、Dクラス職員に拘束具は装着されません。
  • 直接この過程に関与していない研究者、レベル0、その他の職員は、保安職員/Dクラスが通る通路を避けて移動します。計画/事前警告が欠如しているにも拘らず、これは完全に統率されています。
  • Dクラス職員は施設外に出され、監視システムで把握されていない位置へと移動させられます3
  • Dクラス職員たちのRFIDインプラントが機能を停止します。
  • 保安職員らは施設に戻り、携行武器を用いてDクラスを終了したと主張します。今日まで、職員らの銃器は一発の発砲も無いままに返却されています。

発見: SCP-2193は1994/10/31、AIADプロジェクト: CORINTHIAN (通称:"グラソン")がサイト-17に最初にアップロードされた時点で発見されました。当該サイトはSCP-2193終了事象の最中であり、AIはこれを監視システムを通して観測しました。この事象を非論理的かつ前例のないプロトコルと解釈したAIは当時のサイト管理者だったJ. O███████への連絡を試みましたが、通信は無視されました。

AIはミーム的な影響が存在しているという正しい推論を立て、サイトのバックアップ・デジタルファイルと、サイト-17職員が利用可能なメインデータベースの全エントリからSCP-2193-1を除去する作業を開始しました。AIはDクラス職員が房から出される前にプロセスを完了させ、房の電子ロックを無効化しました。

サイト-17の保安主任からAIによるシステムオーバーライドの解除支援を要請されたディートリッヒ・M・ラークは状況を調査し、AIが標準原則に従って活動していたことを確認した後、機動部隊イータ-10(“シー・ノー・イーヴル”)に警告を送りました。

サイト-17は他のサイトと共に隔離され、関連する記録からSCP-2193-1は削除されました。実験目的で暫定サイト-███と観測サイト-██はこの処置から外されています。

補遺: 事案記録2193/███

前記: 1999/01/31の01:30、暫定サイト-███でSCP-2193事象が開始しました。Dクラス職員の護送中、Dクラスと保安職員の両者に行動の変化が認められました。Dクラスが彼らの運命に対する懸念を繰り返し表明する一方、警備員はやたらと謝罪していました。以下はイベントが終了するまでのエージェント・イェソンのボディカムからの抜粋です。

01:59:23: 一団はサイトから南2kmにある森の開けた場所に到達。

02:01:46: Dクラス職員たちは空き地の中央の方へまっすぐ向かう。警備員は手を広げ、周囲を囲むように輪を形成する。これは以前の観測と一致する。

02:04:32: Dクラス職員の周囲の保安職員は、エージェント・イェソンを除いて背を向けて制服のカメラを隠す。

Agent Ysson: [突然の混信のため判読不明、恐らく'また']"…か"

02:05:05: D-1920が垂直に持ち上がり、その場で地面から0.3メートルの位置に浮いている。

02:05:09: D-1920は推定時速35,000kmで上昇し続ける。D-1823が浮かび始める。

02:05:12-02:06:58: このプロセスが各Dクラスごとに繰り返される4

02:06:58: エージェント イェソンは最後のDクラスの離陸を見て、満月を凝視する。

02:07:33: 月は“点滅”したかのように思われます5

02:07:35: エージェント イェソンは走り始める。背後では、他の警備員は元の位置のままに居るのが見られる。

02:07:39: エージェント・イェソンはDクラスと同様に浮き上がる。

02:07:41: カメラ映像はエージェントが成層圏に突入した時点で途切れました。

後記: 質問の結果、エージェント・イェソンはDクラスに攻撃され、口論の結果殺されたと警備員は主張しました。

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